4月 272006
 

基礎情報処理演習

この数年間,京都大学工学部工業化学科の新入生に情報リテラシーを身に付けてもらうという趣旨の演習科目を担当している.要するに,パソコンの使い方を知っておきましょうねということなのだが,将来の様々な利用形態を考慮して,WindowsとLinuxを併用している.

しかし,真に新入生に語っておくべきこととは,知識の受け売りなんかではないだろう.彼らが4年にも及ぶ大学生活を有意義に過ごすための,もっと大仰に言えば,豊かな人生を送るための心構えについて語ること.これこそが重要である.動機付けが必要なのだ.

このような考えから,機会のあるごとに,学生に対してメッセージを発している.以下に,新入生対象の基礎情報処理演習の受講生に対して配信したメールを転載しておこう.

夢を持て.目標を持て.その実現のために最大限の努力をしろ.

この前の演習の感想に,「UNIX/Linuxなんて使いたくない」という意見もあった.その気持ちはよくわかる.パソコンの使い方もろくに知らないのに,いっぱいコマンドを押し付けられて,訳も分からず演習をしていれば,嫌にもなるってものだ.それは仕方がない.

だが,ちょっと考えてみろよ.何か新しいものに取り組むとき,それを身に付けようとするかしないかが,自分の人生にどのような影響をもたらすかを.

高校にさかのぼろう.物理や数学が嫌いだからと,文系を目指す奴がいたはずだ.逆に,国語や社会が嫌いだからと,理系を目指す奴もいたはずだ.文系を選択した奴に,科学者やエンジニアとしての未来があるか.

小中学校までさかのぼろう.先生や親が「勉強しなさい」というわけだ.勉強が好きな奴もいれば嫌いな奴もいる.好き嫌いと,するしないは別問題だが,ともかく,「勉強なんてやりたくない」と勉強を放棄した奴もいたはずだ.そいつに,その後,国内の一流大学を出て,エリート官僚になる道は開かれるか.研究者になる道は開かれるか.

いいか.何かに取り組まないということは,その道に進むという選択肢を自分で消し去っているんだ.恐ろしいことに,消し去っているその瞬間に,本人は気付いていない.何年も,あるいは何十年も経ってから,「あぁ,あのとき,それをしとけば良かったんだよ!」と嘆くわけだ.手遅れになってからな.我々はみんな,そういう選択を毎日数え切れないほどやっているんだ.そういう日々の積み重ねが人生を形作る.

講義に出て居眠りする,講義に出て友人と雑談する,講義に出て必死に講義を聞く.消費した時間は同じだ.選択したものは異なる.当然,結果は異なる.将来も異なる.

京大入学や京大卒なんて看板はアッと言う間に色褪せるぞ.そんなものに自分の人生が託せるはずもない.

夢を持て.目標を持て.その実現のために最大限の努力をしろ.

別に大学に来て真面目に勉強しろなんて言ってるわけじゃない.自分の夢を実現するために,京大が無意味なら,やめればいい.意味があるなら,必死に勉強するしかないだろ.

今やらないで,いつやるんだ?

最後に,20世紀最高の知識人とも評されるドラッカーの言葉を贈ろう.君達の明るい未来を祈って.

ドラッカーの遺言(P.F. ドラッカー,講談社,2006)より

絶えざるスキルアップを達成するために最も重要となるのは,自分の強みを把握することです.自分が何を得意とするのかを知り,磨きをかけていく―これこそ個人のイノベーションの要諦であり,成果を挙げ続けていくための唯一の方法です.

知識社会において成果を挙げ得る人間であり続けるためには,スキルを更新する教育を何度も何度も繰り返し受けることが必要となります.真の意味での「生涯教育」であり,つねに教育に立ち返るこの姿勢こそが,個人のイノベーションを促進してくれます.生涯にわたる継続的な学習が不可欠となった事実を受け入れ,つねに再教育を受ける心構えを持ち,それを自己責任であると認識すること―「いま何を捨て,何を選択し,自己を高めるために何を学ぶべきか」を絶えず問い続け なくてはならないこと―いま,すべての人が身をもって知るべき事実です.

日本の若い世代の人達には,20代から遅くとも30代前半のうちに, 少なくとも2〜3年は日本を離れて,他国で働く経験を積むことをお勧めしたいと思います.情報が高度に専門化し,ごく限られた領域だけを守備範囲とするスペシャリストが増えている世の中で,日本人は若者を他分野にまたがる知識や技術を持ったゼネラリストに育てる術に長けています.それにもかかわらず,私が接してきた日本人の中には,視野が狭く,「世界について十分な知識が備わっていない」と感じさせる人が多数存在しました.海外経験の少なさがその原因です.学ぶべき課題は日本の外にいてこそ得られます.ぜひとも国外に出て行って,視野を大いに広げて欲しい.知識社会が招来する新しい時代においても,日本が世界のメインパワーであり続けるための原動力になってほしいと願っています.

4月 242006
 

数学ゼミ

プロセスシステム工学研究室では,毎年,数学ゼミを開催している.テーマとしては,線形代数と微積分(微分方程式)を交互に取り上げることが基本だが,より発展的な内容を取り上げることもある.この数学ゼミの起源は,20年以上も前に遡るという話だ.私がPSE研究室に配属された1992年頃にも,よく昔話を聞いたものだ.

この数学ゼミの最大の目的は,知識の習得ではない.もちろん,研究に役立つ知識を身に付けることは必要なことではある.しかし,知識を身に付けるための勉強なら,京大生なら誰でもできるだろう.敢えて研究室全体で取り組むほどのことではない.では,何のために数学ゼミを開催するのか.

