1月 232007
 

久しぶりに,勤務先に1ルームマンション投資の電話がかかってきた.忙しくしていたので即座に切ろうかと思ったが,「博多」というキーワードに興味があり,ちょっと話を聞いてみることにした.

庶民でもできる不動産投資としては,1ルームマンション投資,アパート経営,あるいはREIT(Real Estate Investment Trust;不動産投資信託)などがある.REITなら100万円以下で投資可能だ.マンションやアパートなどの現物投資をするにしても,長期ローンを組んで,家賃収入とローンを相殺させる作戦なら,数百万円もあればできなくはない.いずれにしても,利回りが鍵になる.

さて,今回電話がかかってきた物件は,博多駅周辺らしい.再開発で脚光を浴びているエリアだということだ.まあ,その真偽にさほど興味はないし,営業トークを真に受ける奴もいない.今月は完売セールで最初に必要な諸経費100万円強を無料にさせていただきますなど,色々とお勧めの物件ですよと勧誘してくれるのだが,肝心なことを何も言わない営業マンだったので,こちらから物件価格と家賃を尋ねた.物件は1600万円程度で,家賃が月6万円強との答えだった.早速,(暗算が超苦手なので)片手で電卓を叩く.

はぁ?利回り4.5%?地方都市でその程度なの?

まだ営業トークをしている営業マンの話を遮り,単刀直入に質問する.

「博多なのに,なぜ,そんなに利回り低いんですか?」

またまた,再開発がどうとか,立地がどうとかいう話がはじまったので,

「いや,東京23区内(西側)でも,もっと利回り良くないですか?」

と尋ねる.すると,

「利回りは4〜5%ぐらいですね.でも,再開発で価値が上昇して...」

「ということは,キャピタルゲイン狙いの投資を推奨しているわけですか?」

「いや,え〜,価値が上昇して...」

もう十分だ.地方都市の物件を値上がり期待で買う根性はない.直接説明させて欲しいという営業マンの申し出に対して,「すみません.物件に魅力を感じないので.」と丁重にお断りして,電話を切る.

素人がかじった知識だと,少なくとも1桁台後半の利回りでないと,地方都市の物件では話にならないと思っていたのだが,そうでもないのだろうか.しかし,表面利回りで5%以下というのは,かなり辛い条件だと思うのだが.だからこそ,諸経費を無料にして,大量に抱え込んだ在庫の一掃セールをしているということだろうか.

ともかく,1万円からできる投資信託なんかとは訳が違うので,手を出すなら,勉強してからにしましょう.

1月 192007
 

おとうさんはウルトラマン/おとうさんの育自書
宮西達也,学習研究社,2005

ウルトラマンの一家庭(おとうさん,おかあさん,そして子供)を舞台に繰り広げられる日常生活を通して,おとうさんはどのような姿を子供に見せるべきかということを描いている.絵本なので,あっという間に読める.短い中に,「うん,そうだよね」と思えるメッセージが詰まっている.「子供に何をさせるべきか」ではなく,「父親はどうあるべきか」がテーマの本であるという意味で,「育自書」というタイトルも頷ける.子供を持つ,あるいは持つことになるおとうさんは読んでみたらどうだろう.装丁の見かけから想像するよりも,内容は良い.

1月 182007
 

牛乳には危険がいっぱい?
フランク・オスキー,東洋経済新報社,2003

「牛乳は完全食品だからみんな絶対飲みましょう」などという馬鹿げたキャンペーンを国家的に推進したものだから,その反動も大きく,牛乳論争などというものが勃発した.しかし,牛乳も食品の一つにすぎず,完全食品であるわけがないのと同様,100%害悪であるはずもない.牛乳擁護派(既得権者であることも多いので要注意)の言うことも,牛乳反対派の言うことも,鵜呑みにしてはならない.賢い消費者であるためには,冷静に判断しないといけない.

本書は牛乳反対派の立場から書かれたもので,医学博士である著者の専門能力を活かして,牛乳が健康を害する場合があり,積極的に飲む理由はないということを,様々な例を挙げながら説明している.利用されているデータが古いなどの問題点もあるが,本書で示されているように,牛乳が原因で病気になる可能性があることは承知しておくべきだ.そもそも,牛乳は牛の赤ちゃんを育てるためのものであり,人間の赤ちゃんを育てるためには母乳があるのだから.そして,牛乳の成分と母乳の成分は違う.つまり,牛に必要なものと人間に必要なものは違うのだ.そこに目をつぶって,カルシウムのことだけを考えて,脂肪分の多い牛乳をガバガバと飲めば,当然バランスが崩れる.さらに付け加えると,成長した牛は牛乳を飲まない.必要ないからだ.なぜ,人間だけがいつまでも乳に頼る必要があるのか.

