9月 082008
 

週末に,神宮(通称,伊勢神宮)を参拝してきた.伊勢神宮が正式名称ではないということは,つい最近知った.折角,伊勢神宮に参拝するなら,少しくらいは勉強しておこうと予習した成果だ.その成果の一部は,「伊勢神宮を参拝しよう(予習編)」にまとめてある.

参拝の順序

今回は,以下の順に参拝した.

    <外宮>

  1. 豊受大御神(とようけおおみかみ)を祭神とする豊受大神宮(とようけだいじんぐう)
  2. 豊受大御神の荒魂を祀る,外宮別宮の最高位である多賀宮(たかのみや)
  3. <内宮>

  4. 天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭神とする皇大神宮(こうたいじんぐう)
  5. 天照大御神の荒魂を祀る,内宮別宮の最高位である荒祭宮(あらまつりのみや)
  6. <別宮>

  7. 月讀尊(つきよみのみこと)を祭神とする月讀宮(つきよみのみや)
  8. 月讀尊の荒魂を祭神とする月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)
  9. 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祭神とする伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)
  10. 伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祭神とする伊佐奈弥宮(いざなみのみや)

祭神の名前を見ていると,まさに日本神話の世界だ.天照大御神と月讀尊は姉弟神であり,伊弉諾尊が黄泉国から戻って禊祓をした際に,左目から生まれたのが天照大御神,右目から生まれたのが月讀尊,鼻から生まれたのが須佐之男命(すさのおのみこと)とされる.須佐之男命を祭神とする神社としては,出雲の須佐神社が有名か.八岐大蛇退治など,神話の国らしい.ちなみに,天照大御神が太陽を象徴しているのに対して,月讀尊は月を象徴している.

豊受大神宮(外宮)@伊勢神宮
豊受大神宮(外宮)@伊勢神宮

観光地

伊勢神宮は,外宮から内宮へとお参りするのが習わしである.だが,実際には,内宮のみ参拝する観光客が多いのだろう.午前中に訪れた外宮は,それほど人が多くなかった.逆に,伊勢神宮についてそれなりの知識と心構えを持った人達が外宮を参拝しに来るとも言える.このため,外宮の方が,より静かな雰囲気の中でゆっくりとお参りできる.また,多くの人が荒祭宮も参拝していた.

昼,「あじっこ」で伊勢エビ雑炊を食べた後,内宮へと向かう.内宮への入口にあたる宇治橋に近い駐車場は満車で,臨時駐車場へと誘導する看板が道に出ていた.時間もないので,神宮会館の有料駐車場にとめることにした.この駐車場は,おかげ横丁に隣接しており,非常に便利だ.駐車料金も高くない.

神恩太鼓の大きな音を聞きながら,赤福本店などを眺めつつ,観光客でギューギュー詰めのおかげ横丁を通り抜け,宇治橋へと向かう.とにかく,人が多すぎ...

参拝と言うよりも,観光地に見物に来ているという感覚だろう.神社側からすれば,このような状況で,神気,神威を保つのは容易なことではないと思う.皇大神宮の凄い人混みに比べて,荒祭宮を参拝している人はわずかだった.ゆっくりとお参りするなら,むしろ荒祭宮だろう.もちろん,皇大神宮を参拝してからということだが.

平成25年の式年遷宮で皇大神宮が移る敷地@伊勢神宮
平成25年の式年遷宮で皇大神宮が移る敷地@伊勢神宮

第62回神宮式年遷宮

20年に一度,伊勢神宮では式年遷宮が執り行われ,正殿(しょうでん)を始め御垣内(みかきうち)の建物すべてが建て替えられ,さらに殿内の装束や神宝も新調される.この式年遷宮に際して,御神体は新宮へと遷される.このため,豊受大神宮や皇大神宮,別宮の隣には,式年遷宮のための敷地が用意されている.

今回で62回目を迎える神宮式年遷宮は,持統天皇4年(690年)に第1回が執り行われて以来,1300年にわたって脈々と続けれてきた伝統行事である.既に,平成25年の式年遷宮に向けて,平成17年から諸祭・行事が進行中である.

「そんな頻繁に建て替えるのかよ!」と思うかもしれないが,技術伝承という観点からも,この20年という期間はよく考えられているとされる.唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)と呼ばれる正殿の建築様式,殿内の装束や神宝など,これらの製造技術を後世に伝えられなければ,いずれ朽ちてしまう.伝統技能を継承し,携わる職人を育成するためには,50年とか100年に一度ではダメというわけだ.