数学ゼミの狙いは,次の3点に集約できるだろう.

  • 理解するとはどういうことかを知る.
  • 論理的に考え抜く力を身に付ける.
  • 勉強する姿勢を身に付ける.

その題材として,線形代数は非常に優れている.さらに,線形代数は,制御やデータ解析を使うときに必要不可欠な基礎知識でもある.つまり,プロセスシステム工学を専門としようとする学生にとって,一石二鳥のテーマなのだ.

なぜ,線形代数なのか?

伝統的に,テキストとして「線型代数と固有値問題」(笠原著,現代数学社)を利用している.1972年に初版が出た古い本で,一時絶版になっていたのだが,昨年,改訂増補版が出た.線型空間,ユークリッド線型空間,線型変換と行列,の3章の後に,固有値問題が扱われ,以降延々と固有値問題関連の話題が続く.

ちなみに,固有値や固有ベクトルというのは,多変量解析やデータ解析のキーである.これが理解できていないと,何もできない.

では,「理解するとはどういうことかを知る」,「論理的に考え抜く力を身に付ける」,「勉強する姿勢を身に付ける」ために,なぜ線形代数が適しているのだろうか.それは,線形代数の広大な世界を旅するのに,たった8つのルールだけを携えておけばよいからだ.

8つのルール

線形空間の元をa,b,c,係数体の数をx,yとする.

  1. どんな元a,bについても
    a+b=b+a
  2. どんな元a,b,cについても
    (a+b)+c=a+(b+c)
  3. 特別な元(それを0とかく)が存在して, どんな元aについても
    0+a=a
  4. どんな元aについても
    a’+a=0
    をみたす元a’がaに対応して見付かる
  5. どんな元aについても
    1・a=a
  6. どんな元aと,どんな2つの数x,yについても
    x・(y・a)=(xy)・a
  7. どんな元a,bと,どんな数xについても
    x・(a+b)=x・a+x・b
  8. どんな元aと,どんな2つの数x,yについても
    (x+y)・a=x・a+y・a

たった,これだけだ.これ以上の予備知識は必要ない.

第一回数学ゼミ

数学ゼミの実施に際しては,まず,講師(チューター)役を務める学生を決める.チューターは大学院の学生から選ばれ,この学生がテキストに沿って順番に説明を行うこととなる.原則として,チューターは立候補で決められる.数学ゼミという場に参加するという意味では,チューターも一般参加者も同等だが,数学ゼミから得られるものは全く異なる.人に説明をするのと人の説明を聞くのとが,同じ経験のはずがない.このため,自分の実力に磨きをかけたい学生は,チューターに立候補することとなる.

数学ゼミ参加者は研究室のスタッフおよび学生であり,参加は強制ではないが,自分の将来をきちんと考える学生で出席しない奴はいない.

線形代数ゼミの第一回目は,第1章第1節「線型空間」を扱うことになる.イントロ的な内容であり,上述の8つのルールが登場する.一回生のときに最初の講義で習った内容だろう.テキストでは約3ページだが,その範囲を読み進むのに,数学ゼミではおよそ2時間をかける.というより,どうしても2時間程度はかかる.チューターを含めた学生参加者が,数学ゼミのレベルを実感するのに,それぐらいは必要なのだ.

ここでは,第一回線形代数ゼミでの遣り取りのいくつかを紹介しよう.

ゼロを掛けたら,ゼロになるのか?

テキストには,節ごとに問が設けられており,理解できたかどうかを確認できるようになっている.線形代数ゼミでは,当然ながら,すべての問を解説してもらうわけだが,第1章第1節「線型空間」の問に答えるためには,

0・a=0

を証明する必要がある.この独り言を読むような人にとって,0・a=0,つまり,何かにゼロを掛けたらゼロになるというのは当然のことであり,疑いの余地はないだろう.だからこそ,問う必要がある.

なぜ,何かにゼロを掛けたらゼロになるのか?

さて,きちんと説明できるだろうか.ただし,前の0は係数体の数0であり,後ろの0は線型空間の元0である.

その横棒みたいな記号は何?

第1章第1節「線型空間」の問に答えようと頑張っていると,チューターである学生が次のような式を出してくる.

a-a=0

これまた当然すぎて,疑いの余地はないような式だ.しかし,線形代数ゼミでは,チューターに対して,次のような質問が飛ぶ.

その横棒みたいな記号は何?

何を質問されているのかすら分からない学生も多い.先に述べたとおり,線形代数の広大な世界を旅するのに,我々が携えているのは,たった8つのルールだけだ.もう一度,8つのルールを見て欲しい.線型空間の元a,b,cについては,+という演算しか用意されていない.つまり,"-"なんて記号は存在しないのだ.チューターには,"-"という記号の意味を明らかにして,

a-a=0

となることを証明することが要求される.

数学ゼミの意義

世の中,当然のこと,常識と思っていることほど,改めて説明するのが難しいことはない.数学ゼミでは,そこを徹底的に追求する.曖昧な説明,中途半端な説明に対しては,容赦なく質問が浴びせられる.この体験を通して,数学ゼミ参加者は,自らの能力を高めていく.その結果として,数学ゼミの狙い

  • 理解するとはどういうことかを知る.
  • 論理的に考え抜く力を身に付ける.
  • 勉強する姿勢を身に付ける.

が達成されるわけだ.だから,先に進むことは重要視されない.かつて,3時間の数学ゼミで,3行しか進まなかったこともある.もしこんな講義をすれば,即刻ダメ教員の烙印を押されてしまうだろう.このような教え方を受け入れる余裕は,今の社会にも大学にもない.