いつも言っているのだが,日本政府は国民を守ってはくれないことも肝に銘じておくべきだ.育児には母乳が原則であり,感染防御という観点からは,人工栄養は母乳の代用になりえない.その事実を無視した先進国の乳業各社の暴挙に対処するため,WHOは「母乳代替品の販促活動に関する国際基準」を制定したが,日本政府は「乳業の発展を妨げる」として棄権した.そして,東南アジアなどで粉ミルクの販促活動について基準を守るよう,国際児童基金からクレームをつけられた.なんとも嘆かわしいことだ.

以下,著者が指摘していることの一部を列挙しておく.

  • 牛乳はあくまでも子牛のための食料である
  • 【この世でもっとも過大評価されている食品の実態】
  • 牛乳は小児の鉄欠乏症貧血の原因になるだけでなく,多くの人にとって胃けいれん,下痢,アレルギー,アテローム硬化,心臓発作の原因になる可能性がある.
  • 牛乳に含まれる糖質,タンパク質,脂質は,どれをとっても人体に悪影響を及ぼす恐れがある.
  • 【牛乳の糖質は消化器症状を引き起こしやすい】
  • 世界中の四歳以上の人々の大多数はラクターゼが欠損しており,牛乳を飲むと胃腸の不快感を訴える乳糖不耐症である.
  • 健康な成人における乳糖不耐症の割合は,アメリカ白人で8%,黒人で70%,日本人では8%にのぼる.
  • 乳糖不耐症の人たちの60〜75%は,普通牛乳をコップ一杯飲んだだけでも胃腸障害を起こす恐れがあり,胃けいれん,腹部膨満感,放屁症状,げっぷなどの消化器症状に悩まされやすい.
  • 小児の再発性腹痛の簡単かつ確実な解決策は,牛乳・乳製品の摂取をやめさせることである.
  • 【牛乳のタンパク質はアレルギー体質をつくりやすい】
  • 牛乳に含まれているタンパク質は,アレルギー反応を引き起こしやすい.
  • 子供に牛乳を大量に飲ませると鉄欠乏性貧血を起こし,イライラ,無気力,注意力散漫の原因になりやすい.
  • 牛乳アレルギーの症状は,下痢,湿疹,反復性の嘔吐,再発性の鼻づまり,再発性の気管支炎である.
  • ネフローゼをわずらっている子供に薬剤による治療効果が期待できない場合,食事から牛乳を除去すれば,タンパク尿が治まり,かなりの改善が見られる.
  • 虫垂炎の患者に共通する生活習慣として,牛乳の多飲がある.
  • 【牛乳の脂肪は心筋梗塞・脳卒中・ガンのリスクを高める】
  • 牛乳に含まれている脂肪はアテローム硬化の原因となり,やがて脳卒中や心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こす恐れがある.
  • アメリカの乳業各社が脱脂乳と低脂肪乳を大量生産するようになったのは,自社製品に含まれる乳脂肪が人体に害を及ぼす可能性があることを懸念しているからである.
  • 食生活とアテローム硬化の因果関係を調べた研究はすべて,牛乳が人間の食料として不適切であることを裏付けている.
  • 脂肪の摂取は,がんの発生と因果関係がある.
  • 【人工ミルクは赤ん坊を病気にかかりやすくする】
  • 人工ミルクは成分的には母乳に近づいているが,感染防御効果の点で母乳に近づくことはできない.
  • 赤ん坊が感染防御効果という母乳の恩恵に浴するには,母乳だけを飲ませなければならない.
  • 母乳の加熱・殺菌・成分調整は,母乳が本来持っている感染防御機構を破壊する.
  • 先進国の乳業各社が哺育法を商業化して金儲けの対象にした結果,途上国では多くの赤ん坊の命が失われている.
  • 【牛乳はカルシウム源として不適切】
  • 世界の大多数の人々は,比較的少ない量のカルシウムしか摂取していないのに,総じて強い骨と健康な歯をもっている.
  • 母乳は牛乳に比べてカルシウムの含有量がわずか四分の一しかないが,母乳栄養児の方が人工栄養児よりも多くのカルシウムを吸収している.
  • 野菜やその他の食品の方が牛乳よりも優れたカルシウム源となる.
  • 【牛乳は青少年の精神面に悪影響を及ぼす】
  • 子供が落ち着かずに動き回る場合,牛乳が原因であることが多い.
  • 緊張,疲労,鼻づまりの場合,牛乳・乳製品を食事から除去すると諸症状は短期間のうちに改善する.
  • 【牛乳は完全食品の名に値しない】
  • 一般に,牛乳には,世界中の人々のほとんどに有害な症状を引き起こす乳糖,多くの乳幼児にアレルギーを起こすタンパク質,すべての成人にとって気がかりな乳脂肪の3つが含まれている.
  • お腹がゴロゴロするので牛乳を苦手にしている人でも,ヨーグルトなら乳糖が乳酸菌の働きで分解されているので,少なくとも乳糖不耐症の問題は生じない.

