4月 302009
 

バルチモア・ワシントン国際空港(BWI)から super shuttle を利用して,バルチモアのインナーハーバー(Inner Harbor)に到着.料金は片道1人13ドル.

バルチモアのインナーハーバーは,ウォーターフロント計画の成功事例として知られているそうだ.確かに,綺麗に整備されており,多くの人々で賑わっている.豚インフルエンザ(swine flu)の影響は全く感じられない.

インナーハーバー@バルチモア
インナーハーバー@バルチモア

今回は,4月中に仕上げなければならない論文があるため,日曜日もホテルに缶詰で,昼食と夕食の時だけ外出した.

昼食は,インナーハーバーの”Harborplace & The Gallery“にあるPhillipsでシーフード料理を食べることにした.ただし,軽く食事ができれば十分なため,本家レストランのPhillipsではなく,ファーストフードっぽい”Phillips Express”だ.

シーフード料理のPhillips@バルチモア
シーフード料理のPhillips@バルチモア

バルチモアで,そしてPhillipsで,”Crab Cake”(カニコロッケ?)が有名だというので,とりあえず,クラブケーキのプラッターを注文する.クラブケーキのサンドウィッチ(ハンバーガー)に,サイドディッシュとして,フレンチフライと「なんとかパピー」(名前を忘れた)がついてくる.相変わらず,量は凄い.味は可もなく不可もなく.

Phillipsのクラブケーキ@バルチモア
Phillipsのクラブケーキ@バルチモア

食事を済ませると,子供へのお土産を買うために書店に立ち寄り,速攻で滞在先のシェラトン・インナーハーバー・ホテル(Sheraton Inner Harbor Hotel)に戻った.

Sheraton Inner Harbor@バルチモア
Sheraton Inner Harbor@バルチモア

4月 272009
 

バルチモアに到着したと自宅に電話したところ(ホテルでインターネットに接続できなかったので),「アメリカで豚インフルエンザが流行してるって報道されてるけど,どう?」と聞かれた.それまで全く知らなかったし,空港でも,ホテルでも,バルチモアのインナーハーバーを歩いていても,全くそんな話題を見聞きすることはなかった.

テレビのニュースなら取り上げているかもと思い,今,CNN Headline News を見てみると,確かに,流行しているようだ.他の話題ばかりで,豚インフルエンザ(swine flu)についてはテロップが流れただけだが,それによると,

  • アメリカでは豚インフルエンザを20件確認.オハイオ州でも1件確認.
  • ホワイトハウスも注視しており,健康緊急事態宣言を発令.
  • WHOが,豚インフルエンザは深刻な事態にあり,パンデミック(pandemic)の可能性もあると指摘.
  • メキシコでは81人が死亡.
  • メキシコシティは機能停止?(shut down)
  • カナダでも1件確認.

といったところか.メキシコに近いところだけの問題かと思っていたら,カナダやオハイオ州でも確認されたとのことなので,北中米全体に広がる可能性はある.そうなると,まさにパンデミック.最近,そんな映画があったような...

それはそうと,急いで論文を仕上げないと...

4月 272009
 

ノースウェスト航空デルタ航空の傘下に入って以降,初めてノースウェスト航空を利用した.関西国際空港から北米路線が消滅したため,なんと,関空から成田までノースウェスト航空で移動し,その後,成田から各地へと向かう.成田へ行くなら伊丹空港を使いたいところだが,伊丹−成田は便数が少なく,使いづらい.まあ,関空−成田間が国際線扱いのため,関空で出国手続き(パスポートコントロール)を済ませられることがせめてもの救いだ.

関西国際空港

関空では,これまでと何も変わることはなかった.チェックインカウンターもラウンジも以前のNorthwest Airlineのままだ.会員資格がスカイチーム・エリート・プラスなので,エコノミー用の行列に並ばずにチェックインを済ませられるのは有り難い.しかし,それ故に利用する航空会社を限定してしまうというハンディを負う.悩ましいところだ.12:20発のフライトで,10:30にはチェックインを済ませたので,いつものようにラウンジでビールやワインを飲みながら,猛烈に仕事をしていた.