研究成果が求められ,金を取っ来いという強いプレッシャーを受け,さらに外部評価だ何だと資料作成に明け暮れる昨今の大学教員にとって,毎週数時間を割くのは簡単なことではない.しかし,プロセスシステム工学研究室では,このスタイルを頑なに守り続けている.

研究室卒業生が職場の先輩・同僚・後輩について,「みんな,まともなレポートは書けないし,言ってることも滅茶苦茶.」と辛辣な批評をするのも仕方ないことだ.在学中に研究室で受けてきた教育が全く違うのだから.

4月 092006
 

桜花見@平野神社

毎年桜の季節になると,平野神社で桜を観賞する.というか,日常の散歩コースにある平野神社には桜がたくさん植えられていて,桜の季節になると,観光バスで数多くの観光客が押し寄せる.他府県ナンバーも含めて,その観光バスが西大路通りに路駐するので,地域住民としては甚だ迷惑なわけだ.

西大路通りから平野神社の鳥居をくぐると,周囲一面桜ばかりとなる.非常に綺麗ではあるのだが,残念ながら,花見客用の座席が所狭しと並べられていて,ここでも商業主義が風情を損ねている.

その奥には,フェンスで囲まれた桜園があり,こちらは飲食禁止となっている.ところが,そこに座り込んで,お弁当を食べながら,ピクニック&花見気分に浸っているグループがいくつもある.どうしてこうも自己中心的な奴らばかりなんだろう.神社の人が,「ここは飲食禁止です.張り紙に書いてありますよ.すぐに止めて下さい.止めないと,桜園を閉めます.」と大声でアナウンスしている.

平野神社の境内には,見事なしだれ桜がある.その他にも,珍しい桜の木がいくつもあり,とても美しい.自宅から徒歩圏内に,このような美しい場所があるのは嬉しいことだ.

平野神社の桜

平野神社の桜

桜花見@疎水

平野神社で桜を眺めた後,疎水沿いの桜を見に行くことにした.北大路通りの近くを流れる疎水に沿って,延々と桜の木が植えられており,ここも美しい所だ.

最近購入した車で,疎水沿いをドライブする.桜の木の下を走る格好になるので,サンルーフを開け,頭上の桜を仰ぎ見る.残念ながら,運転手だけは頭上の桜を見ることができないのだが...

2歳9ヶ月になる長男は,「わー!綺麗!」と言って,大喜びだ.疎水沿いの桜並木に限らず,鴨川沿いの桜など,車に乗っていて桜が見えると,いつも「わー!綺麗!」と嬉嬉としている.素直に感動する心を,いつまでも忘れないで欲しいと願う.

平野神社の桜

4月 092006
 

帰国フライト

4日間にわたる国際会議ADCHEMも無事終了し,いよいよ帰国だ.ここからが途方もなく長い.フライトスケジュールは以下のようになっている.

<フライトスケジュール>
April 06 18:30 Porto Alegre発 Varig Brazilian Airlines
April 06 20:05 Sao Paulo着
April 06 22:55 Sao Paulo発 Delta Airlines
April 07 07:30 Atlanta着
April 07 10:25 Atlanta発 Delta Airlines
April 08 13:25 Tokyo-Narita着
April 08 19:10 Tokyo-Narita発 All Nippon Airways
April 08 20:20 Osaka-Itami着

Varigのフライト変更

ポルトアレグレ空港を18:30に出発するフライトを予約してあるのだが,ポルトアレグレ市街に足を運ぶつもりもないため,時間がありすぎる.ホテルから空港へ向かうシャトルバスは,9:00にホテルを出発して,11:00に空港へ到着する予定だ.そこで,空港に到着後,より早いフライトに変更して,サンパウロ空港で時間を潰すことにした.サンパウロはブラジル最大の都市だから,空港施設も充実しているだろう.加えて,乗り継ぎに予想以上に時間がかかるかもしれないし,サンパウロに向かうフライトが遅れる恐れもある.実際,往路のサンパウロからポルトアレグレに向かうフライトは出発が1時間ほど遅れた.ブラジルは初めてで事情がよくわからないため,安全の面からも,早いフライトに変更しておくのが無難なようだ.

予定通り11:00頃にポルトアレグレ空港に到着した後,Varigのチケットカウンターに向かう.カウンターでチケットを見せて,早い便に変更したいと告げたところ,「12時の便があるが,満席で変更は無理ね.」とのこと.万事休す.

仕方がないので,18:30の便にチェックインしてスーツケースだけ預けてしまおうと,行列に並びながら,出発便リストを眺めていたところ,サンパウロ行きの便は12時以外にも複数あることに気付いた.12時以降のフライトも空席がないか確認してもらわないといけない.そこで,再びチケットカウンターに向かう.再度,早い便に変更したいと告げたところ,今度は「14時の便があるが,満席で変更は無理ね.」とのこと.他にもフライトがあることを知っている私は,「他のフライトはどう?」と尋ねた.すると,その女性は,「確かに,いくつかフライトはあるけど,サンパウロの空港は2カ所あって,国際線に乗り継ぐのとは違う空港に行くことになるわよ.しかも,空港は結構遠いわよ.それでもいい?」と教えてくれた.英語の通じない国で,目的地と異なる空港に行ったりしたら,どんな酷い目に遭うかわからない.「いや,違う空港には絶対に行きたくない.」と答えて,その場を立ち去った.

