12月 222008
 

プロセス制御技術者を100名育成するという目標を掲げて設置された「SICEプロセス制御専門家養成塾」(略称:SICEプロセス塾)が3年目を迎えた.本年度で修了生が100名に達し,ミッションコンプリートとなる.計測自動制御学会が主催するこのプロセス塾については,「SICEプロセス制御専門家養成塾(プロセス塾)」と題して,2007年3月にその概要をまとめてある.

先週,12月17日に開催された第3回スクーリングに参加した.初年度から最終年度まで毎回「プロセスデータからのモデリング」の講義を担当して感じるのは,バックグラウンドも業種もレベルも,そして目的も異なる人達を対象とした講義の難しさだ.それでも,今回受講された約40名の方々の受講レポートを拝見する限り,伝えたいことは伝わったように思える.このプロセス塾が契機となり,そこで学んだ内容を実務で活用してもらえたら,講師としては最高に幸せだ.引き受けた甲斐がある.

もう1つ,考えさせられることがある.「プロセスデータからのモデリング」には直接関係なさそうだが,プロセス制御技術者なら知っておくべき技術として,SICEプロセス塾では毎回,「制御性能監視」について講義してきた.3年目の今回も興味を持たれた方が多く,制御性能監視について初めて聞いたという受講者も少なくないようだった.この結果を突きつけられて痛感したのは,技術を周知することの難しさだ.実は,制御性能監視については,日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会ワークショップNo.25にて,産学が連携して技術開発に取り組んだ.そこでの成果は,学術論文や国内外の学会で発表すると共に,学会誌や商業誌に解説記事も寄稿し,さらに最終報告書と開発したソフトウェアLoopDiagをインターネットでも公開してきた.加えて,計測自動制御学会論文賞を受賞するなど,ワークショップNo.25のメンバーは成果の流布にそれなりに尽力してきた.それでも,制御性能監視について初めて聞いたという方が少なくないのが現実だ.本当に,技術や研究成果を周知するのは難しいと感じる.

現在活動中のワークショップNo.27「プロセス制御技術」の成果についても,どのように社会に還元していくかを考えておく必要がある.

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