1月 162007
 

広島県東広島市の西条に,造酒屋が建ち並ぶ酒造通りがある.内部の見学もできるらしいということで賀茂鶴酒造株式会社に立ち寄ることにした.賀茂鶴は,元和9年(1623年)第一期創業,明治6年(1873年)第二期創業という歴史ある造酒屋で,最高級酒の出荷比率は抜群の日本一という高級酒メーカーだそうだ.

まず,見学室に案内され,試飲させてもらった.机に並べられていた清酒から,見た目が一番高そうな「特製ゴールド賀茂鶴」という大吟醸(一升瓶5193円)をいただいた.この大吟醸は,なんと日本初の大吟醸なのだそうだ.「おいしいですねぇ」と話していると,案内していただいたおじさんが蔵の奥の方から別の瓶を持って来られた.

「まあ,ちょっと,これを飲んでみな」という勧めに従い,少しいただく.もの凄くサッパリしていて,無茶苦茶美味しい.しかも,いくらでも飲めそうな感じ.ラベルには「双鶴」と書かれてある.カタログを見ると,賀茂鶴の大吟醸限定品で,一升瓶10443円.価格だけのことはある.「これ,凄く美味しいですねぇ!いくらでも飲めますよ!」と喜んでいると,「そりゃうめぇよ.ぜんぶ手作り.山田錦の38%精米だ.」とのこと.38%精米というのは,玄米に対して38%の大きさまで磨き,心白(高品位デンプン)の部分だけで酒を醸すことを意味する.精米で,高級米である山田錦のおよそ2/3を取り去ってしまうわけだ.しかも,精米時間は100時間近いそうだ.自宅の精米器は5分ぐらいで玄米を5分つき米にしてくれる.えらい違いだ...

酒造りに使う道具などを説明してもらった後で,「ちょっと,ついてきな」と言われ,ノコノコとおじさんの後についていく.酒造蔵に案内された.中は良い匂いがする.日本最大という「こしき(米を蒸す樽?)」などを見ながら,さらにその奥に案内される.そこで,おじさんが柄の長い柄杓(ひしゃく)を手に取り,容器の中にチョロチョロと流れ込んでいる液体をすくい,「まあ,飲んでみな」と言って,柄杓を手渡してくれた.一口飲むと,これも凄くサッパリしているのだが,普通の日本酒ではない.口の中ではじける感じがする.しかも,抜群に美味しい.「これは原酒だ.720mlの瓶で5000円はするやつだ.」と教えてもらった.

その後,見学室に戻り,昨年10月に皇太子殿下が賀茂鶴を行啓されたときの話などを聞いた.親切に案内してくださったおじさん(杜氏?)は,皇太子殿下に直接説明されたそうだ.しかし,本番までとにかく大騒動だったとのこと.半年ぐらい前から,宮内庁関係者,東宮警察,県警などが訪れ,入念なチェックを行うらしい.皇太子殿下の歩幅から計算して,この入口からこの場所までは何歩で何秒,そこで何秒見学,次の場所までは何歩で何秒,といった具合に,秒単位でスケジュールが組まれる.最終的に,計40分ほどの滞在予定だったところ,予定時間より7秒超過して終わったそうだ.途方もなく厳密な話に驚いた.

こちらは予定より随分と長居してしまったが,美味しいお酒を,しかも原酒まで飲ませていただき,興味深い話も聞かせてもらい,大満足の見学だった.帰り際に,「双鶴」の720ml瓶(5227円)を土産に購入した.

ちなみに,戦艦大和が出航する際,乗員は賀茂鶴の酒を飲んだそうだ.

1月 082007
 

誕生日プレゼントには財布が欲しいという彼女のために,家族で財布を買いに出掛けた.確かに,使用中の黄色いサイフは,汚れのために黄色の鮮やかさがくすんできており,”G”という形の金具もゆるくなってしまっている.そろそろ替え時なのだろう.

ブティックにて,買おうと思っていたデザイン(柄が小さめのミニ・ラン)のものはレザー製でないことが判明し,彼女は長考モードに突入した.耐久性と使いやすさを考えて,レザー製でがま口ポケットのサイフがいいらしい.「自分の好きなものを選んだらいいよ」と言い残し,じっとしているのが嫌な子供二人の面倒を見る.