当初の予定通りのフライトで潔くチェックインすることにして,Varig Brazilian航空のチェックインカウンターに戻る.係のお姉さんにチケットとパスポートを渡したところ,「随分と遅いフライトね.早いのに変更したい?」と尋ねられた.「もちろん.できることなら早いフライトに変更して欲しい.」と伝えると,カチャカチャとキーボードを操作して,空席を探してくれているようだ.一瞬の間の後,「14時のフライトがあるんだけど,残念ながら満席ね.他にもサンパウロ行きのフライトはあるけれど,あなたが行きたい空港とは別の空港になるわ.2つの空港は結構離れているけど,それでも行く?」と聞かれた.それだけは,ありえない.「いや,違う空港には絶対に行きたくない.」と答えると,「それじゃあ,試しにウェイティングリストに名前を載せておく?」とキャンセル待ちの可能性を示唆された.どうせ空港にいるのだろうから,キャンセル待ちをして困ることは何もない.イエス!と即答する.お姉さんは,リストの一番上に私の名前を書き,「それじゃ,1:30に,ここに戻ってきて.名前を呼ぶから.多分,乗れると思うわよ.」と教えてくれた.

キャンセル待ち

1:30まで,まだ2時間近くもある.お腹もすいてきたし,まだ現金も残っているので,食事でもしようと,スーツケースを転がしながら,空港内をブラブラと歩いた.折角だから,ブラジルっぽいものにしたいと思うが,ファーストフードやカフェか,高そうなレストランばかりが目に付く.あてもなく彷徨っていると,空港の一番隅に,カフェテリア形式の店を見付けた.結構込んでいる.これは当たりかもしれない.何よりも,メニューではなく,現物を見て選べるのが嬉しい.料理は,これまで食べたものと大差ない.パサパサした白いご飯か焼き飯(?),サラダ各種,それに何種類かの肉だ.グラマドやポルトアレグレのある州は酪農・畜産が主要産業のようで,肉料理が美味しくて安い.ここでも,煮込まれた大きな牛肉の塊を皿に取った.それに,サラダとご飯と缶ジュース.これだけで,R$8(約400円)ほど.のんびりと食事をしながら,時間が過ぎるのを待つ.

1:25.チェックインカウンターに戻る.キャンセル待ちをしている様子の人達が何人かたたずんでいる.ボケーッとしていたら誰かが助けてくれるという所でもないだろうから,カウンターで「先刻ウェイティングリストに名前を載せてもらったのだが,そうすればいい?」と確認する.その女性(隣のカウンターにいた)は私のことを覚えていたのか,「あ〜.あと5分ここで待って.」と答えた.

1:30.まだアナウンスがない.スーツケースを預けないといけないのに,出発まで30分で大丈夫だろうかと不安を感じる.

1:35.紙を手にしたその女性が,「え〜,○○○○○○?」と名前を呼びながら,こちらを見た.イエス!と返事をしながら,カウンターに進む.キャンセル待ち成功だ.

スーツケースを預け,手続きを済ませて,指示されたゲートへと向かう.ところが,セキュリティチェックで長い長い行列ができている.こんな行列に並んでいたら,どう考えても間に合わない.チェック装置の近くで行列の整理をしている女性に,搭乗券を見せながら,「出発まで時間がないから通して欲しい」と頼む.が,英語が通じない.意味不明の言葉で,しかし身振りは明らかに,「行列に並べ」と語っている.ショックを受けたその瞬間,「Hi, Manabu!」と後方から声が聞こえた.同じ国際会議ADCHEMに参加していたマルコだ.マルコとはオハイオ州立大学つながりで知り合いになった.彼も今日ポルトアレグレを離れるようだ.マルコに「ここに入れよ」と言ってもらい,無事にセキュリティチェックを通過した.マルコも同じフライトを利用するようだ.ゲートに向かうと,既にボーディングタイムになっているはずなのに,行列がない.ダラ〜ッとイスに座っている人達ばかありだ.ゲートには,フライト情報を示すものがないため,不安そうにキョロキョロと周囲を見回すと,こちらに向かって手を振る人がいる.今回,恐らく僅か2名の日本人参加者のうちの1人,Sさんだ.その近くには,アルバータ大学の若いメンバー3人もいた.どうやら,間に合ったのは間違いない.

ポルトアレグレからサンパウロへ

結局,ポルトアレグレからサンパウロへのフライトは1時間ほど遅れて出発した.たまたまにしても,初めて利用する航空会社で往復の2フライトども遅れたら,良い印象は持たない.18:30のフライトがどうかは知らないが,早いフライトに変更したのは正解だったかもしれない.

サンパウロではスーツケースをピックアップする必要はないとのことだったので,到着後そのままデルタ航空のチェックインカウンターへ向かう.が,カウンターがオープンしていない.デルタ航空のフライトは,午後のアトランタ行きがキャンセルになっており,22:55のフライトまでない.最悪,8時頃までカウンターがオープンしない可能性もある.サンパウロ空港の施設は充実しており,色々と見物して時間が潰せるだろうと期待していたのだが,見物するようなものは何もなかった.仕方なく,カフェのイスに腰掛けて読書に没頭する.

サンパウロからアトランタへ

いつオープンするかも分からないので,時折カウンターの様子を確認しに行く.18時頃に見に行ったとき,ようやくカウンターが開いていた.スカイチームエリート会員なので,ビジネスクラス用のカウンターで手続きをしてもらえる.エコノミークラス用の長蛇の列に並ぶ必要がないため,この特典は非常に有り難い.

