7月 242008
 

以前,「行動経済学 経済は「感情」で動いている」に記載されていた下記問題(ただし簡略化してある)を紹介した.

問題(モンティ・ホール・ジレンマ)

ドアが3つあり,1つは「あたり」,他の2つは「はずれ」だとする.あなたは,A,B,Cの3つのドアからAを選んだが,まだ開けていない.すると,答えを知っている出題者がCのドアを開けた.もちろん,それは「はずれ」だ.ここで出題者があなたに尋ねた.「Aでいいですか?」

このとき,Aのままにすべきか,それともBにすべきか.

また,その解答を「モンティ・ホール・ジレンマ」に記した.この問題は超有名なので,ネットで調べれば,オリジナルの問題や詳細な解答・解説,さらに発展版の問題も見付かるのだが,ここで少し解説をしておこう.

というのも,この問題に初めて接して即座に正答するのはなかなか難しいということを改めて認識したためだ.実は,本日,ある企業で50名強の研究者・技術者・マネージャーの方々に講演をさせていただく機会があった.データ解析に関する講演だったので(かなり強引なこじつけだが),最後に,この問題を紹介し,三択問題として挙手で解答していただいたところ,相当数の方が間違えられた.最初,私も間違ったので,仲間がいて良かったとホッとした次第だ.

ちなみに,その講演では,ドアでは面白くないので,状況をアレンジして出題した.

迷宮を探検しているあなたに怪物が言った.

『箱が3つある.1つは財宝入り,他の2つは空だ.1つ箱を選べ.財宝入りの箱を選べば,くれてやる.だが,空の箱を選べば,おまえは死ぬ.』

あなたが箱を1つ選ぶと,中身を知っている怪物が空の宝箱を開けながら言った.

『その箱でいいか?変えてもいいぞ.』

このとき,最初に選んだ箱のままにすべきか,それとも別の箱にすべきか.

さて,この問題をどのように考えていくかだが,確率の計算を持ち出して,数式で説得を試みるのは野暮というものだろう.もっと直観的に理解できるような考え方が欲しいところだ.

例えば,こう考えてみる.宝箱が3個ではなく,100個あったとしよう.自分が1つの箱を選んだ.このとき,それが財宝入りの宝箱である確率は1/100しかない.選ばなかった99個の宝箱のいずれかに財宝がある確率は99/100だ.ほぼ確実に,自分が選ばなかった宝箱に財宝が入っていると言ってもいい.悲惨な状況だ.ところが,その99個のうち空の98個を怪物が自分で開いて,最後に残った1つを選んでもいいぞと申し出てくれた.さて,その申し出を受けるべきか,断るべきか.そりゃ,受けるべきではないだろうか.

宝箱が3個の場合も同様に考えることができる.

なお,この考え方は直観に訴えるが,厳密には正しい考え方ではないとされる.小難しい話を知りたい人は検索してみるといいだろう.ここでは,そこまでは語らない.