ローコスト住宅のつくり方
海野健三,彰国社,2003

様々な角度から,ローコスト住宅を実現するための方法を述べている.ローコスト住宅を目指す人もそうでない人も色々と参考になるだろう.

まず,建築を請け負う人々を締め付けて低価格を実現することも行われているが,それは持続可能なローコストではないと指摘している.他書においても,日本の住宅事情のお粗末さは散々指摘されているが,本書では,施主,設計士,建設業者すべてが納得し,良い住宅が建つような社会的な仕組みを構築していく必要があると主張している.そうしないと,結局,ローコスト住宅は日本に根付かないだろうと.

具体的なコスト削減項目としては,無駄に高価なシステムキッチンを使わないこと,家具・建具を安く作る方法,安く床暖房を設置する方法,内装をしないで構造を活かす方法,床・壁・天井の素材の選び方などが示されている.

本書で特に力説されているのは,ローコスト住宅を実現するためには,建設費だけでなく,ランニングコストやメンテナンスコストをしっかり検討する必要があるということだ.初期費用が多少高くても,メンテナンス費を抑えることができれば,数十年の中でトータルで十分にメリットがあるということだ.まあ,当然の話ではある.そんなことすら考えていない人はいないだろうと思うのだが,世間一般には考えていない人もいるのだろう.

ランニングコストを抑制するという観点で,特に紙面を割いて詳しく述べられているのが,高断熱高蓄熱の重要性だ.断熱,気密,換気,蓄熱について,その考え方が述べられている.ローコストかどうかに関係なく,ここは参考になる.

目次

  • ローコストをはじめる前に
  • ローコスト実現のための極意
  • コストをどう捉えるか
  • 高断熱高蓄熱がローコストの秘訣
  • 熱と素材をコントロールする
  • ローコストの将来形

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