7月 082009
 

決定版 心をそだてるはじめての伝記101人
講談社(編),講談社,2001

ここでは,子供向けの本はほとんど取り上げていないのだが,気になる点があったので,メモしておくことにした.

子供に偉人の伝記を読み聞かせたいと思い,amazonで調べてみたところ,この本「決定版 心をそだてるはじめての伝記101人」を見付けた.評判も非常に良いようなので,いつものように,図書館で予約して取り寄せてみた.

一通り目を通したが,紹介されている人物の説明があまりに短すぎて(例えば1頁だけとか),偉人である意味すら読み取れないようなケースが少なくない.これでは偉人の伝記である意味がない.一体何を目的にして編集されたのか?

子供に偉人の伝記を読み聞かせたいと書いたが,子供だけでなく大人にとっても,偉人の伝記は重要だ.子供にと言っている大人本人が,伝記に登場する偉人のような大志を持って,その実現に精一杯努力しているか.このように自分の志を問い直す意味でも,伝記は重要である.そのように伝記の重要性を理解して,本当に子供の心の糧となる伝記を求めるのであれば,もっと厳選された少数の偉人についてで構わないので,しっかりした伝記を読んであげるべきだろう.

どうしてこんな本になってしまったのか.出版社による本書の紹介文を見て納得できた.そこにはこう書いてある.「写真資料も豊富で、必要な知識が身につきます」

偉人の伝記を,「必要な知識」としか認識していないのだ.だから,101人もかき集めたわけだ.必要なというのはテストで点が取れるとでもいう意味だろうか.なんとも賤しい発想としか言いようが無い.なぜ偉人の伝記を読むべきであるかについて,その程度の見識で編集された本であるから,まあ期待する方がおかしいとも言える.

知識として頭の片隅に留めることが大切なのではない.自分なりの大志を抱くために必要なのだ.もし小さい子供を持つ親でこのメモを読まれた方があれば,そういう意識で偉人の伝記を選んでみていただきたい.

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