2月 052009
 

「超」MBA式ロジカル問題解決
津田久資,PHP研究所,2003

超MBA式というキャッチ−なタイトルだが,本書の冒頭「はじめに」において,著者は「超MBA式」とは何であるかを語っている.通常のビジネススクールで講義する内容と違うのは,その目的ではなく,方法だという.そして,マインド,ツール,情報の3点がキーワードであるとする.

正直,最初に「はじめに」を読んで,著者が何を言っているのかよく分からなかった.もっと言うと,読み終わった今でもよく分からない.やはり,「超」の説明に無理があるのではないかと思う.しかし,「この本で形成される知恵を核にして,普通のMBA式の本も授業も,その内容が有機的に繋がるはずです」という主張にはそこそこ納得できるようになった.

本書の素晴らしい点は,「問題解決のための論理的思考」という立場が明確であり,しかも首尾一貫していることだ.特に,「情報がないから分かりません」という現実逃避的な言い訳を許さず,得られている範囲の知識や情報を問題解決に活かすための道筋が示されている.その過程で論理的思考が必要になるというわけだ.当然ながら,MECEやツリーも登場するが,断片的なツールとしての紹介ではなく,論理的思考のための道具という観点だけでもなく,それらが問題解決にどのように貢献するのかを示している.

本書で強調されているのは,ツリーやフレームワークはチェックリストでしかないということだ.それら自身に価値があるわけではなく,凡ミスをなくすための道具として活用すべきということだ.また,論理的であることは必要だが,完全を求めすぎてもいけないとされる.限られた時間で結果を出すためには,常に結論指向でなければならない.

なるほどと感じたのは,コンサルティングの価値についてだ.本書では,コンサルティングの価値は,拡散プロセスでの漏れをなくすため,ゼロベース思考を実現するために,外部の目を導入することにあるとしている.ゼロベース思考には素人意見が役立つが,本当の素人だとどうしても無駄な意見が多くなる.コンサルティングを活用すると,あたりの確率が高くなるというのだ.

読む価値ありと評価する.字もでかいし,すぐに読める.

目次

  • 一体、何のための「論理的思考」なのか?
  • 問題解決の出発点−解決策が備えるべき四つの条件とは?
  • 「四つの条件」を満たす解決策を生む心技体
  • 問題解決の「心」:「結論指向」のマインドこそスピードに繋がる
  • 結論指向なし症候群
  • 「ゼロベース思考」
  • 拡散・収束のプロセス
  • そして「ツリー」
  • MECEのコツとその発展
  • 収束の方法論
  • 問題解決のための「体」作り
  • 「シンキング・タフネス」ービジネス問題解決ストーリー

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