4月 222007
 

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
安部司,東洋経済新報社,2005

食品添加物の神様とまで言われ,食品添加物を自在に操り,ヒット食品の数々を生み出してきた著者が,これまでの行いを悔い改め,食品の裏側を暴露し,本当の姿を消費者に伝えようとする本.著者が食品添加物販売の仕事を辞めたのは,自分が開発に携わったミートボールを,愛する我が子が美味しそうに食べる姿に衝撃を受けたからだという.廃棄処分されるしかないようなクズ肉に,これでもかというほど食品添加物を加え,子供が喜ぶ味に仕立て上げたミートボール.それまで売る側の理論しか頭になかった著者が,消費者の立場に立たされた瞬間だ.

本書の主張は極めて現実的だ.食品添加物は一切ダメなどという馬鹿げたことは言わない.食品の保存など我々の食生活において欠くことのできない添加物も存在する.食品添加物の種類と化学特性に精通して,自分で見極めろとも言わない.そのような無理難題を押しつけるのではなく,

「食品のパッケージの裏側を見るようにしましょう.原材料名が書いていますよね.そこに,自宅には決して置いていないような得体の知れないものが書かれていませんか.そういうものが,できるだけ少ない食品を選びましょう.」

という立場だ.スーパーに行けば,似たような商品がたくさん陳列してある.その中からどれを選ぶか.そんなときに,この指針を実行すればいい.もちろん,良いものは高いことが多い.自分のできる範囲で,なるべく食品添加物が少ないものを選ぶ.これが賢い消費者の行動だろう.

一読する価値は十分にある.

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