5月 032006
 

愛宕神社を目指して愛宕山登山

「火迺要慎(ひのようじん)」のお札で全国的に有名な愛宕神社.その愛宕神社は全国に約800もあるというのだから,身近に感じる人が多くても不思議ではない.ちなみに,その総本山が京都の愛宕山にある愛宕神社だ.

愛宕山にあると言っても,愛宕山の麓にあるわけではない.まさに山頂にあるのだ.

愛宕山の標高は924m.京都は周囲を山に囲まれた盆地に位置しているが,東の比叡山と並び,西の愛宕山も結構高い.比叡山は山頂までケーブルカーやバスで行くことができるが,愛宕山へは歩いて登るしかない.

そんな愛宕神社にどうして行くことになったかと言えば,3歳になるまでに愛宕神社にお詣りすると,一生火難に遭わないらしいからだ.京都人には至極当然の風習で,2歳9ヶ月の長男を連れて,愛宕山に登ることとなった.

登山ルートは種類が豊富で,清滝から愛宕神社を目指す表参道の他にも,清滝から月輪寺を経由するルート,保津峡方面から登るルート,高雄方面から登るルートなどがある.いずれのコースも,新緑や紅葉が美しい.

今回は,2歳の長男を連れて行くので,道幅も広くて歩きやすい表参道から登ることにした.運動なんて全然していない私だけでは心許ないというわけで,祖父母(私の父母)も参加して,計4人での登山となった.ちなみに,祖父母は登山が趣味で,ヨーロッパ・アルプスに行ってくるとか,ヒマラヤの麓(それでも富士山より高い)でハイキングしてくるとか,定年を迎えて以降もよく山に通っている.私も小さい頃は毎年愛宕山に登っていたのを覚えている.

清滝から愛宕神社を目指す表参道は約4kmの道程で,大人なら2時間ほど.ゆっくり歩いて2時間半ほどだろう.

8時過ぎに家を出て,清滝の駐車場に着いたのが8:40頃.ゴールデンウィークだが道はそれほど混んではいなかった.駐車場で荷造りと軽い食事をしてから,歩き始める.手軽に栄養を取れるようにと持参したバナナを1本,長男はペロリと食べてしまった.普段,家ではバナナを食べさせないのだが,山登りするときは食べても良いと言っておいたので,バナナを食べるのが楽しみだったようだ.ちなみに,なぜバナナを食べさせないかというと,輸入バナナは残留農薬の危険性が高いから.バナナ以外にも中国産の野菜などは要注意だろう.子供に無理して食べさせるようなものではない.

午前9時.表参道入口の鳥居をくぐり,愛宕神社を目指す.長男も元気に歩き出す.昔走っていたケーブルカーの線路跡(?)を見ながらしばらく坂を登ると,「お助け水」と呼ばれている湧き水がある.とりあえず,ここで水遊び.その後,長男が「だっこ!」と言う.流石にだっこはできないので,祖父母が持ってきてくれた背負子に乗せて背負う.「おばあちゃんより高いねぇ」なんて言いながら,長男はご機嫌だ.

愛宕山の表参道

途中,7/40の看板付近で,「どうする?ここから歩くか?」と聞くと,「歩く!」という元気な返事.この坂道をどこまで歩けるかなと思っていたが,5合目を過ぎたあたり(20/40の看板付近)まで頑張って歩いた.多くの人達に追い抜かれたけれども,みんなに「頑張ってるね〜!」と声をかけてもらいながら,坂を上り,階段を上り,本人は楽しそうだった.

もちろん,一定のペースで歩くなんてことはない.歩いている途中で突然止まって,座り込んだりする.何事かと思って尋ねてみると,「アリさんや!」と言うわけだ.確かに,大きなアリがウロチョロしている.「何してるのかな〜?」,「えさを探してるのと違うか」などと遣り取りしながら,しばらくアリを観察する.また,「あっ!何や,これ〜?」と指差して止まる.指の先を見てみると,地面から鮮やかな緑色の木の芽が顔を出している.「小さい木の芽やな〜」,「大きくなるの?」,「おおきくなるよ」,「どれくらい?こ〜んなに大きく?」などと話をしながら,しばらく木の芽を観察する.こんな調子で登るわけだから,物凄く時間がかかる.

5合目を過ぎたあたりで,長男が再び「だっこ!」と言い出したので,背負子に乗せる.ここで挽回とばかりに,せっせと登る.「頑張ってるね〜!」と声を掛けてくれた人達が,今度は「いいなぁ.楽ちんやね〜.」と声を掛けてくれる.歩き疲れたのか,あるいは朝早かったのが効いてきたのか,長男は背負われながら眠ってしまった.

愛宕山から京都市街を望む

7合目付近,京都市街を一望できる場所でも長男は寝たままだった.水尾分かれからは祖父に背負ってもらい,愛宕神社を目指す.黒門をくぐれば,あと,もう少し.

愛宕神社の総門(黒門)

愛宕神社で三歳詣り

午前12時.表参道入口からちょうど3時間で山頂に到着した.山頂の空き地(?)では,登山者達がレジャーシートを広げて昼ご飯を食べている.我々も,お詣りの前に,お弁当を食べる.

火伏・防火に霊験のある神社として知られる愛宕神社は,さらに石段を上がったところにある.落ち着いた雰囲気の,どちらかと言えば小さな神社だ.

火伏せの愛宕神社

中に入ると,あの有名な「火迺要慎(ひのようじん)」のお札やお守りなどが売られている.お詣りだけして帰るのかと思っていたところ,祖父母が三歳詣りの祈祷をしてもらってくれるという.祈祷の金額は何種類かあったが,とりあえず一番安い3千円のものを申し込む.手渡された白い紙袋には,「火迺要慎(ひのようじん)」のお札とお守りが入っていた.

そのまま奥へと向かい,長椅子に腰掛けて,祈祷を待つ.ちゃんと長男の名前も呼んでもらい,無事に祈祷は済んだ.何のことか意味の分からない長男も,パンパンと手を叩いたり,お辞儀をしたり,言われた通りにしていた.

その後,家から持ってきた古いお札を返して,頼まれていた新しいお札を買う.京都の台所には欠かせないお札だ.

愛宕神社から月輪寺経由で清滝へ

お詣りの後,帰りは表参道ではなく,月輪寺を経由するルートで清滝へと向かうことにする.道幅は狭く,急な坂道が続くので,長男は背負う.

月輪寺に近づくと,大きな石楠花の木が目に飛び込んできた.大変立派な石楠花だ.境内の方に回り込むと,「天然記念物ホンシャクナゲ」の石碑がある.確かに,並の石楠花ではない.すぐそばには桜も咲いており,あたりは華やかな雰囲気に包まれている.

月輪寺の石楠花と桜

しばらく石楠花と桜を楽しみ,再び歩き出す.ずっと下の方まで降りてくると,水の音が聞こえてくる.空也の滝から聞こえてくるのだろうか.水の音は次第に大きくなり,やがて登山道が川に合流する.ここからは,清滝まで川沿いに平坦な道が続く.愛宕山登山も終わりが近い.

家に向かう車の中では,長男は再び爆睡モードだった.昼寝もしていないから,相当眠いはずだ.

清滝から自宅までの道沿いには,広沢の池,弥勒菩薩で有名な仁和寺,石庭で有名な竜安寺,そして普段の散歩コースでもある金閣寺(鹿苑寺)がある.どこのバス停にも凄い行列ができていた.5月は新緑の美しい季節で,まだ暑すぎることもないため,京都観光には非常に良いシーズンだろう.しかし,人と車が多すぎる.旅行者の皆さんもお疲れ様.

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