成田空港

成田では,飛行機からターミナルまでバスで移動した.セキュリティチェックで結構待たされ,搭乗開始時刻10分前くらいにゲートに到着した.このため,成田空港のラウンジで軽く食事するつもりでいたのだが,かなわなかった.関空でパンなどを食べていなかったら,危うく昼食抜きになるところだ.ところが実際には,機材延着で出発時刻が遅れてしまい,ゲートでボーッと待つことになってしまった.もちろん,そういうときには本を読むのに決まっており,今日は「経済学と人間の心」(宇沢弘文,東洋経済新報社,2003)を読んだ.

デトロイト経由でバルチモアへ

今回は,デトロイト空港を経由して,最終目的地であるバルチモアへ向かう.機材はノースウェスト航空のままだが,機内誌がデルタ航空のものに変わっていた.前方スクリーンの映像もデルタ航空のものだ.

しかし,最重要ポイントは機材が古いことだ.以前,成田−サンフランシスコ便を利用したときには,パーソナルモニターがついていたのだが,今回の成田−デトロイト便にはついていない.それはよいとしても,座席に電源プラグがないのが痛い.次回からは,避けられるものならデトロイト経由は避けることにしよう.

デトロイト空港での乗り継ぎは,相変わらず良くない.というか,さらに悪化しているようだ.入国審査(パスポートコントロール)に時間がかかりすぎる.一体,1人に何分かけてるんだ?という感じ.その上,荷物をピックアップした後の税関検査でも,また行列.なんとかならないものか.

日米のサービスの差

飛行機を利用したときに,日米の差を強く感じるのは,バゲッジクレームで荷物を受け取るときだ.国内線も含めて,日本から出発するときには,”Priority”タグのついた荷物はほぼ確実に先に出てくる.ところが,アメリカから出発するときには,そのような秩序はまず望めない.日本人のサービスのきめ細やかさは,やはり流石だと思う.

ともかく,無事にバルチモアに到着した.

追記

上記のメモをアップしようと思ったら,インターネットにつながらない.BWI空港内のフォーポイント・バイ・シェラトン・ホテルに宿泊しているのだが,フロントで聞くと,インターネットシステムがダウンしているとのこと.メールの送受信もできないし,トホホ...

というわけで,本日,会議が開催されるSheraton Inner Harbor Hotel Baltimoreに移動したので,そこで改めてアップした.

4月 272009
 

経済学と人間の心
宇沢弘文,東洋経済新報社,2003

森元内閣総理大臣の「日本は天皇を中心とする神の国」発言に対する厳しい批判にはじまり,既に亡くなった親しい経済学者の回顧録へと続く.この段階で,この本を選んだのは失敗だったかと思ったのだが,それより後は概ね期待したような内容だった.

本書は,既に書籍や雑誌にて発表されている文章のいくつかを収録したものである.このため,「これは読んだ」という部分も多かった.

ここでは細部には触れないが,本書を読んで改めて感じたのは,良書を読むことの大切さと,付き合う人を選ぶことを大切さである.

目次

  • リベラリズムの思想と経済学
  • 人間的な都市を求めて
  • 環境と社会的共通資本
  • 学校教育と人間の心
4月 222009
 

(2014年12月25日 リンク修正)

学位を取るために論文が学術雑誌(ジャーナル)に掲載されれば十分ですというような,低レベルの話が対象ではない.できるだけ多くの人に論文を読んでもらい,研究成果を社会のために役立てたいと願うときに,どのように論文を書けばよいかという話が対象である.

まず,肝に銘じておかなければならないのは,ほとんどの論文は読まれないという現実だ.自分の専門分野であってさえ,論文数を稼ぐために論文が大量生産され,似たようなテーマの国際会議や国内学会があちこちで開催される現在,すべての論文に目を通す時間など誰にもない.査読者に指名されない限り,読みたいと思える論文しか読みはしない.