チェックイン時に,預けた荷物の中身についていくつか質問された.それに答えると,行きと同じオレンジ色のシールをチケットに貼ってもらえた.このシールは,国際線の乗り継ぎで利用するだけのアメリカの空港で,荷物をいちいち受け取らなくて良いことを意味する.つまり,ポルトアレグレで預けたスーツケースは,成田空港まで直接運ばれる.その間,一度も顔を合わせる必要はない.

出国手続きを済ませれば,免税店などが色々とあって楽しめるだろうと期待していたが,その期待はあっさりと裏切られた.免税店がないわけではないが,しょぼい.レストランもない.それでも,再度外へ出る気力もないので,免税店でお土産を買い足し,後はゲートで時間を潰すことにする.既に,コーヒー,お茶,ビールなどをお土産に買い込んでいたが,空港の免税店でカサーシャというブラジルのお酒(さとうびきから作る蒸留酒)を購入した.国際会議のレセプションで一杯だけ飲んだが,かなり強い.こういうお酒は重いので,あまりお土産にはしないのだが,折角ブラジルまで来たのだからと,一本だけ持ち帰ることにした.もちろん,街のスーパーで買うより高いのだが...少しだけ残った現金でマンゴージュースとスナックを買い,ゲートでボーッとする.

サンパウロ発アトランタ行きのフライトは,ほぼ定刻に出発した.アトランタでは荷物をピックアップする必要がないため,入国手続きと出国手続きをサッサと済ませて,スターバックスでカプチーノだけオーダーして,ゲートへと向かう.アメリカの空港にも別に見るものはない.どこも似たようなものだ.

成田空港へ

今回のブラジル往復では,機内で映画を沢山見た.普段はフライトで映画をあまり見ないのだが,流石に時間が長いこともあり,往路で2本,復路で4本の映画を鑑賞した.今回鑑賞した映画は以下の通り.

  • The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch, and the Wardrobe
  • Harry Potter and the Goblet of Fire
  • Memoirs of Geisha
  • Aeon Flux
  • Zathura

ナルニア国物語は往路でも復路でも上映していたので2回見た.確かに良くできたファンタジーなのだろう.原著を読んでみようかなと思った.ハリーポッターは,いくつか見たことがあるが,全部ではない.それほど興味があるわけでもないので覚えていない.サユリは機会があれば一度見てみたいと思っていた映画だったので,ラッキーだった.第二次世界大戦の前後,激しい人生を送る一芸者の話だ.映像の綺麗な映画だが,暗い話や悲しい話はこちらまで落ち込むので正直あまり好きではない.イーオン・フラックスはシャーリーズ・セロン(あってるか?)のアクション.近未来の話で,MATRIXみたいな感じの映画.正直,これが一番分からなかった.映画を見ると,英語力のなさを痛感する.Zathuraは双六ゲームの世界が現実になるという話.名前を忘れてしまったが,そういう映画が昔あった.それと同じ.

さて,アトランタから半日以上をかけて,無事に成田空港に到着した.グラマドのホテルを出発してから40時間ほどになる.南米のブラジルから帰国すると,検疫のために,黄色い申告書に何か体調に異常がないかを書かなければならない.「のどの痛み」という項目があったので,そこにチェックをしたのだが,「熱や何か変わったことはありますか?」という質問に「いえ,何もありません.」と答えると,それだけで終わった.引き続き,入国審査を受けて,バゲッジクレームへと向かう.まだターンテーブルは動いていない.

しばらくして,空港関係者と思われる人がターンテーブルの中央に立ち,人の名前を呼んだ.

「カノウマナブ様おられますか?」

それって私のことじゃないか.こんなところで名前を呼ばれるなんて一体どうしたんだ.何も悪いことをした覚えはないが...と心の中でつぶやきながら,「はい.私ですが...」と名乗り出る.すると,「申し訳ありません」という謝罪の言葉から,その男性の説明が始まった.

ロストバゲッジだ.前回のアメリカ出張に続けての災難.これで合計3回目.恐ろしく高いヒット率じゃないか.

ただ,ロストバゲッジというと,普通は自分の荷物がターンテーブルに出てこなくて気付くわけだが,今回は事前に宣告された.これまでとは,ちょっと状況が異なるようだ.説明を聞いてみると,どうやら,そもそもデルタ航空のフライトに荷物が載っていなかったようだ.つまり,サンパウロで既に荷物とはぐれていたことになる.断定はできないが,どうやらVarig Brazilian航空のミスと見て間違いないだろう.乗り継ぎには十分に時間があったはずなのだが...あるいは,ポルトアレグレでキャンセル待ちをした時点で既にはぐれていたのか.それでも,そのフライトは1時間遅れたのだから,時間がなかったわけではないはずだが...

ともかく,一日遅れの便でアトランタから運ぶ予定になっているとの説明で,成田空港到着後,税関検査を受けて,宅配便で自宅に届けてもらえるとのことだ.どうせ自宅に帰るだけなので,大きなスーツケースがない方が有り難い.非常に丁寧に謝っていただき,こちらの方が恐縮してしまった.このあたりの心遣いが日系企業の良さだろう.海外なら,「書きたいなら申告書に書けば?」みたいな対応になることもある.

4月 062006
 

Hotel Serrano@グラマド

今回参加したADCHEM(IFAC Symposium on Advanced Control of Chemical Processes)という国際会議は,Hotel Serranoというリゾートホテルで開催された.グラマドは日本の旅行ガイドブックに載っていないので自信はないが,どうやら観光地として有名そうなグラマドには,多くのホテルがある.Hotel Serranoは,グラマドの市街(シティセンター)に近い,丘の上に建つ5つ星のリゾートホテルだ.

広々として豪華なロビーには,南国情緒が漂っている.ただ,日本人が南国情緒を感じるだけで,ブラジルの人達にとって,グラマドは避暑地のような位置付けなのではないかと思う.

