11月 282008
 

先日,「品質や歩留りの改善にデータ解析を活用:SONAR研究会」と題して,YDC SONARというデータウェアハウス&解析ソフトのユーザミーティングであるSONAR研究会での特別講演について書いた.その中で,私がどういう観点で研究に取り組んでいるかを次のように表現した.

今回の研究会のキーワードは品質であるが,品質に関わる問題は,あらゆる製造業が抱えている.半導体,液晶,鉄鋼,製薬,化学等々,製品は全く異なるし,製造設備も全く異なる.しかし,データ解析を活用して品質・歩留りを向上させるという観点から眺めると,実は,課題と解決策は共通している.いや,同一だと言ってもいいだろう.このため,異業種の交流は非常に有意義だと思っている.そういう意味で,SONAR研究会というのも,1つの異業種交流の場であり,その役割を果たしていくならば,非常に有望だと感じた.

その後,特別講演に対するアンケート結果に対する自分なりの解釈を,「講演の難しさ,成功と性向:独り言モードで」と題して書いた.そこで,いろいろな場で講演をさせてもらい,数多くの共同研究に取り組んでいる動機を,次のように表現した.

私が各所で講演をさせてもらっているのは,第一に,プロセスデータ解析を実践する人を増やすためだ.そういう観点で,以前から,自分自身の活動を布教活動に喩えている.

産業界の垣根を越えて,様々な業界の技術者が切磋琢磨すれば,生産技術力,特に品質実現力の強化にデータ解析技術をもっと活用できるようになるはずだという思いは強い.上述のSONAR研究会で伝えたかったのも,先週,台湾の台北で開催された国際会議(2008 Taiwan/Korea/Japan Chemical Engineering Conference and the 55th Taiwan Institute of Chemical Engineers Annual Conference)での招待講演で伝えたかったのも,この点である.ちなみに,台北での国際会議では,「Practical Process Data Analysis to Meet Industrial Needs: Recent Advancement of Statistical Modeling and Process Analysis」という題目で講演を行った.

産業界の垣根を越えて技術開発に取り組むというのは,難しいことに思えるかもしれない.しかし,プロセスの見かけは異なっているとしても,課題と解決策が共有できると理解できれば,そのような取り組みに価値を見出せるはずである.実際,カナダのマックマスター大学を核とするコンソーシアム”McMaster Advanced Control Consortium (MACC)“は,そのような取り組みを実践し,大きな成果をあげている.コンソーシアムの概要については「McMaster Advanced Control Consortium (MACC)」に書いてあるので,そちらを参考にしていただきたい.

私がやろうとしていることの1つは,このコンソーシアムのような,産業界の垣根を越えた集団を構成し,産産学連携による技術開発を通して,社会に貢献することである.そして,もう1つは,教育を通して社会に貢献することである.これら自分がやりたいことをやるためのポジションとして,大学の教員というのは適切であると考えている.

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