ここでも長男と長女の性格の違いが如実に現れる.長男は基本的に私の周りから離れようとしない.「あっち行こう!」「これ何?」と色々と見て回るのだが,一人では見に行こうとしない.一方,長女は一人で動き回る.ちょっと目を離すと,階段をよじ登り,店の奥の方に行っている.一人で階段をよじ登ることはできても,一人で降りることはできない.そこで,近くで心配そうに見ていてくれる店員さんに,サッと手を出す.「手をつないで階段を降ろして!」という意思表示だ.店員さんは親切に手を繋いで,長女を下まで連れてきてくれた.と思ったら,今度は,警備員さんのいるドアのほうへ,タッタッタッと歩いていく.外に出られてはまずいので,捕まえに行く.そんなことをしている間に,長男はペット用カバンの金網を指さして,「何やこれ!」と騒いでいる.「触ったらアカンで〜!」と遠くから注意する.二人を自由にさせると大変だ.

彼女は相変わらず長考モードだ.長男を抱えて近くに行ってみると,モノグラムかダミエかで悩んでいる様子.長男は,白地のマルチカラーを指さして,「これがいいで.これにしとき!」という.「どっちにしよう?」と悩む彼女に,「自分の好みはダミエ」と言うと,長男も負けずに,ダミエのサイフを指さしながら,「ママ,いつまで考えてんの.もう.これでいいのに.なぁ.これにしとき!」という.かなり生意気になってきた.

1月 062007
 

勉強以前の「頭の良い子ども」をつくる基本食─脳の元気に効く食生活7ヵ条
幕内秀夫,講談社,2006

タイトルは,今時で胡散臭いが,これまでの著作と同様,食と健康の問題に長年取り組んできた幕内秀夫氏の持論が展開されている.その主張に揺るぎはない.本書では,その主張が食生活7ヵ条としてまとめられている.中でも特に重要な3ヵ条は以下の通り.

  1. 朝,「ごはん」をしっかり食べさせる
  2. 「カタカナ主食」は日曜日だけ
  3. スナック菓子と清涼飲料水は買わない

とにかく,ごはん(米飯)を食べなさい,食べさせなさいということに尽きる.朝はパン食だという家庭も少なくないだろうが,朝から食パン(実は砂糖だらけ)にマーガリンやバター(油だらけ)を塗って食べるのは,決して健康的ではない.昼と夜も同様だ.パスタ,ピザ,ハンバーガーなどのカタカナ主食はできるだけ避けた方がよい.スナック菓子や清涼飲料水なんて論外だ.こんなものを子供に与えているようでは,キツイ言い方だが,親として失格だ.

「頭の良い子どもをつくる」という刺激的なタイトルだが,DHAをたくさん摂りましょうなんて馬鹿げたことは書かれていない.肥満,高脂血症,糖尿病など,一昔前なら子供がかかるなんて思いもしなかったような病気になる子供が急速に増えている現在,食生活を改善しないと取り返しがつかなくなるという悲壮感から,日本人本来の食生活を取り戻しましょうと訴えているのが本書である.

正しい食生活によって健康な体と健康な心を手に入れれば,勉強する意欲もわくし,集中力も持続するし,イライラしてキレることもないし,結果として勉強もできるようになる.巷にあふれるくだらない情報に振り回されることなく,食生活の基本を正すことが肝心だ.

ご飯を食べて,砂糖や油を控えよう.もちろん,我が家では実践している.

1月 042007
 

あけましておめでとうございます.

もう,今年の目標は立てられましたか?

昔から「一年の計は元旦にあり」といいますから,私も目標を設定しておきます.本業の教育&研究に精励するのは当然のことですので,それ以外,つまり,必ずしもする必要はないのだが,気合いを入れて実行するぞ!という目標を設定することにしました.色々とやりたいことはあるのですが,年末にきちっと検証できるような目標の方が良いだろうと思い,今年の目標を次の3つにします.

【目標1】 これまで取り組んできた研究の現時点までの集大成として,技術者向けのテキストを執筆する.

実は,この2年ぐらい,書くぞ書くぞと言いながら,後回しにしてきました.今年は,とにかく書き上げます.いつ出版できるかどうかは別にして,今年中に原稿を完成させます.これが1つ目の目標です.

【目標2】 あるテーマで本を執筆する.

研究など私の本業とは全く関係ないジャンルですが,ちょっとした縁があり,本の執筆を頼まれています.その原稿を書き上げます.テーマは出版されてからのお楽しみと言うことで.これが2つ目の目標です.

【目標3】 両親を旅行に連れて行く.

親孝行の1つぐらいしておかないと罰が当たると思いますので,二人とも元気なうちに,両親を旅行に連れて行きます.自他共に認める冷淡な息子(彼女は長男が私のようにならないことを真剣に願っている)ですが,親には恵まれたと感謝していますので,できるうちに僅かでも恩返しをしておかないといけません.これが3つ目の目標です.

良い年になりますように!