では,どのようにして,読みたいと思える論文がピックアップされてくるのか.その過程を検討すれば,おのずと,読まれる論文の条件が明らかになる.論文を読んでもらうためには,次の3つが必要条件である.

  • キーワード検索でヒットすること
  • 論文タイトルで読む候補に挙がること
  • 論文要旨(abstract)で惹き付けること

以下,順に見ていこう.

キーワード検索でヒットすること

紙媒体が主体であった昔とは異なり,電子化が進んだ現在,学術雑誌(ジャーナル)の目次を眺めて,気になる論文を探すことはあまりしない.もちろん,定期的に送付されてくる学会誌や論文集の目次くらいには目を通すだろうが,ほとんどの研究者には,図書館に行って膨大な数の学術雑誌(ジャーナル)の目次を眺めるだけの余裕はない.

その分野をリードする研究者の論文は別格(ここでの対象外)として,通常は,データベースのキーワード検索で論文を探すことになる.つまり,キーワード検索でヒットしないかぎり,永遠に論文は読まれない.GoogleやYahoo!などの検索エンジンで上位表示されないページは世の中に存在しないに等しいと言われるのと同じ理屈だ.

重要なキーワードは,モレなく,タイトルか要旨(abstract)に組み込んでおかなければならない.タイトルか要旨(abstract)という点に注意して欲しい.論文を絞り込むために,本文を検索対象から外す可能性が高いため,キーワードが本文に書かれているだけではダメだ.

論文タイトルで読む候補に挙がること

論文の構成要素の中で,最初に目がいくのがタイトル(論文題目)だ.データベースの検索結果で表示されるのもタイトルだ.タイトルで第一印象が決まる.最重要なキーワードを厳選し,タイトルに含めておく必要がある.

論文要旨(abstract)で惹き付けること

要旨(Abstract)が魅力的でなければ,論文は読んでもらえない.キーワード検索でヒットし,タイトルで読む候補に挙がったとして,次の段階は,要旨(Abstract)による読む価値があるかないかの判断だ.読者を「この論文は読んでおこう!」という気にさせなければならない.

最低限の要求として,研究の目的と結論が簡潔かつ明確に書かれていることが必要になる.要旨(Abstract)だけで,論文で最も主張したいことが伝えられないといけない.あれもこれもと欲張ってはいけない.贅肉をそぎ落とし,筋肉質で美しい要旨(Abstract)を目指すべきだ.

書いた後で,十分に時間をおいてから,客観的に読み直してみよう.その要旨(Abstract)を見て,心の底から「この論文は読んでおこう!」という気持ちになるか.知的好奇心を刺激されるか.論文が提供する価値(新規性や有用性)は明確か.もちろん,誤字脱字などは論外だ.

補足

これまでに数多くの学生の論文原稿を見てきて,感じてきたことを,まとめてみた.論文執筆に加えて,上手に魅力的な学会発表をするためのアドバイスなどについては,「学会発表や卒業研究発表の前に読みたいプレゼンテーション・アドバイス」も参考になるだろう.

敢えて書く必要もないだろうが,内容に価値があることが論文執筆の大前提だ.付加価値のない論文を書くのはやめよう.

読み返してみると,ブログやアフィリエイトサイトの検索エンジン最適化(SEO)みたいな話だが,実際,共通部分は多いと思う.

主要アドバイス一覧

勉強,レポート作成/論文執筆,研究発表/プレゼンテーションについて,主に卒業や修了を目指す学生へのアドバイスの一覧

(2015年1月15日リンク追加)

4月 222009
 

ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
高田貴久,英治出版,2004

副題にあるとおり,「提案」に焦点を宛てた解説書である.良い提案をするために当然必要になる論理的思考の説明もあるが,いかに提案を成功させるかという観点で首尾一貫している.そのため,論理的思考の類書にはない,会議設計力や資料作成力についても多くの紙面が割かれており,それが本書の特徴となっている.

本書の印象は,「当然のことが書かれている」というものだ.きちんと書かれており,まともな解説書になっているので,この種の本を読んでいないなら,読んでみる価値はある.既に色々と読んだ人にとっては,会議設計力や資料作成力についてで価値が見出せるかどうかに依存するだろう.

