11月 292006
 

危うしモノづくり日本 「私のしごと館」廃止の可能性」という記事を見掛けた.

副館長によると,「直接の管理にあたる厚生労働省からはAランクの評価を得ている。なぜ廃止なのか分からない」とのことらしい.何をとぼけているのか不明だが,総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から廃止という言葉が出てくる理由は明確だ.この施設を維持するために,年間約18億円の雇用保険が使われているのだから.「廃止ともなれば“モノづくり日本”の原点を捨て去ることになる」と副館長は仰っているが,そもそも,こんな豪華設備を辺鄙なところに建設した企画からして間違っていたのだろう.まさにバブル期の遺物だ.それに,別に「モノづくり」と「私のしごと館」に大した関係なんてないだろう.

ちなみに,私は現場に行かずに妄想で廃止やむなしと言っているのではない.2005年5月に,「私のしごと館に行ってきました」に書いたとおり,実際に「私のしごと館」に行ってみた.その設備の豪華さには,厚生労働省のAランク評価もうなづける.というか,グリーンピアも含めて,厚生労働省はろくなものを作らないな.一体どうなっているんだ.「私のしごと館」がAランク評価なのだから,BランクやCランクは一体どんな状態なのだろうか.

「私のしごと館」の趣旨が悪いわけではない.典型的なハコモノ行政であること(建設費等約580億円)と,その運営方法が問題なのだ.ウェブサイト(ホームページ)の維持に年間4000万円とか,職員の平均年収が915万円とか,年間約18億円の負担を雇用保険に強いていることに対する危機意識というものが全くない.なお,子供の職業意識を刺激する施設としては,「キッザニア東京」がある.どんな施設かは知らないが,こちらの経営状態は良好なのだそうだ.

昔書いた文章を再掲しておこう.2005年4月に,「私のしごと館@京都」と題して,次のようなことを書いた.

「私のしごと館」という豪華施設が京都にある.ところが,京都府民でさえも,そのことを知らない人が多いのではないだろうか.私も最近知ったばかりで,まだ訪れたことはない.独立行政法人である雇用・能力開発機構が建設した「私のしごと館」は,宇宙飛行士も含む,約40種の職業が疑似体験できるコーナーが売りらしい.厚労省育成支援課は「職業に関する様々な情報が1か所で得られるのは全国でここだけ」と,その存在意義を主張している.

この「私のしごと館」に関するニュースを見掛けた.それによると,土地代を含めて建設に要した費用が約580億円,人件費6億円超を含む年間維持費が約21億円にもなる「私のしごと館」の収入は,年間わずか1億円余りだという.収入の約20倍にもなる赤字を垂れ流しているわけだ.ちなみに,職員の平均年収は915万円だ.施設のみならず,こちらもゴージャスだ.

公共施設は黒字でなければならないなどと馬鹿げたことを言うつもりはない.しかし,我々が支払っている雇用保険のうち約20億円が毎年消え失せているわけだ.この1つの施設を維持するだけのために.果たして,それだけの価値があるのだろうか.

  One Response to “だから無駄だと言っている: 私のしごと館”

  1. 本当にくだらないハコモノと思います。
    以前テレビで、ここを取材したレポーターが、フィギアが一体100万円を超えると聞き、本当にこの施設が必要か?と突っ込むと「ええ、必要と思います。」と使命感すら感じられない役人顔で答えていました。また。確か、、館長が偉そうに「カメラを向けるな!」と怒鳴っていました。
    役人の職場と生活を確保する為に雇用保険が無駄に使われている事は嘆かわしい。損金を垂れ流して行くわけですから早急に閉鎖すべき。

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