5月 072009
 

先に書いたとおり,長男5歳が昆虫や宇宙(星)に興味を持ちはじめ,道具が悪いために自然への興味を失うようなことがあってはならないと考えて,昆虫観察もできる合焦距離が短い双眼鏡と,子供向けの優良な天体望遠鏡を購入することにした.

今回は,天体望遠鏡の選び方についてメモしておく.

天体望遠鏡選びの鉄則

素人の私が天体望遠鏡の選び方を語ることに全く意味はないので,様々なサイトで勉強したことを,鉄則としてまとめておく.良い天体望遠鏡の選び方は,先に書いた「良い双眼鏡の選び方」と全く同じだと言ってよい.詳細については,後述のリンクが参考になるだろう.

鉄則1: 使用目的(何を見たいのか)を明確にする

鉄則2: 市販品のほとんどは粗悪品,高倍率は高性能でない

鉄則3: 光学系の総合能力が大切,信頼できる製品を選ぶ

鉄則4: 対物レンズ有効径(口径)が大きい天体望遠鏡を選ぶ

鉄則5: 架台と三脚がしっかりしたものを選ぶ

鉄則6: 使わなければ意味がない

子供と一緒に楽しめる天体望遠鏡を選ぶ(1)

月の小さなクレーターまでハッキリ見たい,土星の環を詳しく見たい,木星の縞模様や大赤斑を見たい,などが目的なら,とりあえず,対物レンズ有効径(口径)80mm以上でないと話にならないようだ.その上で,上記の鉄則に従えば,予算から購入候補は絞られてくる.初心者であれば,ビクセンのポルタII A80Mfを買っておけ.これが結論.これなら間違いようがない.実売価格は4〜5万円.ただし,鏡筒,経緯台,三脚を含めた重量は9kgを超える.幼稚園児である長男5歳が扱えるはずもない.大人の初心者向けだ.

もっと軽量の手軽な天体望遠鏡となると,口径が70mmに落ちるが,同じくビクセンのミニポルタA70Lf(5.3kg)やミザールのMT-70R(4.1kg)あたりが有力候補となる.実売価格は2〜3万円.

最初は,このクラスの天体望遠鏡の購入も考えたのだが,幼稚園から小学校低学年くらいの子供に適した道具かと考えてみると,どうもスッキリしない.本当に土星や木星を綺麗に見たいのであれば,天文台で開催される観望会に出掛けたら良いわけで,天体マニアでもないのに,高額な道具を揃える必要はないだろう.子供と一緒に楽しめるという観点からは,普段から目にしている月の,肉眼では見えないクレーターを見て,「おーっ,凄いねぇ!」なんて言えれば十分ではないだろうか.その上,土星の環が見えれば,もう100点満点だ.

このような観点で色々と調べていくうちに,星の手帖社が発売している「組立天体望遠鏡」を発見した.この組立天体望遠鏡は,世界天文年2009日本委員会公認製品で,ガリレオが宇宙を初めて観察したものと同程度の小型望遠鏡を安価に制作してアジアを中心とした各国の子どもに配布し,かつてガリレオが体験した驚きや発見の追体験をめざす「君もガリレオ」プロジェクトにおいて,「君もガリレオ」望遠鏡として採用されている.口径40mmのアクロマートレンズを使用した,15倍と35倍の2種類の倍率の組立天体望遠鏡が販売されており,定価はそれぞれ1,580円と2,880円だ.

この簡易な組立天体望遠鏡でも,月のクレーターを見ることができるらしい.さらに,天体望遠鏡を自分で組み立てるという作業も経験できる.ものづくりの楽しさを知るという観点からも実に興味深い.というわけで,この2種類の組立天体望遠鏡を購入することに決めた.大いに楽しめそうだ.

子供と一緒に楽しめる天体望遠鏡を選ぶ(2)

しかし,「組立天体望遠鏡 35倍」の商品説明には「倍率が35倍で土星の環が分かり,プレアデス星団・アンドロメダ座大銀河・オリオン座大星雲などの天体観察ができる」と書かれているものの,もう少し本格的っぽい天体望遠鏡が欲しいというのも確かだ.流石に口径40mm,焦点距離273mmというのは低スペックだろう.最初に書いた口径80mm以上の半分しかないのだから.