ホテルの敷地内には,いくつかの宿泊棟と会議場の他に,プールやテニスコートがある.敷地内は綺麗な花や草木で彩られ,頭上には澄んだ青空が広がり,リゾート気分を満喫できる.

客室も快適で申し分ない.冷蔵庫をはじめ,必要なものは全て揃っている.ただ,高速インターネット接続は有料(約1000円)だった.

これだけ充実したホテルで,ビュッフェ形式の朝食が付いて,宿泊料金は1泊12,000円ほど.やはりブラジルの物価は安いのだろう.アメリカ・カナダやヨーロッパなら,2万円しかねない.

ちなみに,近くのスーパーでは,缶ビールが1本80円ぐらいで売っていた.

五つ星のリゾートホテルHotel Serrano@Gramado,Brazil

Hotel Serrano@Gramado,Brazilの客室

安くて美味しいステーキ

土曜日の夕方にバスでホテルに到着した後,グラマド中心部のレストランに夕食を食べに出掛けた.ホテルのレセプションで,美味しくて高くはない店ということで紹介してもらったレストランだ.オープンカフェもあり,客も多い.

折角なのでオープンカフェのテーブルに着き,メニューを持ってきてもらう.まずは,ドリンクからだ.が,メニューはすべてポルトガル語で,何もわからない.店員も英語がわからない.カバンから旅行ガイドブックを取り出し,メニューに載っている単語を必死に探す.どうにかビールを識別することができたので,SKOLというビールを注文した.ガイドブックによると,ブラジルで最も庶民的なビールの1種らしい.

続いて,料理の注文に移る.当然ポルトガル語だけなのだが,メニューの中に,カルネCarneという単語がやたらと目に付く.どうやら牛肉のようだ.しかも,フィレとか書いてあるので,フィレステーキなのだろう.しかし,ここからが問題だ.同じフィレステーキが5種類以上もある.何が違うのか全く分からない.恐らく,付け合わせの野菜等が違うのだろうと予想し,とりあえずフィレステーキらしきものを注文した.

運ばれてきた料理は,なんとチーズがかかったフィレステーキだった.それに,ポテトチップスと生野菜とご飯.ブラジルでは,パンよりもご飯が普通なのだろうか.日本で食べるようなご飯ではなく,例のパサパサしたご飯だが,悪くない.それよりも何よりも,ステーキが分厚くて柔らかくて美味しい.それでも,1500円もしない.これはお得感がある.

ステーキを食べている間,ウェイターがやってきては,親指を立てて「ボン!ボン!」と言う.ポルトガル語では,おはようをボンディアという.そう,ボンとは"Good"のことだ.こちらも負けずに,親指を立てて「ボ−ン!」と答えると,ウェイターは満足そうにニッコリと笑った.

グラマド近辺は酪農や畜産業が盛んで,そのために安くて美味しい肉が豊富なようだ.

チーズのかかったフィレステーキ

サンドウィッチとコーヒーで昼食

日曜日は,会議が始まる夕方まで時間があったため,グラマド市内を観光した.

散々歩き回った後,お腹がペコペコになったところで,オープンカフェに立ち寄り,サンドウィッチとコーヒーを注文した.

やはりメニューはポルトガル語のみで,英語は通じない.それでも,何とか雰囲気は掴める.昨日食べたステーキが美味しかったので,ここでもカルネのサンドウィッチを注文した.これまたボリューム満点で,すっかりお腹が一杯になった.

ステーキサンドと一緒に,冷たいコーヒーを頼んだつもりだったのだが,運ばれてきたコーヒーは,コーヒーではあるが,ちょっと予想と違った.生クリームたっぷりで,いかにもデザートといった雰囲気で,しかも冷たくない.これは微妙だった.

グラマド(ブラジル)のカフェで昼食

カフェテリア形式のレストランに挑戦

オープンカフェの洒落たレストランも良いのだが,折角ブラジルまで来たのだから,ブラジルらしい,その土地の雰囲気を味わえる店にも行ってみたい.というわけで,地元の人達で混雑していそうなレストランに入ることにした.

店に入ると,みんな皿を持って店内を移動している.どうやら,カフェテリア形式のようだ.レジで支払いをしている人もいる.カフェテリア形式で間違いはなさそうなのだが,しばらく店内を見回してみても,その仕組みがよくわからない.

入口付近でボーッと突っ立っていると,ウェイトレスらしき女性がやってきて,にこやかに仕組みを説明してくれた.

ポルトガル語で.

誠に残念ながら,まるでわからない.こちらが困ったような顔をしていると,「こっちにおいで」というジェスチャーで,店の奥に連れて行ってくれた.そこには,ドリンク類があり,どうやら好きなのを選べということらしい.午後にも会議があるので,とりあえずミネラルウォーターを選んでおく.

続いて,大皿を手に取り,メインディッシュの場所へ.他の客達の動きを観察したところ,肉やソーセージは好きなものを好きな量だけ切り分けてくれるようだ.これなら,指差しで何とかなる.野菜やご飯は自分で好きなだけ取ればよいので問題ない.お皿が山盛りになったところで,秤の置いてある机に向かう.そこで計量してもらうと,紙に何やら数字を記入してくれた.恐らく,お皿の重さか料金なのだろう.

調子に乗って,肉やソーセージを頼みすぎたが,美味しく,安かった.ボン!

