8月 222008
 

当初は参加しない予定だったが,電気通信大学で開催されたSICE Annual Conferenceに参加した.計測自動制御学会が主催するこの会議については,2005年に「学会の国際化」,2006年に「SICE-ICCAS 2006@釜山(韓国)」と題してコメントを残している.

敢えて正直に述べるが,国際会議の1つとして評価すると,レベルが低い.国際会議は数多くあるため,限られた時間と予算を有効に使うためには,厳選された会議にのみ参加すべきであるが,その合格水準に達していない.所詮,私の偏見なので,あまり深刻に受け止めないで欲しいが...

非常に気になるのはOS(organized session)の在り方だ.OSというのは,担当者(organizer)がある特定のテーマに関するセッションを企画し,その分野の人達に論文投稿を呼びかけるものだ.OS 自体は極めて有効な企画方法であり,論文投稿を促し,議論を活発にするのにも役立つ.ところが,この度のSICE Annual ConferenceのOSを見てみると,1セッション(5〜6件の論文発表)すべてが同一の研究機関からの発表というものが複数ある.過半数が同一の研究機関からの発表というOSも含めると,その数は少なくない.担当者(organizer)も頼み込まれて断れずという事情にあるのだろうから,申し訳ないが,それでも,OSとしての体をなしていないと言う他ない.そういうセッションは,会場に発表者しかいないという状態にもなりがちだ.一体,誰の利になっているのだろうか.

実は,「SICE-ICCAS 2006@釜山(韓国)」において,同様の指摘をしている.

会議の質に関わる重要な問題点を指摘すると,セッション構成(プログラム編成)に組織化された印象が無く,寄せ集め的な雰囲気が漂っている.20以上のセッションがパラレルで行われるのだが,論文をもっと適切に分類する余地は非常に大きいと感じた.オーガナイズドセッションが主体になっているのだが,「とにかくオーガナイズしました(論文を集めてきました)」という悲壮感は漂うものの,プログラム全体を見渡して,それぞれの論文をより適切なセッションに割り振れば,全体としてより素晴らしい(発表する側にも聞く側にも有益な)会議になるだろう.

OSを含むセッション構成に関しては,今後の改善を期待したい.

他人事のように批判ばかり書いたが,もちろん,大学院生に英語での研究発表の機会を与えるとか,アジア圏の連携を強めるとか,様々なメリットがある.日本の学会が国際的に認知されるという観点からも,その意義は大きいと思う.それでも,現状のままでよいとは思えないので,今後の発展を期待したい.

 Leave a Reply

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>