8月 202008
 

入学試験といっても様々で,大学入試が昔から厳戒態勢下で実施されているのに対して,大学院入試はお気楽モードだったように思う.試験問題が公開されるわけでもなく(請求すればもらえたが),出題ミスが直ちに報道され,責任者が謝罪会見をするわけでもなく,試験問題は担当教官(当時は教官,今は教員)の好みを如実に反映しており,等々...

出題ミス防止策

ところが近年,大学入試はもちろん,大学院入試も非常に神経質なイベントになっている.出題ミスを防ぐために,何重にもチェック機構が設けられ,入試に伴う負荷は相当大きくなっている.それでも,そう簡単には出題ミスはなくならない.いわゆる一流大学の大学院入試における,今年(2009年度入試)の出題ミスを見てみよう.

京都大学 大学院理学研究科生物科学専攻での出題ミス

生物学の問題文で,たんぱく質の構造の一部を表記する際,誤って水素原子を省略した.

大阪大学 大学院基礎工学研究科での出題ミス

「機械科学II」では不等号の向きを逆につけ,「化学II」では数字に「平方根記号」をつけ忘れた.

と,まあ,こんな感じだ.ミスをゼロにするのは大変なことだと改めて思わされる.

もちろん出題ミスも大問題ではあるが,大学院入試に関して,数年前に東京大学では別の重大問題が起きている.

本学教員の大学院入試問題漏洩による懲戒処分について

東京大学は、大学院新領域創成科学研究科環境学研究系自然環境学専攻の平成19年度修士課程入学者選抜試験(平成18年8月実施)において、事前に受験者に対し、受験において有利になりうる具体的内容を伝えたとして、本学海洋研究所准教授(同研究科協力講座教員)に対して、平成20年4月25日付けで懲戒解雇の処分を行いました。このほか、5名の教員に対して 監督者責任を問うとともに、総長、理事及び元理事が給与の自主返納を行うこととしました。

他大学における法科大学院(ロースクール)での問題漏洩がニュースを賑わしていた時期もあったが,本当に酷い話だ.

ちなみに,出題ミスを防ぐ最終兵器は,問題文に次の文章を挿入してしまうことだろう.

出題文中に間違いがあれば,それを指摘せよ.

さらに万全を期すなら,入学試験の募集要項のアドミッションポリシーに,

不測の事態に臨機応変に対応できる能力のある学生を求める.

とでも宣言しておけばどうだろうか.

英語試験はTOEICで代用

私が所属する化学工学専攻の大学院入試は来週だが,今年の入試は昨年までとは全く様相を異にしている.最大の変更点は,英語の試験をTOEICの成績で代用することだろう.専攻ウェブサイトには以下のように記載されている.

今回(平成21年度修士入学試験)より、TOEICテストの成績により英語の能力を評価する。このため、学力検査日(2008年8月25日)から過去2年以内に受験したTOEIC「公開テスト」の成績表を提出すること。

私自身は随分と以前からTOEIC導入賛成派だったのだが,ようやく実現した.最近は,就職の際,あるいは就職してからも,TOEIC受験を要求されるのが当然であるし,大学院入試の癖のある英語試験とは異なり,TOEICであれば客観的に(社会に通用する形で)英語力を評価することもできる.TOEIC導入によるメリットは数多い.

とにかく,英語力は重要なのだから,きちんと勉強しておくべきだ.

過去問公開

もう1つ.大学院入試も変わったなぁと感じるのは,過去問を公開するようになったことだ.化学工学専攻でも,平成18年度以降の修士課程試験問題がウェブサイトで公開されている.この措置は,特に他大学からの受験生にとっては朗報だろう.

やる気のある学生を募集中です!

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