6月 192008
 

かしこく「いい家」を建てる70の方法―「まちの建築家」が本音でアドバイス
小林高志,主婦と生活社,2005

個人住宅専門の建築家である著者が,住宅建築における建築家の役割,建築家との付き合い方について,書いた本.もちろん,自宅の建築を依頼しようとする人達に向けたメッセージが中心ではあるが,建築家の果たす役割が詳しく書かれているので,建築家に依頼しない場合には,自分でどういうことをしなければならないか(何に注意が必要か)が把握できる.そういう観点から,自宅購入希望者なら誰にでも参考になる内容だ.一読しておいて損はしない.

目次

  • 得をするか損をするかはあなたの器量で決まる
    あなたは「いい家」の主になれるか
  • どんな建築家にも芸術の神さまがいる
    建築家はなにを考えているか
  • 単に設計するだけが建築家の仕事ではない
    建築家はなにをしてくれるのか
  • 建築家の見積もりチェックで工事費は下がる!
    建てたい家はいくらかかるか
  • どんな暮らしがしたいかを伝えるだけで十分
    どういう間取りが「いい家」なのか
  • アドバイスをお願いするだけの方法もある
    なんのためのリフォームなのか
  • 建てては壊す家から長寿命で健康な家へ
    これから家はどうなっていくか

6月 192008
 

間違いだらけの家選び―チラシ・看板・間取りでわかる!!
市村博,廣済堂出版,2003

建築士であり,ホームインスペクターを名乗る著者が,建売住宅や建築条件付き売り土地を購入する際の注意事項をまとめた本.

具体的な事例を示しながら,購入者が犯しやすいミスを指摘し,住宅素人であってもチェックできるし,チェックしなければならない項目が示されている.

欠陥住宅のことばかりが頭にあると,折角の住宅購入が全く楽しくなくなってしまうと思う.そういう事態を避けるためにも,最低限度の知識は身に付けて,自分で自分を守れるようにしないといけない.その上で,安心して住宅建設を進めるには,第三者による検査を受けることも有効だと感じた.住宅購入を考えている人なら,一読しておいて損はしない.

目次

  • 住んでから後悔しないための建売住宅選びの鉄則
  • 信じられないような,ホントの話
  • 良い物件には出会えるのか?実況報告,建売現場
  • 看板・チラシにだまされるな!よーく見ると???だらけ
  • 銀行も共犯者!?違反建築でも目をつぶって融資を実行
  • 販売会社の売り方の「手口」教えます
  • ここをチェックすれば大丈夫.完成現場の正しい見方

6月 192008
 

きもちのいい家
手塚貴晴,手塚由比,清流出版,2005

夫婦で建築家という手塚夫妻が,自分達が設計した家を,施主へのインタビューを中心に紹介した本.自宅の紹介も含まれている.

自宅の建設を検討するようになったので,その参考にしようと手にした.本書で紹介されている家々には,度肝を抜かれる.「こんな家あり!?」という感じだ.実際,国内外の雑誌で紹介されたり,海外から視察に来たりという,そんなレベルの家がリストには含まれる.そういう意味で,非常に参考になった.いずれの施主も大満足の様子で,「こんな家に住みたい!」という熱い想いの大切さを感じた.

著者が指摘しているとおり,便利な生活がしたくて,安い家が良いという人には普通の家が無難なのだろう.一方,拘りのある人には,建築家に依頼するのは優れた選択のようだ.

住宅建設というと,欠陥住宅が話題になるが,本書に登場するような家は縁がない.なお,著者が手掛けた住宅の最低金額は2500万円だそうだ.

本書の終わりの方で,著者がいわゆる「高気密・高断熱」について自説を展開している.そこで,目指すべきは低気密・高断熱であると述べられている.素人の私には真偽が定かでないが,低気密を目指すというのは違うのではないかと感じた.もちろん,「低気密=風通しが良い」では決してない.風通しとは窓を開けたときの状態,気密とは閉め切った状態での空気の動きを言っているのだから.非常に気持ちよさそうな家の事例を本書から学ぶとして,高気密・高断熱については,例えば,「体にいちばん快適な家づくり―高断熱・高気密の常識のウソ」(岡本康男,講談社,2004)を参考にすると良いと思う.

日本でも,代々受け継いでいけるような,もっと良い家を建てるべきだという,海外在住経験を基にした著者夫妻の意見は至極もっともに聞こえる.

目次

設計した住まいを訪ねて

  • 鎌倉山の家
  • 腰越のメガホンハウス
  • 屋根の家
  • 熱海のステップハウス
  • 軒の家
  • 空を捕まえる家III
  • 縁側の家
  • 隅切りの家

こんな家に住んでみたかった

生活をデザインする

6月 192008
 

体にいちばん快適な家づくり―高断熱・高気密の常識のウソ
岡本康男,講談社,2004

著者が主張するのは,家を高気密・高断熱にし,全室24時間暖房を実施することによって,「いつもいい季節がある家」,つまり快適な家を実現できるということだ.「全室24時間暖房」と聞くと,エアコンやファンヒーター,床暖房を付けたり消したりする生活が当然と思っている我々は違和感を抱くが,快適な生活には必要な条件らしい.1999年に告示された「次世代省エネルギー基準」には,市町村単位で住宅の断熱仕様が事細かに規定されている.これは,その地域の寒さに応じて,壁,天井,床などに用いる断熱材の熱抵抗値Rの下限を示したもので,建築主の判断基準とされている.本書では,これから日本の住宅が全室24時間暖房を行う本物の快適な家に移行することを前提に,その最低ラインとして示されたのが次世代省エネルギー基準であるとする.気密性も断熱性も低い,隙間風だらけの従来の日本住宅では,熱損失が大きすぎて,全室24時間暖房は実現できない.仮に実現したとしても,消費エネルギーが莫大になり,環境負荷が高すぎる.そこで,消費エネルギーを抑えながら全室24時間暖房を実現するための基準が示されたというわけだ.それでも,当然,消費エネルギーは増える.本書によると,国際的な比較から,暖房費は約3倍になると試算している.だが,「いつもいい季節がある家」はそれだけの価値があるということだ.

断熱というと,内断熱・外断熱という話になるが,実はそれは重要ではない.壁,床,屋根(天井),窓のそれぞれについて,適切な断熱材を適切な量だけ適切に使用することが大切である.だからこそ,正しい知識を身に付ける必要がある.家を高気密・高断熱にすることによって,開放的な間取りが可能となり,家の内部で温度差がなくなり,柱を腐らせるなどの原因となる結露,アレルギーの原因となるダニやカビを防ぐことができる.さらに,常時強制換気を行うことによって,空気の質も良好な状態に保つことができる.つまり,高気密・高断熱,強制換気,全室24時間暖冷房をまとめて実施することにより,快適な住環境が実現できるということだ.

加えて,本書では,環境保全を意識して,エネルギー源として太陽光の利用を推奨している.ソーラーハウスにするかどうかは別としても,住宅の断熱について詳しく書かれているため,本書は大いに参考になるだろう.これから建築する家であれば,良い断熱にするべきだろうから.

目次

  • 快適な家づくりのための断熱
  • 全室24時間暖房のすすめ
  • ダニ・カビ・結露を防ぐ
  • 環境に配慮しつつ生きる
  • ソーラーハウスの成功と失敗
  • ここが知りたいQ&A