12月 022008
 

今日から,技術経営(Management of Technology; MOT)の勉強を開始した.

以前から技術経営(MOT)に興味はあったものの,そして,少しは本を読んではみたものの,ほんの少しかじる程度だった.しかし,今回は真剣に勉強する.技術経営(MOT)を勉強しようと思ったきっかけは,大学院の講義だ.実は,来年度,普段担当している科目とは別に,持ち回りの講義を担当することになった.その講義を前回担当したときには,「データ解析」をテーマにした.自分の得意分野で勝負したわけだ.現在のカリキュラムでは,確率・統計学,多変量解析,データ解析など,様々な場面で有効利用できる知識や技術を教える機会がない.逆に,これらの知識や技術を身に付けておけば,自身の差別化を図れるということになる.そんな想いでデータ解析をテーマにしたが,単発の講義ではダメで,継続的に教えていく必要があると感じたため,来年度から「プロセスデータ解析学」を開講することにした.このため,持ち回りの講義でデータ解析を取り上げるわけにはいかない.

講義のテーマをどうするか色々と考えてみた.既に身に付けている知識を披露するような講義は非常に楽だが,自分にとって何かメリットがあるかと問うてみると,そうは思えない.そんなことをしても,自分が成長できる余地が極めて限定的な気がする.そうであれば,思い切って,新しい事柄にチャレンジするしかない.自分自身が興味を持てて,学生も学ぶことにメリットがあり,なおかつ大学院の講義として成立するようなテーマは何か.この問いについて猛烈に検討した結果,技術経営(MOT)をテーマにするという結論に達した.まあ,考えた時間は10分ぐらいだが...

先週,とりあえず,書評で評価の高そうな書籍を10冊購入してみた.1ヶ月ほどで読破し,講義の準備をすることにしよう.

なぜ技術経営(MOT)をテーマに選んだか.1つは,技術経営(MOT)が本当に役に立つような代物なのかどうか自分なりに判断したいという動機がある.加えて,元々,経済や金融に興味があり,それなりに勉強してきたという実績がある.そして何より重要なのは,研究職に就いているものとして,研究組織をマネジメントする方法,研究者のモチベーションを高め,研究成果に繋げる方法を修得する必要があるということだ.

正直なところ,大学の教員というのは,研究者としての訓練は十分に積んでいるとしても,教育の訓練は受けていないし,マネジメントの訓練も受けていない.教育に関しては,流石にFD(faculty Development)が声高に叫ばれるようになってきたが,マネジメントに関しては全く手付かずだ.このため,マネジメント能力のないものがマネジメントする立場になってもおかしくない.これは恐らく不幸なことだろう.

なお,講義は十数回になるはずだが,技術経営(MOT)のみを取り上げるつもりではない.もちろん,今回の講義では,専門知識には全く興味がないので,研究者として必要な技術に徹底的に焦点を合わせていく.それは,論理的に考える技術,人に説明する技術,知識人として組織で成果を出す技術などだ.さらに,将来の人類の在り方に思いを巡らし,真に為す価値のあることについても考えてみたい.