12月 142006
 

Prof. S. Joe Qin (UT-Austin: テキサス大学オースチン校)を招いてのセミナーをオムロンで開催するということで,学生数名を連れて参加させていただいた.今回は,10日間ほど中国に滞在する用務があったため,中国からアメリカへ戻る途中に京都に立ち寄ってもらったということだ.Joeから,折角京都に滞在するのだから,金曜日に京都大学で研究について議論しようと申し出てもらったのだが,学外で外せない会議が入っているため,今回は研究室に来てもらうのを見送ることにした.「京都観光でもするか?」と尋ねると,丸一日あるので,三菱化学水島事業所に研究打合せに行くよという返事だった.このあたりが一流の研究者だ.国際会議とかに出掛けて,遊んでばかりなのとは違う.

今回のセミナーのテーマは”Advanced Fault Detection and Classification”で,多変量解析を利用したプロセス異常の検出と診断が主な内容だった.多変量統計的プロセス管理とか呼ばれる分野の話だ.基礎的な数学の説明もあり,学生には良い復習の機会になったと思う.まあ,英語の説明についていけていればという条件がつくのだが.それでも,Joeの英語はわかりやすい方だし,内容もある程度は知っているわけだから,これでついていけなかったとなると,大学を去るまでに相当修行を積む必要があるということになる.今のままでは,国際的に全く通用しないということだから.

今回のセミナーでは,私も話を聞いているだけではダメだと言うことで,話の区切りごとにブリーフィングをして欲しいと事前に依頼されていた.ブリーフィングと言っても,Joeが話した内容をそのまま要約して説明しなおしても仕方ないだろうからと(日本語で説明することに意義があるのかもしれないが),自分の能力の範囲内で,Joeが時間の都合などで割愛したと思われる内容を補足説明した.特に,実際にこれらの手法を適用しようとする際に遭遇するであろう問題に焦点を絞って.このブリーフィングが少しでも役に立ったのなら,学生共々セミナーに招待していただいた恩を少しは返せたのかなと思う.

Joeは,AMD,Intel,TI等錚錚たる半導体関連企業と共同研究を実施しており,今回のセミナーでも,半導体プロセスへの適用事例を含めながら,各手法の具体的な説明がなされた.私は半導体プロセスについては素人だが,この分野に限っては,日本は数年ほど技術的に遅れているらしい.何とかしなければならないのは確かだろう.来年は,AEC/APC Asiaを日本で開催するということなので,それをきっかけに,先進的なプロセス管理技術の導入に対する気運が高まればよいと思う.

オムロンの皆様,ありがとうございました.

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