目次

  • 新規事業立ち上げのストーリー
  • 提案の技術とは
  • 論理思考力―話をつなぐスキル
  • 仮説検証力―疑問に答えるステップ
  • 会議設計力―議論をまとめるスキル
  • 資料作成力―紙に落とすステップ
  • 最終章
4月 202009
 

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ
エドワード・L. デシ,リチャード・フラスト,新曜社,1999

最近読んだ本の中で,もっとも多くの気付きを得られたように思う.子供,生徒,部下,さらには自分自身であってもよい.人を育てるという問題に興味があるのであれば,是非一度読んでみて欲しい.いかに我々が間違ったことを当然と思い込んでいるかに愕然とさせられる.

本書の内容については,既に何度か紹介してきた.

人を育てるというとき,そのあるべき姿として,我々は,自分で設定した目標の実現に向けて自発的に努力できるような人を思い描くのではないだろうか.人がそのようになるためには,何が必要なのだろうか.本書は,このような問いに答えてくれる.

人が内発的に動機づけられるためには,望ましい結果を得るための活動(例えば勉強や運動)に対して有能感を感じる必要がある.自分にはできるという感覚がなければ,やる気は生じない.さらに,自律性を支援されることによって内発的動機づけは促進される.有能感と自律性がともに高められ,互いに補いあって成長を支える力となり,人々の達成感や生涯にわたる学習を導くのである.これが著者の主張であり,有能さと自律性を感じ人生を自分で切り開いていく人は,そうでない人に比べてあらゆる点で,計り知れないほど豊かであると述べられている.

内発的動機づけが本書の大きなテーマの一つであるが,非常に興味深いのは,どのようなときに内発的動機づけが低められるかという研究結果である.望ましい結果や良い行動に対して,金銭やプレゼントなどの報酬が与えられるとき,内発的動機づけは低下する.つまり,金銭やプレゼントが与えられるときだけ,そのような行動をするようになってしまう.報酬は自由な行為を外部から統制される行為へと変えてしまうのであり,報酬によって人は多くの活動に対して興味を失ってしまうのである.この事実を我々はどれだけ認識しているだろうか.子供を餌で釣ろうとばかりしていないだろうか.最悪だ...

さらに,内発的動機づけを促進するために必要な自律性については,選択の機会を提供することが人の自律性を支えるために重要であると述べられている.あれをしろ,これをするなとガチガチに決めつけるのではなく,できるだけ広く設定された制限の範囲内で,自分で選択させることによって自律性が養われていく.

これらの他にも,多くの気付きが得られる良書である.

4月 192009
 

「日曜日にどこに行きたい?」と長男5歳と長女3歳に尋ねたところ,そろって「ガラガラすべり台」という答えだったので,お弁当をもって丹波自然運動公園に出掛けた.昨年10月に栗拾いに行く前に遊んだ公園だ.

「ガラガラすべり台」というのは,我が家での呼び名で,普通のすべり台ではなく,台がローラーになっていて,すべるとガラガラと大きな音がすることから,そう名付けられた.小さい子どもは大丈夫そうだが,大人がジーンズなんかですべると,おしりが熱く,痛くなるので要注意だ.段ボールを敷いてすべるのが良い.

ジャイアントスライダー/ガラガラすべり台@丹波自然運動公園
ジャイアントスライダー/ガラガラすべり台@丹波自然運動公園

桜のシーズンが終わったとはいえ,天気もよく,外で遊ぶには絶好の季節なので,道路が大渋滞するだろうと予想して,朝8時過ぎには家を出た.ところが,京都縦貫自動車道は空いていて,順調に丹波自然運動公園に到着.まだ駐車場もガラガラで,いつも大混雑する遊具にも子供がいない.

巨大な遊具@丹波自然運動公園
巨大な遊具@丹波自然運動公園

長女3歳は一番高い滑り台もすべれるようになって,その成長を実感する.

