6月 152009
 

アウシュヴィッツ強制収容所への行き方

ポーランドの古都クラクフ(Cracow)は,アウシュビッツ(Auschwitz)−ビルケナウ(Birkenau)への拠点としても知られている.旅行会社が主催するツアーがいくつかあり,Orbis Travelのツアーだと,約6時間で120PLN(約4000円)となっている.

最初はツアーを利用しようかとも考えたが,クラクフ(Cracow)からアウシュビッツ博物館へのバスがあるとのことで,旅を満喫するためにも,じっくり見学するためにも,自力で行くことにした.

路線バスでアウシュヴィッツ強制収容所へ

滞在中のホテル(Hotel Wyspianski)で朝食を済ませ,朝8:30にホテルを出て,PKSバスターミナルへと向かう.PKSバスターミナルはクラクフ本駅の東側に隣接しており,ホテルからは徒歩圏内だ.

PKSバスターミナル@クラクフ, ポーランド
PKSバスターミナル@クラクフ, ポーランド

チケット売り場で,アウシュビッツ行きのチケットを購入する.片道10PLN(約330円).ガイドブックによると約1時間30分とのことなので,安い.次のバスは9:10にG1乗り場から出発するとのことなので,乗り場付近で待つ.なお,バスの外観はまちまちで統一されていない.

途中,いくつかのバス停でとまりながら,緑豊かな田舎道を走り,ちょうど1時間30分でアウシュビッツ博物館に到着した.

クラクフからアウシュビッツへの路線バス@ポーランド
クラクフからアウシュビッツへの路線バス@ポーランド

アウシュヴィッツ強制収容所の見学

ガイドツアーの申込みなどを行う博物館入口の建物を通り抜け,アウシュビッツ強制収容所に向かう.有刺鉄線に囲まれた強制収容所の内部に入るためには,”ARBEIT MACHT FREI”(働けば自由になる)と書かれた門をくぐる.大量虐殺の事実を知る我々からすると,何とも虚しいスローガンだ.

「働けば自由になる」の門@アウシュビッツ強制収容所
「働けば自由になる」の門@アウシュビッツ強制収容所

有刺鉄線に囲まれたアウシュビッツ強制収容所内には,合計28棟の赤煉瓦造りの囚人棟がある.囚人棟1棟には数百から最大で千人の囚人が収容されていたそうだ.いくつかの囚人棟では,その内部を見学できるようになっており,囚人が持ってきた鞄や身のまわりの品々,強制収容所に関する文書などが展示されている.

展示室の壁に,生きてアウシュビッツ強制収容所を出ることができた囚人の描いた(?)絵が掛けられている.囚人の一日を描いたもので,起床,食事,労働などが描かれているのだが,その中の1つに,長時間の強制労働を終えて囚人棟に戻る場面がある.そこに描かれているのは,強制労働中に死亡した囚人をかついで戻ってくる痩せ細った囚人たちだ.その行列から少し離れたところで,ナチス兵が笑みを浮かべながら行列を見ている.寒気を覚えた.

展示室の外へ出ると,広々とした敷地に,ポプラの木が植えられており,そののどかさが逆に悲しい.

囚人棟とポプラの木@アウシュビッツ強制収容所
囚人棟とポプラの木@アウシュビッツ強制収容所

アウシュビッツ強制収容所の最も奥の方に,囚人を利用した人体実験が行われた10号棟,「死のブロック」と呼ばれる11号棟がある.その2つの囚人棟にはさまれて,「死の壁」がある.ここで,銃殺刑が執行されたらしい.綺麗な花が供えられている.

死の壁@アウシュビッツ強制収容所
死の壁@アウシュビッツ強制収容所

上記の他,敷地中央付近には,集団絞首台が残されている.ここで,最大で12人が一度に絞首刑に処されたそうだ.

集団絞首台@アウシュビッツ強制収容所
集団絞首台@アウシュビッツ強制収容所

再び,「働けば自由になる」の門をくぐり,有刺鉄線の外へ出る.有名なガス室は有刺鉄線の外にある.小さな扉をくぐり,中へ入ると,薄暗い室内に,花が飾られ,ロウソクに火が灯されている.

ガス室@アウシュビッツ強制収容所
ガス室@アウシュビッツ強制収容所

ここ,アウシュヴィッツ強制収容所で百数十万人が虐殺された.爽やかな青空,真っ直ぐ伸びるポプラの木々,緑薫る草花.人間の醜さと自然の美しさの対比に,心が重たくなる...

しかし,これがすべてではない.ここは第一アウシュヴィッツ強制収容所.ここから3kmほど離れたところに,さらに大規模な第二アウシュヴィッツ強制収容所,ビルケナウがある.

  2 Responses to “アウシュヴィッツ強制収容所見学(前半)”

  1. 写真を見たら、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を思い出し、思わず泣けてしまいました。

  2. 少し遠かったですが,訪れて良かったです.いや,気は滅入るばかりで,楽しいことは何もないのですが,一人の人間として,この遺産を直接目にすることができて良かったです.人間はここまで非人間的になれるのだと心が凍てつくようでした.

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