そこで,さらに,安価かつコストパフォーマンスの高い,本格的っぽい天体望遠鏡がないものかと調べてみると,あった.スターライト・コーポレーションスコープテック・ラプトル50天体望遠鏡セット(屈折式簡易架台)がそれだ.販売価格は7,980円で,重量は三脚も含めて1.5kgしかない.激安だが,極めて良心的な作りで,世界天文年2009日本委員会が選定した世界天文年セレクションの望遠鏡部門でフレンドリー賞を受賞している.スコープテック・ラプトル50の兄貴分にあたるスコープテック・アトラス60(23,800円)は,先述の定番天体望遠鏡であるビクセンのポルタII A80Mfと共に,同ビギナーズ賞を受賞しており,スターライト・コーポレーションの実力が伺える.

インターネットで色々と調べた限りでは,スコープテック・ラプトル50およびスターライト・コーポレーションの評価は極めて高い.実際,スターライト・コーポレーションのウェブサイトを見ると,天体望遠鏡への熱い想いが伝わってくる.アフターサービスへの取り組みも素晴らしい.ウェブサイトには次のように書かれてある.

弊社では、各商品ページに左のようなマークをつけて、その隣に星の見え方の詳細を書き、星がどのように見えるのかを保証します。

しかし、いくら良い道具でも使いこなせなければ意味がありません。だから弊社は、ご購入後のサポートもお約束します。使いこなせるまで、徹底的にお付き合いします。「うまく組み立てられない」から「土星は今どこに見えるの?」まで、お気軽にご相談ください。とはいうものの、遠い地方からでは、電話代もバカにならない、、、しかし、日本全国どこのお客様も同じようにサポートしたい。そこで考えたのが、フリーダイヤルです。

ご購入後もフリーダイヤルとEメールで、北海道から沖縄まで、無料でサポートいたします。

以上の理由で,スコープテック・ラプトル50天体望遠鏡セット(屈折式簡易架台)スターライト・コーポレーションから7,980円で購入することに決めた.

念のために繰り返しておくが,幼稚園の年長さんである長男が今後数年間使うとすればという観点から,スコープテック・ラプトル50がベストと判断した.子供が小学生高学年以上なら,スコープテック アトラス60天体望遠鏡セット(屈折式経緯台)(23,800円)やScopetech & Mizar SL-70R 天体望遠鏡セット(29,800円)を選ぶだろう.価格が3〜4倍に跳ね上がるが,このクラスの天体望遠鏡が年齢相応と思われる.

小さな子供に7,980円の望遠鏡を買い与えることについては,1)ガラクタにしかならない数千円の玩具を買い与えることに比べれば遙かに教育的効果が高い,2)大人も童心に返って十分に楽しめる,3)これ以上の価格になると故障が怖くて子供に触らせられない(本末転倒),と考えている.

参考にさせていただいたサイトへのリンク集

最終的に,スコープテック・ラプトル50天体望遠鏡セット(屈折式簡易架台)を選択するまでに参考にさせていただいたサイトを紹介しよう.

最後に,どうでもよい話かもしれないが,2009年は土星の環がなくなる.というか,地球から見ると環が水平になるので,薄い環が見えにくくなるそうだ.あと,日本の一部で皆既日食が見られる.既に,日食を見るための専用眼鏡を手配した.

  4 Responses to “子供向け天体望遠鏡の選び方”

  1. 過去の記事にコメント失礼します。子どもの誕生日にビクセンかおもちゃ屋か、といったことで迷っていたので、本当にこの記事は助かりました。きちんと決定までの経緯が書かれていて、とても共感できました。

    ありがとうございました。

  2. おもちんさん,お役に立てたのであれば何よりです.
    コメントをいただき,ありがとうございました.

  3. 小5の息子が誕生日プレゼントに望遠鏡を欲しがっていたのですが、選び方がわからず困っていたところで、こちらのブログにたどり着きました。
    とてもわかりやすく、参考になりました。スコープテック アトラス60を購入しました。
    ありがとうございました。

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