ちなみに,我が家では,休日の行き先は子供に決定権を持たせることが多い.これは,選択することで自律性が養われるからだ.子供のやる気を育むにはどうすればよいか.内発的動機づけを高め,自律性を育てるにはどうすればよいか.このような問題を意識するならば,育児に限らず,社会のあらゆる対人関係において,「人を伸ばす力―内発と自律のすすめ」(エドワード・L. デシ,リチャード・フラスト,新曜社,1999)が参考になる.最近読んだ本の中ではベストだ.お薦めする.

4月 182009
 

先日,「研究・技術・自分のマネジメント」をテーマとする講義を開講すると書いたところ,肝心の学生ではなく,むしろ社会人の方々から反響があった.参考までに公開した資料を読み,自分の考え方が正しいかどうかを尋ねてくれた人や,続きの公開を望むという人など様々だ.

今週は,「ハイブリッドカーに乗るべきか」について学生に議論してもらった.事前に,みずからの賛否を明確にし,理論武装してくるようにと受講者に促したところ,講義開始時点での賛否は半々だった.この事実からも,ハイブリッドカーも含めて,環境関連の問題が本当に難しいことがわかる.

講義では,私はファシリテータ役を務め,学生に議論をしてもらいながら,論理的に考えるためのコツや注意すべき点を指摘した.90分では議論を尽くせたとは言えないが,全員が納得できる一応の結論を得た.

講義ノート(学生には配付していない)を公開しておこう.

4月 172009
 

今年も,大学1回生配当の「基礎情報処理演習」という演習科目を担当している.一人一台コンピュータを使う演習科目で,コンピュータリテラシーを身に付けることを目的としている.最初は教育用計算機システムの電源オン・オフから始め,メールの使い方,情報検索,UNIXのファイルシステムやシェル,TeX,HTMLとCSS,さらには各種ソフトウェアの利用へと進んでいく.

今週,メールの使い方を演習した機会に,受講生へメッセージを送信した.対象は,私が担当するクラスの学生120名だ.毎年,同様のメッセージを新入生に送っている.全く新しい環境で,これからの人生の基盤を構築していく若者に,志を持って,有意義な学生生活を送って欲しいためだ.伝えたいことが毎年変わるはずもないので,似たような内容になるが,受け取る学生にとっては一生に一回のことなので,役立つかもしれない.今年,新入生に送付したメッセージを記載しておこう.

過去のメッセージは,2005年4月「新入生へのメッセージ:理想を思い描いて,実行しよう」,2007年4月「新入生へのメッセージ:すべては自分の未来のために」にある.

新入生へのメッセージ

大学に入学した今,自分の将来について一度じっくりと考えてみると良いでしょう.30歳,40歳になったとき,自分はどんなことをしているのか想像して下さい.どんなことをしていたいか理想を思い描いてみて下さい.そして,数十年後,理想的な自分になっているために,今から実行しなければならないことをリストアップしてみて下さい.それを実行して下さい.これだけで,ボケーッと大学生活を過ごすことなんてできなくなるでしょう.君達の将来は,君達が今していることの積み重ねで決まるんです.それ以外の何物でも決まりません.

補足

環境で自分の人生が決まるのではなく,自分が環境を決めているということについては,「「原因」と「結果」の法則」(ジェームズ・アレン,サンマーク出版,2003)が参考になるでしょう.有名な本です.もっと手軽に読める本としては,いわゆる引き寄せ系の本があります.例えば,「引き寄せの法則 エイブラハムとの対話」(ジェリー・ヒックス,エスター・ヒックス,ソフトバンククリエイティブ,2007)「ザ・シークレット」(ロンダ・バーン,角川書店,2007)など.

そんな先のことは分からないよ,というのが本音かもしれません.でもね,問題を先送りにすることで,幸せな未来が訪れると思いますか.残念ながら,そんなに世の中は甘くないですよ.

