6月 122009
 

研究・技術・自分のマネジメント

現在,化学工学特論第一という大学院生向けの講義を担当している.テーマは「研究・技術・自分のマネジメント」だ.先日,「研究・技術・自分のマネジメント: ビジネスと研究」と題して詳しく書いた通り,本講義では2回の特別講演を企画している.6月11日に2回目の特別講演を実施したので,ここに紹介しておく.

人生は経営〜自分を経営するにあたって大事なこと

前回の特別講演は「研究活動で得た能力は社会人になって役に立つのか?」というテーマで,ビジネスの視点から講演していただいた.今回は,「人生は経営〜自分を経営するにあたって大事なこと」というテーマで,修身の視点から話をしていただいた.

講師は杉本哲也氏.プロセスシステム工学研究室の後輩にあたり,大学卒業後,大学院では別の研究室に進み,その後,味の素に就職.思うところがあり,松下政経塾の門を叩き,今年3月に卒業したという異色の経歴の持ち主だ.現在は,いわゆるフリーターであり,教育コンサルタントとして活躍している.社会貢献への志,修身の実践,そして行動力.彼が持つこれらの性質を学生に肌で感じてもらいたいと思い,講演を依頼した.

大変有り難いことに,彼は私を慕ってくれる一人であり,講演を快諾してもらえるとともに,学生にメッセージを寄せてくれた.

私自身も、プロセスシステム工学研究室にいた時、○○先生に薦めて頂いた1冊の本に人生を変えてもらいました。たった一度しかない人生を悔いなく生きるため、「三十にして立つ」の前に自分の人生の意義をしっかりと考えてみてください。

講演のまとめは以下の通り.

  • 松下政経塾に行き着くまでの道程(数々の縁).
  • ○○先生から教わったこととして,「縁を生かす」,「プレゼンテーションはとにかく練習」.
  • 松下政経塾に入り,学生時代にはまるで読書をしなかったのに,今や年間500冊以上を読むようになった.
  • 「時務学」ではなく,「人間学」の本を読むべし.
  • 本の読み方には,3つの「みどく」−見読・味読・身(実)読−がある.黙読だけでなく,素読や筆読をする.さらに,読んだことを行動にうつさないといけない.知識が行動を伴って知恵となる.
  • 自分経営で大事なことは,志を持つこと,縁を生かすこと,感謝の心を持つこと.志は社会貢献を,野望は私利私欲を目指す.
  • 京大生としての社会的使命を自覚せよ.

まさに期待したとおりの講演だった.数多くの箴言や身近な例を交えながら,生きるための心構えを熱く語ってもらうことができた.企業の若手社員や教育機関の学生を相手に多くの講演をこなしているだけのことはあって,話も上手だ.そして何より,読書,学問,実践を通して培った人間としての土台がしっかりしている.大きな志を抱きつつ,その実現に向けて,日々,小さなことを積み重ねてゆく.それを実践している先輩の言葉に,何か感じるものがあったであろうと期待する.

加えて,出席者全員にプレゼントまでいただいた.修身教授録を書かれた森信三氏の小冊子だ.

昼食会

特別講演終了後,杉本君と一緒に食事をしながら話をしたいという学生7名を連れて,前回と同様,学内にあるフレンチレストランに行った.杉本君と私についてきた学生は,彼の志や実際の生活の話を聞いて,大いに刺激を受けたことと思う.

今日感じたことを風化させることなく,各自の行動に反映させていってもらいたい.杉本君が推薦してくれた本,私が課題図書に挙げた本を読むことでも構わない.自分の理想とは何かについて,じっくり考えてみることでも構わない.これまで気に留めることのなかったものに,「ありがとう」と口にしてみることでも構わない.目の前の勉強に全力を尽くすことでも構わない.必ずや,次の一歩に繋がるから.

  2 Responses to “研究・技術・自分のマネジメント: 人生は経営”

  1. おぉ、ボクも聞きたかったです。
    またボクが話したかったけど、
    色々思案して盛り込まなかった内容が話されているようでなんだかうれしいです。

  2. 木村君と杉本君の話は,社会貢献への熱い想い,すなわち志を持つことの重要性を強調するという点で共通していながらも,一方はビジネス,一方は修身と,ある意味両極に位置する立場からの講演で,井の中の蛙かもしれない学生には良い刺激になったに違いありません.

    この2回の特別講演を聴いて,昼食会にも参加し,さらに個別にコンタクトをとった学生は,自分が行動することで縁を結ぶことができる,自分の環境を変えることができることを実感したと思います.

    木村君と杉本君には改めて心から感謝します.

    今回の2回の特別講演は,講義の一環としての取り組みでしたが,今後どうするかについて考えているところです.こういうチャンスを後々の学生にも継続的に与えていきたいという想いは強いため,「○○塾」とでも名付けて,個人的に続けていこうかと思っています.講義と関係なくなれば,さらに自由度が増し,やりたいことがやれますから.

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