今回の参拝がちょうど式年遷宮の期間中であるのも縁であろうと,わずかではあるが,外宮神楽殿にて式年遷宮へ奉賛を申し出た.住所と氏名を記帳し,式年遷宮のために献金したところ,特別参宮章という小さな紙と,色々な記念品をいただいた.正直,献金が少額なだけに申し訳ない気がする.

式年遷宮へ奉賛していただいた特別参宮章@伊勢神宮
式年遷宮へ奉賛していただいた特別参宮章@伊勢神宮

この特別参宮章を持参すると,外宮および内宮の正宮にて,一般の参拝客は入れない場所(お賽銭箱が置いてある場所の内側,綺麗に砂利が敷かれた,正殿に近いところ)で,神主に案内していただいて,特別に参拝することができる.ただし,正装でなければならない.男性ならネクタイとジャケットが必須,女性ならスーツだ.さて,うちの家族はどうだったか.当然ながら,この残暑が厳しい最中でも,スーツを着用して参拝に出掛けた.これも予習の成果だ.子供達は,襟付きではあるものの,普段着っぽい服だったのだが,優しい神主さんが「本来はお子様も正装でないといけませんが」と言いつつ,お参りを許してくださった.

まず,塩で清めていただき,神主について垣の内側へと進む.正殿の正面まで来ると,「二礼二拍手一礼にてお参りして下さい」と神主が言われるので,そのようにお参りさせていただいた.子供達には,「ここは神様のおうちだから,走ったり,声を出したりしたらダメ.2回おじぎして,2回パンパンと手を叩いて,最後に1回御礼をするの.いい?」と言い聞かせた.長男5歳は参拝中一言も発さず,行儀良く,お参りできた.一方,長女2歳には何のことか分かるはずもなく,

「大きい石がいっぱいやね〜.」

「ここに神様がいはるの?」

「神様は,ここ?」

と終始喋り続けていた.

ちなみに,式年遷宮の奉賛記念にいただいたのは,香りが凄く良い扇子と式年遷宮について書かれた冊子(写真集).

式年遷宮へ奉賛していただいた扇子@伊勢神宮
式年遷宮へ奉賛していただいた扇子@伊勢神宮

式年遷宮へ奉賛していただいた冊子@伊勢神宮
式年遷宮へ奉賛していただいた冊子@伊勢神宮

月讀宮

外宮と内宮の参拝を終えた後,おかげ横丁でカキ氷と赤福餅を食べ,月讀宮へと向かった.もう午後4時過ぎということもあり,こちらはほとんど参拝客もいず,静寂の中,お参りをした.

最後に,猿田彦神社を訪れ,伊勢を後にした.

その他

帰宅する途中,松阪で松阪牛を食べた

自宅から伊勢までは車で片道2時間半ほど.新名神ができたので,随分と便利になったと思う.ただ,カーナビは地図情報が古く,新名神に対応していないため,草津田上JCT(名神)から亀山JCT(東名阪)の区間は迷子になる.長男5歳はそれが面白かったようで,道のないところを三角形(自車の現在値)が進んでいくのを見て,「機械が迷子になってるで!」と喜んでいた.


  2 Responses to “伊勢神宮を参拝しよう(実践編): 特別参宮など”

  1. 丁寧な説明内容に感動致しました。ところで、教えていたければ嬉しいのですが、特別参宮章はどのように手にいてるのでしょうか?実は、我が家には、20年程前から特別参宮章があるのですが、ひとり分しかなく、手助けのいる父のためにはもうひとり分必用なのです。ずっと楽しみにしていたので是非行きたいのですが、どうすれば手に入るのでしょうか?よろしくお願いします。

    • 恐らく,既にお持ちの特別参宮章1枚でご家族は参拝できると思いますが,もう1枚必要でしたら,式年遷宮へ奉賛されると,いただけるはずです.外宮でも内宮でも,あるいはその他でもよいかもしれません.私が神宮をお参りした際には,式年遷宮への奉賛(要するに寄付です)をすると,その場で特別参宮章をいただけました.写真は2級賛助会員ですが,奉賛の額に応じて,いくつかの級に分かれており,式年遷宮において参加できる内容も異なります.

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