では,もっと近い未来のことを考えてみましょう.数年後には,大学院入試や就職試験が待っています.実力がなければ,良い研究室で好きな研究をする権利は与えられません.好きな企業にも就職できません.やりたい仕事もさせてもらえません.例えば,必修科目の成績が悪ければ,行きたいコースに行けません.大学院入試の成績が悪ければ,行きたい研究室に行けません.勉強がすべてではありませんし,試験がすべてでもありませんが,それでも,結果で勝負するしかないこともあるのです.

手遅れになってからでは遅いんです.健闘を祈っています,

もう一つ.京都大学なんて,極東のマイナーな大学の1つにすぎないことを自覚して下さい.平均的な京大生というのは,世界レベルでは,所詮2流でしかないでしょう.目を海外へ向けてみましょう.自分の未来をちっぽけな島国の中に閉じこめておく必要なんてありません.

20世紀最高の知識人とも評されるドラッカーの言葉を紹介しておきましょう.若い日本人に向けた言葉です.

日本の若い世代の人達には,20代から遅くとも30代前半のうちに,少なくとも2〜3年は日本を離れて,他国で働く経験を積むことをお勧めしたいと思います.情報が高度に専門化し,ごく限られた領域だけを守備範囲とするスペシャリストが増えている世の中で,日本人は若者を他分野にまたがる知識や技術を持ったゼネラリストに育てる術に長けています.それにもかかわらず,私が接してきた日本人の中には,視野が狭く,「世界について十分な知識が備わっていない」と感じさせる人が多数存在しました.海外経験の少なさがその原因です.学ぶべき課題は日本の外にいてこそ得られます.ぜひとも国外に出て行って,視野を大いに広げて欲しい.知識社会が招来する新しい時代においても,日本が世界のメインパワーであり続けるための原動力になってほしいと願っています.

「ドラッカーの遺言」(P.F. ドラッカー,講談社,2006)

補足

成果をあげるために何が必要かを考えるなら,「経営者の条件」(P.F.ドラッカー,ダイヤモンド社,2006)「プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ,成長するか」(ピーター・F. ドラッカー,ダイヤモンド社,2000)を読むとよいでしょう.必ず得るものがあるはずです.

補足として,いくつか本を紹介しましたが,寸暇を惜しんで本を読むことを勧めます.教養のない,人間的な魅力のない,自慢は一流大学を卒業したことだけという,そんな人間にはならないで下さい.

近代日本の礎を築いた志士を数多く育てながら30歳にして刑死した吉田松陰は,年500冊を読破していたそうです.現在でも,各界にて重責を担うような人達は総じて寸暇を惜しんで読書をしているものです.是非良書を読み,立派な人物になって下さい.みな極めて優秀であり,それなりの地位に付くべき人材であり,それ故に社会的な責任(noblesse oblige)を負うことを自覚して下さい.

補足

人間的に成長するという観点からは,「青年の大成―青年は是の如く」(安岡正篤,致知出版社,2002)「人を動かす」(デール・カーネギー,創元社,1999)などが参考になると思います.

初回講義でも述べましたが,体育会でもサークルでもNGOでも何でも良いので,工業化学科以外に,できれば京大以外に人脈を作れるような活動をすると良いと思います.講義室と自宅の往復だけで大学生活を終わらせるなんて馬鹿な真似はしないように.

最後に,アルバイトについて.学費が必要とか,多少の遊ぶお金が必要とかでアルバイトをするのは良いことです.社会勉強にもなるでしょう.でも,過度に時間を費やさないように.せいぜい時給数千円程度でしょ.そんな金額,大学在学中に実力を付けて,卒業後に稼いだら,誤差みたいなものです.たかだか数十万円程度のために,アルバイトで貴重な時間を無駄にして,将来悔いることのないように.

勉強,遊び,アルバイト.自分の将来を思い描き,最適なバランスを実践して下さい.

ちなみに,上記は私の意見です.これが正しいというわけではありません.他人の話を鵜呑みにするのではなく,間違っていても構わないので,まずは自分の意見を持つようにして下さい.そのためには,教養を身に付ける必要があるし,普段から様々なことを考えるようにもしなければならないでしょう.