指差しながら手に入れた昼食@グラマド(ブラジル)

レストランの外観@グラマド(ブラジル)

3種のフォンデュ(チーズ,ミート,チョコレート)

欧州からの移民が開拓したというグラマドは,街全体にヨーロッパの雰囲気が漂っている.もちろん,食べ物も例外ではない.グラマド市内を散策したり,食事をしたりして,ブラジルに来ていることを実感することと言えば,ポルトガル語ばかりで英語が通じないことぐらいのものだ.

グラマドには,チーズフォンデュのレストランも多い.グルッと中心部を回れば,徒歩圏内に4,5軒はチーズフォンデュの店が見付かる.

ブラジルらしいかと尋ねられると,決してそうではないだろうが,グラマドらしい料理ということで,最後の夜にチーズフォンデュを食べることにした.ホテルのレセプションで美味しいフォンデュ屋さんを紹介してもらい,そこへ向かう.

フォンデュのレストラン@グラマド(ブラジル)

グラマドの夜は遅い.夕方6時半頃にレストランに着くと,開店はしているものの,客はほとんどいない.店内はシーンと静まりかえっている.どこでも好きなところに座ったらいいという雰囲気なので,奥の方のテーブルに座り,メニューを受け取る.フォンデュを食べに来ているのだから,何も迷うことはない.フォンデュを指差せばOKだ.

というのは大間違いで,なぜか非常に多くの種類のフォンデュがある.一体,何のフォンデュだ?

このレストランに来る前に,いくつかのフォンデュ店のメニューを見て,下調べをしておいた.その結果,チーズフォンデュ,ミートフォンデュ,チョコレートフォンデュの3種類が食べられるようなセットメニューがあったので,そのようなものを注文したいと思っていた.ところが,どれか分からない.

誠意を持ってポルトガル語で説明をしてくれる店員と,長い間やりとりをして,まず,チーズフォンデュ,ミートフォンデュ,チョコレートフォンデュの単品メニューがどれかを確認した.さらに,どれぐらいの時間が経っただろうか.何とか,3種類のフォンデュを食べられそうなセットメニューが分かった.実は,最初にそれではないかと思っていたのだが,3種類も食べられるにしては,値段が異常なほど安かったので,間違っているかもしれないと思い,店員に確認を試みたのだ.3種類のフォンデュをすべて食べることができて,単品よりも安いというのは,意味がわからない.

実際に料理が運ばれてくるまでは不安だったが,無事に3種類のフォンデュを食べることができた.最初のチーズフォンデュは,スイスで食べたものと非常に似ていて,流石に移民が開拓した街だけのことはあると思った.続いてのミートフォンデュは,オイルに牛肉と鶏肉を浸けるフォンデュだが,ソースが10種類以上もあり,これまた本場さながらだ.最後のチョコレートフォンデュは,初めて体験するフォンデュだったが,フルーツとチョコレートの組み合わせが良く,デザートして非常に良い出来映えだ.チョコレートだけに,流石にたくさん食べるのは厳しいが...

ボリュームは物凄かった.チーズフォンデュだけ,あるいはミートフォンデュだけでも,十分に晩ご飯になる.それが3種類も来るのだから,食べきれるはずもない.本当にお腹が一杯になるまで食べて,もう降参という感じだった.

チョコレートフォンデュを食べ終えて,コーヒーを飲みながらチェックを待っていたところ,店員がワインを1ボトル持ってきてくれた.ラベルには店の写真が描かれており,赤のハウスワインのようだ.はるばる日本から来た我々にプレゼントしてくれると言う.厚意に甘え,有り難く頂戴した.

「ボン!」と「オブリガード!」を連呼して,レストランを後にした.フォンデュを食べ過ぎた身体には,ホテルまでの急な上り坂がきつかった.

チーズフォンデュ

ミートフォンデュ

チョコレートフォンデュ

4月 042006
 

最近は,リコンファーム不要の航空会社が増えた.ところが,今回ブラジル国内で利用するVarig Brazilian航空はリコンファームが必要らしいという話を聞いた.

随分と前になるが,ギリシアのコルフ島に行ったとき,リコンファームをしなかったために,コルフ島からアテネに戻るフライトの予約を勝手にキャンセルされてしまい,酷い目にあったことがある.このため,ラテン系であることも考慮して,リコンファームが必要らしいのであれば,確実にリコンファームしておくべきと判断した.

ホテルのレセプションでVarig Brazilian航空の電話番号を調べてもらい,その番号に電話したところ,聞こえてくるのはポルトガル語のみ.英語での説明は全くなく,自動音声案内が終わると切れてしまった.これでは,どうしようもない.ポルトガル語ができる人にお願いするしかないため,再度ホテルのレセプションに行き,ポルトガル語のできない自分の代わりにリコンファームをして欲しいと依頼した.快く引き受けてもらえたのだが,いくつかの電話番号に何回も電話をかけて,最終的にリコンファームができるまでに20分ぐらいかかった.ホテルマンは「外国人にとって不便になっていて申し訳ありません.」と丁寧に謝ってくれたのだが,全く謝ってもらう必要などないため,丁重にお礼を述べておいた.それにしても,現地の人がこれだけ苦労するのだから,普通の外国人がリコンファームをできるとは思えない.もしかすると,リコンファームは不要だったのだろうか.謎だ.

4月 032006
 

グラマド観光

グラマドはブラジルのリゾート地のようだ.今朝,ドイツ出身で,現在は南アフリカにいるという女性と一緒に朝食を取ったのだが,彼女は「この街は本当にドイツ風で,はるばる南米に来たのに奇妙な感覚だ.」と話していた.実際,グラマドは欧州からの移民が開拓した街のようで,多くの建物はドイツあるいはスイス風で,非常に綺麗で,治安も良さそうに感じる.街を散策していると,フォンデュのレストランも数多く見かける.

