12月 222007
 

研究室に在籍する学生に宛てたメールを紹介しよう.

報告会でのプレゼンテーションに関するアドバイスをまとめたものなので,参考になる人もいるだろう.

研究室では,毎週1回,全体ゼミと呼ぶ研究報告会を開催している.「全体」というのは研究室全体という意味だ.つまり,教授以下4回生まで全員が参加する.毎回3名前後の学生が発表するのだが,おおよそ1人1時間程度だ.もちろん,単に報告を受けるだけではなく,議論するために全員が集まっているので,場合によっては1人2時間ほどかかることもある.研究テーマ毎に行うグループゼミでは,マンツーマンで8時間ぶっ通しでゼミをするなんてこともある.

この全体ゼミで発表するためには,A4サイズのコピー用紙で10ページ前後の資料を準備しなくてはならない.プロジェクターは使用せず,原則として,用意した資料に基づいて発表を行う.研究室の方針として,学生は資料の書き方について厳しく指導されるため,この時期になると,それなりの資料を書けるようになっている.そういう事情をふまえて,下記のメールを送信した.

今年の全体ゼミは終了しましたが,9月以降に全体ゼミを繰り返す中で,ゼミ資料の書き方なんかは随分とよくなりました.スケジュール管理の甘さは多々見受けられますが...

では,次のステップに移りましょう.

良い資料が準備できているという前提で,次に注意するのは「プレゼン」そのものです.スライドを使う発表だけがプレゼンではありません.むしろ,頻度としては,配布資料を用いるプレゼンの方が機会は多いでしょう.

まず,これまでの全体ゼミで気になっている点を指摘しておきます.

★★★ 聴衆を無視して暴走するな! ★★★

簡潔に表すなら,これに尽きます.

参加者が理解できているか,自分の発表ペースについてきているか,質問やコメントがありそうか,そういうことを全部無視して,ひたすら資料を読むだけ.これでは落第です.

発表ではアイコンタクトを取れと言っています.全体ゼミでも同じです.常に参加者の一人一人を意識しないといけません.

全員が納得しているようであれば,次へ.納得してもらっていないようであれば,質問を促したり,自分から進んで補足するようでなければなりません.

スタッフから「ちょっと待って.ついていけてない.」と制止されるまで暴走し続けるようではダメです.

どうして,こんなことになってしまうのか.

★★★ プレゼンの目的を自覚にしろ! ★★★

簡潔に表すなら,これに尽きます.

全体ゼミで発表することの目的が,頭から吹き飛んでいるから,暴走するのです.参加者に研究の進捗状況を報告し,理解してもらい,さらに検討すべき点を指摘してもらい,今後の方向性についてアドバイスを受けるのが目的だとしましょう.当然,資料を読み終えれば目的が達成されるなんてことはありません.発表中に取るべき態度も自ずと決まるはずです.

修論・卒論発表本番まで,以上を意識して,全体ゼミやグループゼミに向き合って下さい.

最後に,お勧めの参考書を挙げておこう.

まず,単に小手先のテクニックを知りたいのでなく,人前で話すための心構えを理解し,素晴らしい話し手になりたいと願うのであれば,デール・カーネギーの「話し方入門」を読むといい.人生のあらゆる場面において,人に話をするときに,必ずや役に立つことだろう.

ビジネスでプレゼンする機会が多い,ビジネスにおけるプレゼン能力を磨きたいというのであれば,ジーン・ゼラズニーの「マッキンゼー流 プレゼンテーションの技術」が良いだろう.

いずれも,研究室の学生に対して,「研究室を去るまでに読んでおくように!」と指示している書籍だ.これらの他にもいくつもの本が指定されており,その一部は研究室課題図書としてウェブサイトでも紹介している.

12月 082007
 

仕事でモノクロレーザープリンタ(Brother HL-5070DN)とカラージェルジェットプリンタ(Ricoh IPSiO GX 3000)を使用している.

今朝,6つの講演資料(スライド)をそれぞれ96名分準備する必要があり,リコーのIPSiO GX 3000で印刷を始めたところ,しばらくして,ERR(999)というエラーメッセージが表示されて,プリンタが止まってしまった.電源を再投入するように促されたため,何度か電源のOFF/ONを繰り返したが,結局復活しなかった.仕方なく,GELJETダイヤルに電話し,状況を伝える.折り返し最寄りのサポート担当者から連絡しますとの回答だ.

しばらくして,サポート担当者から電話があった.ERR(999)というエラーメッセージが表示されて,電源を再投入してもダメだと伝えると,「その症状は本体交換になります.取り寄せますので,来週中頃にお届けします.」との返事.即答だった.同じ症例が相当数報告されているのだろう.資料を準備しなければならないのに,本体交換とは,トホホ...

ちなみに,今回の故障は購入後1年2ヶ月で起こった.保証期限を2ヶ月過ぎている.まるでソニータイマーのようだ.しかし,幸いにも,3年間保証付きの「安心3年モデル」を購入したため,不要な出費をせずにすむ.備えあれば憂いなし.

12月 032007
 

環境問題はなぜウソがまかり通るのか
武田邦彦,洋泉社,2007

ゴミの分別回収が無意味であること,ダイオキシンはほとんど無害であること,京都議定書を守っても温暖化は防げないこと,水素自動車はガソリン自動車より二酸化炭素を多く排出すること,紙のリサイクルで熱帯雨林は救えないこと,先進国で真っ先に餓死者を大量に出すのは日本だろうことを既に知っている人はともかく,そうでない人は本書を読んでみるべきだ.そして,事実に基づいて議論することの大切さ,自分自身の頭で考え,判断することの大切さ,そのように子供達を教育することの大切さを痛感すべきだ.

実際,環境に関する問題では,ウソがまかり通っている.ウソを世間にばらまいている張本人は,いつもながら,マスコミだ.本書でも事実に基づかないマスコミによる煽りが指摘されているが,その代表格は,捏造を乱発してくれる朝日だ.他も似たようなものかもしれないが,放送法第3条には,事実を報道することと記されている.ウソは違法なのだ.

本書には,世間が常識と思っていることが,実は非常識であり,環境のためと思って取り組んでいる行動が,実は環境破壊を助長しているという事実が書かれている.どうしてそんなことがまかり通っているのかと言えば,それで金儲けしたい人達が世の中にはいるからだ.どこもかしこも利権だらけ.日本人の気高さはどこへ消えてしまったのか.

一般人がマスコミに騙されている裏で,マスコミのウソを見破っている専門家が必ずいる.そういう人達が自らの良心に従い正しい情報を発信するように務めると共に,広く社会に正しい情報を伝えられるようにする仕組みが必要なのだろう.今のマスコミにそのような役割は期待すべくもないため,新しい仕掛けが必要だ.

もう1つ,本書できちんと指摘してくれていることがある.それは,銀行に貯金している人は環境破壊に与しているということだ.経済活動によって天然資源が利用され,環境が破壊されていくのであれば,環境保護のためには経済活動を抑制するしかない.つまり,お金を循環させてはいけないのだ.お金を使うのはもちろん,銀行などに預けてもいけない.

本書の最後には,食料と教育の問題が書かれている.無意味な環境施策に税金を捨てるのではなく,米を中心にした食糧自給率の向上と将来を担う世代の教育に税金を使う方が賢明だろう.