3月 312008
 

3月5日に「研究室の同窓生ネットワーク構築」と題して,プロセスシステム工学研究室卒業生と在学生とを繋ぐアルムナイネットワークを立ち上げると書いた.2008年4月1日,遂にアルムナイネットワーク「Alumni-7-Network」が始動するというので,言葉を贈ることにした.その内容をここに記載しておこう.

始動時の登録者数は非常に少ない.在学生とスタッフに加えて,直近数年間の卒業生の一部のみだ.興味のある卒業生は,私まで連絡して欲しい.参加すると,メリット>デメリットであることは保証する.

Alumni-7-Networkの始動に寄せて

まずは,何もない状態から「Alumni-7-Network」を立ち上げてくれた,また惜しみない支援をしてくれた学生・卒業生諸氏に感謝します.ありがとう.このネットワークが,プロセスシステム工学研究室の縦横の繋がりをより強固なるものとし,参加者に大いなる恵みをもたらすことを期待しています.

卒業生の皆さんは,送付される”Quarterly Report”(になると聞いています)にも期待して下さい.研究室の近況はもちろん,最新の研究成果も報告する予定のようです.自分が種を蒔いた研究が大きく育っている人にも,既にテーマが葬り去られた人にも,プロセスシステム工学研究室で取り組んでいる研究活動の一端に触れ,桂で,吉田で,仲間と研究に没頭した日々を思い出してもらえればと思います.もちろん,最新の研究成果を自分の仕事に活かしたいという要望も大歓迎です.大金を用意してスタッフに相談して下さい.

プロセス設計は健在で,ほとんどのグループがAspen HYSYSを利用しています.ここ数年,化学工学会秋季大会において,学生を対象としたプロセス設計コンテストが開催されるようになり,当研究室の学生が最優秀賞を連続受賞しています.昔から現在に至るまで,非常に優秀な学生がプロセスシステム工学研究室に来てくれることには,本当に感謝しています.研究室の礎は人ですから.

海外研究室旅行もすっかり定着しました.最初の海外旅行は2002年のグアムでしたが,その後,2004年にソウル国立大学(ソウル,韓国),2005年にチュラロンコン大学(バンコク,タイ),2006年に国立台湾大学(台北,台湾),2007年に香港科技大学(香港,中国)を訪れました.さて,今年はどこを目指すのでしょうか.報告に期待して下さい.個人的には国内でのんびりしたいのですが...

最近の研究室旅行では,香港の学生の高い英語力が印象的でした.ちなみに,化学工学専攻の大学院入試では,英語の試験が遂にTOEICになります.卒業生および在学生の皆さん,TOEIC受験してますか.何点取れてますか.研究室では,学生およびスタッフの英語力を強化するために,教材を用意することにしました.詳しくは,「英語学習教材」を参照して下さい.これからも拡充させていくつもりです.

英語学習に劣らず力を入れているのが,論理的思考能力とプレゼン能力の強化です.在学中に口やかましく言われたのを思い出す人も少なくないでしょう.発表の構成はもちろん,スライドの文字の大きさ,フォント,色に至るまでチェックされ,辟易した人もいるのではないかと思います.以前は口やかましく言うだけだったのですが,もっと効果的に能力開発に取り組まないといけないとの想いから,研究室課題図書として,テキストを用意することにしました.例を以下に列挙します.

もちろん,正しい日本語で書く練習も怠ってはおらず,相変わらず,赤ペン先生を続けています.

さらに最近は,研究者や技術者としてのイロハ(ABC,読み書き算盤)だけではなく,将来を嘱望される学生諸君に,人間として成長してもらい,大所高所からの判断ができるリーダーとなる素養を身に付けてもらうために,研究室課題図書を大いに充実させています.その一部を紹介しましょう.

課題図書の一覧は,「課題図書」にて公開されています.洋の東西を問わず,新旧を問わず,虚心坦懐として,このような本を通して学生時代に学べば,人生にもたらされるものが何かあるだろうと思います.もちろん,課題図書として用意した数冊を読めば十分ということはありません.しかし,課題図書の設置目的は,学問する契機を与えることであり,その目的は十分に達せられるであろうと期待しています.私自身も学生時代,恩師である橋本先生から「本を読みなさい」とよく諭していただきました.その教えを当時理解できていたなら,人生も変わっていたかもしれません.学生の代わりに学問することはできませんが,気付きを与えられるようにと願うばかりです.かくいう私も努めて本を読むように心掛けています.この2月と3月には下記のような本を読みました.

近代日本の礎を築いた志士を数多く育てながら30歳にして刑死した吉田松陰は,年500冊を読破していたそうです.現在でも,各界にて重責を担うような人達は総じて寸暇を惜しんで読書をしているものです.諸氏にも是非良書を読み,立派な人物になって欲しいと願います.みな極めて優秀であり,それなりの地位に付くべき人材であり,それ故に社会的な責任(noblesse oblige)を負うことを自覚してもらいたいのです.新渡戸稲造は「武士道」の中でこう書いています.「知能ではなく品格が,頭ではなく魂が,骨折って発達させる素材として,教師によって選ばれるとき,教師の職業は聖なる性格をおびる」と.大学に身を置く私としても,自省を忘れず,志を抱き,日々成長していきたいと欲しています.

私も40歳が近づいてきました.孔子が「四十にして惑わず」と述べた年です.論語には次のような孔子の言葉が記されています.

「子曰く,年四十にして悪まるるは,其れ終らんのみ.」

「子曰く,後生畏るべし.焉ぞ来者の今に如かざるを知らんや.四十五十にして聞こゆること無くんば,斯れ亦畏るるに足らざるのみ.」

若い頃には,自分が後生として畏敬される立場だとふんぞり返っていましたが,もはや,そんな馬鹿なことは言っていられなくなりました.其れ終らんのみ,畏敬するに足らないと見切られてしまわないよう,大いに発憤しなければならないと感じる昨今です.

東洋思想家であり,日本の政財界に多大な影響を与えた安岡正篤氏は,人間として自己を錬成するために必要なものは3つあると述べています.寸暇を惜しむこと,私淑する師と良い友人を持つこと,そして,愛読書を持つことです.プロセスシステム工学研究室の同士が,これら必要なものを得ようとする際に,このAlumni-7-Networkが大いに役立つことを期待しています.研究室を核とした人的ネットワークを大切にし,Alumni-7-Networkに関わる人達に感謝しつつ,十分に活用し,その発展を支えて下さい.皆さんの活躍を心から期待しています.

2008年3月31日 京都にて

追伸

まあ,とにかく,お前ら,まっとーな人生送れよ!

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