ちなみに,わざわざ南米に旅行するような日本人はグラマドなんかには来ないのか,日本のガイドブックにはグラマドは記載されていない.そのガイドブックに,英語はほとんど通じないと書かれていたとおり,レストランやカフェ,チョコレート屋さんやお土産物屋さんでは,英語は全く通じない.グラマドの中心部にあるツーリスト・インフォでも英語は全く通じなかった.

グラマド市街の街並み

グラマド市街の街並み

グラマド市街の街並み

自然豊かなグラマド郊外

アルコールを売るガソリンスタンド

観光トロリーバスで市街観光

グラマドは小さな街だが,それでも歩いて全部を見て回るのは大変で,ゆっくりと散策する時間もないので,観光客向けのトロリーに乗り込むことにした.どこを訪れて,どれぐらい時間がかかって,いくらするのかを知りたいのだが,ここでも当然英語は通じない.意味不明のポルトガル語を必死に聞いて,結局何もわからないまま,運を天に任せて,R$8.00(約400円)を払って乗り込んだ.すると,前の席に座っていたおじさんが「日本人ですか?」と,日本語で尋ねてきた.これには驚いた.とっさに日本語が出てこず,「Yes. I’m Japanese. あっ,日本人です.」と返事をした.このブラジル人のおじさんは,グラマドから数キロの街に住んでいて,日曜日に家族でグラマドに遊びに来たようだ.大阪に6ヶ月ほど住んでいたことがあり,かなり忘れてしまったとのことだが,日本語が話せる.トロリーの説明もすべてポルトガル語なので,バスの運転手が何を話しているのか全く理解できない私は,重要なことだけ,このおじさんに翻訳してもらい,本当に助かった.Lago Negroという,池のある綺麗な公園で一時停車したときも,何分後に戻ってきたら良いのかを教えてもらい,安心してトロリーから離れることができた.

グラマドの観光トロリーバス

4月 012006
 

グラマド@ブラジルへ

京都の自宅を出てから,グラマドのホテルに到着するまで,実に43時間かかった.まさに地球の裏側.恐ろしく遠いところまで来たものだ.飛行機には計4回搭乗した.

今回のグラマドGramado@ブラジル訪問では,全日空(伊丹→成田),デルタ航空(成田→アトランタAtlanta→サンパウロSao Paulo),Varig Brazilian航空(サンパウロSao Paulo→ポルトアレグレPorto Alegre)を利用するため,航空会社が変わるたびに荷物のチェックインをしなければならないと覚悟していたが,伊丹空港の全日空のカウンターで,最終目的地のポルトアレグレまでのタグを用意してもらえた.ただし,アトランタとサンパウロで入国手続きをしなければならないため,それぞれの空港で荷物のピックアップが必要との説明だった.

ところが,成田空港のデルタ航空のカウンターでチェックインする際に,「スーツケースは伊丹空港で預けました.」と告げると,「預けた荷物はサンパウロで一度受け取って下さい.」と言われた.「アトランタでピックアップする必要はないのですか?」と尋ねると,「必要ありません.そのままサンパウロまで運ばれます.」との返事.実際,アメリカの入国手続きと出国手続きを行ったアトランタ国際空港で荷物は出てこなかった.実は,荷物を預けた伊丹空港とチェックインをした成田空港で説明が異なったため,慎重派の私は,ターンテーブルに荷物が現れないか確認したのだ.これまでに2度もロストバゲッジの被害を被っているため,トラウマになっているのかもしれない.

マイレージ・プログラム

今回,はじめてデルタ航空を利用したのだが,国際線にもかかわらず,すべてのアルコール飲料が有料だった.どうしても飲みたいわけではないので,別に有料でも構わないのだが,正直かなり驚いた.最近は,どこも有料になったのだろうか.それとも,経営難の航空会社は有料になっているのだろうか.

ちなみに,なぜデルタ航空にしたかと言うと,主にマイレージを貯めているのがスカイチームSkyTeamだからだ.旅行代理店に,スカイチームの航空会社を利用して大阪からポルトアレグレまでの航空券を手配して欲しいと依頼したところ,普段利用しているノースウェスト航空では適当なフライトがなく,デルタ航空が候補として挙がってきた.ただし,大阪−成田間およびサンパウロ−ポルトアレグレ間は,スカイチームではどうにもならないため,全日空とVarig Brazilian航空を利用することになった.ちなみに,全日空とVarig Brazilian航空はいずれもスターアライアンスだ.つまり,全日空やユナイテッド航空を利用することにしておけば,全行程をスターアライアンスで統一することもできた.その方がスムーズだったのかもしれない.まあ,スカイチーム派なので仕方がない.

これまではノースウェスト航空で主にマイレージを貯めていたが,今年からエールフランスAir Franceで貯めることにした.同じスカイチームではあるが,エリートメンバーの資格取得条件などが随分と異なる.例えば,スカイチームエリートプラス会員になるためには,ノースウェスト航空プラチナエリート会員になる必要がある.つまり,実飛行マイル数で75,000マイルが必要となる.ところが,エールフランスの場合,ゴールド会員になれば十分だ.フランス人以外であれば,必要な実飛行マイル数は40,000マイルにすぎない.40,000マイルであれば,一年間に日本と欧米を3往復すれば貯まる.ちなみに,エリートプラス会員になれば,チェックインや搭乗が優先されるのはもちろん,スカイチーム各航空会社のラウンジを利用できる.待ち時間が長いときなどに,嬉しいサービスだ.