7月 102009
 

ゲーテ格言集
ゲーテ(高橋健二編訳),新潮文庫,1952

ショーペンハウエルの「知性について 他四篇」などを読むと,至る所で,ゲーテが引用されている.未だ「ファウスト」すら読んだことがないのであるが,ゲーテが非常に気になったので,お手軽な格言集を読んでみることにした.

世の中には,著名人の箴言集,名言集,格言集,一日一言などが氾濫しているが,こういう類の書籍を読んで,本当に身になるのかは甚だ疑問である.どのような言葉にも,その文脈というのがあり,その文脈を無視して切り出された断片だけを見聞きして,どこまで本来の意味が理解できるのか疑問に思うからだ.それでも,最初の手掛かりとして,こういう本から入るのも悪くはないだろう.

ゲーテ格言集を読んでみての感想だが,自分の心に響くのは一割にも満たないくらいだ.これは当然のことと思う.編者が自分が好きな言葉を抜粋したにすぎない書物を読んで,どれもこれも感激するなんてことはあり得ない.また,その人の人間的レベルに応じて,何が心に響くかは変わる.

「その通りだ!」と私が思った短い言葉だけ,以下に紹介しておこう.

人間は現在を貴び生かすことを知らないから,よりよい未来にあこがれたり,過去に媚びを送ったりする.

自分に命令しないものは,いつになっても,しもべにとどまる.

豊かさは節度の中にだけある.

人はみな,わかることだけを聞いている.

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