8月 312009
 

防水デジタルカメラ購入計画」に書いたとおり,9月に研究室旅行で沖縄へ4日間,家族旅行でハワイへ10日間行くため,防水デジカメを購入することにした.

残念ながら,「これだ!」と即決できるような完全無欠の防水デジタルカメラは存在しなかったため,商品カタログを読み,インターネット上のレビュー記事,評価記事,比較記事,口コミ情報,使用報告などを調査しまくり,電器店の店頭で実物を触り,彼女の好みも確認して,最終的に,CANON PowerShot D10を購入した.

以下に,購入の決め手をまとめておく.

まず,機械式手振れ補正がないとまともな写真が撮れないので,手振れ補正は必須だ.この時点で,一気に3機種にまで絞り込まれる.購入したPowerShot D10,HD動画が魅力のLUMIX DMC-FT1,そしてタフさが売りのμ TOUGH-8000だ.

この3機種で詳細な比較検討を実施した.重要な点のみを,以下にまとめる.

  • 水際で撮影したいのではなくて,シュノーケリングやプールで使いまくりたい.プールはともかく,シュノーケリングの場合,潜ると3mは超えかねない.また,30分しか水中に入れておけないようでは安心できない.というわけで,その他の点では圧倒的に評価が高いPANASONIC LUMIX DMC-FT1が脱落.残念.
  • 折角だから綺麗な写真を撮りたい.当然だろう.というわけで,OLYMPUS μ TOUGH-8000ではなく,CANON PowerShot D10を選択.レンズの明るさ,オートフォーカスの速さ,画質など,色々調べた限りで,オリンパスを採用する理由が見当たらなかった.いまどきxDピクチャーカードかよ,という不採用理由もある.
  • CANON PowerShot D10に欠点がないわけではない.いまどき広角35mmかよ,この異様な厚みはなぜ,とは思った.しかし,これらは最優先ではない.あくまで,ド素人が水中で綺麗な写真を撮るためのタフな防水デジカメを探しているのだから.

なお,近所の電器店では驚くほど高額だったので,仕方なくネットで購入した.

  PowerShot D10 LUMIX DMC-FT1 μ TOUGH-8000
メーカー名 キヤノン パナソニック オリンパス
防水 水深10m防水 水深3m防水 水深10m防水
防塵 JIS保護等級6級 JIS保護等級5級 JIS保護等級6級
耐衝撃 1.22m耐衝撃構造 1.5m耐衝撃構造 2.0m耐衝撃構造
耐温度 耐温度-10℃ 耐温度0℃ 耐温度-10℃
有効画素数 1210万 1210万画素 1200万画素
形式 1/2.3型CCD 1/2.33型CCD 1/2.33型CCD
焦点距離 広角35mm 広角28mm 広角28mm
F値 F2.8 F3.3 F3.5
光学ズーム 3 倍 4.6 倍 3.6 倍
記録メディア SD/SDHC/MM SD/SDHC xDピクチャー
液晶モニター 2.5インチ 2.7インチ 2.7インチ
動画サイズ 640×480 1280×720 640×480
手ブレ補正 あり あり あり
顔認識 あり あり あり
WxHxD mm 103.6×66.9×48.8 98.3×63.1×23 95×61.7×21.5
重量 190 g 163 g 182 g
8月 292009
 

最近読んだ本を例にすると,例えば,ヒルティの「幸福論」を読むと,ダンテの「神曲」や聖書からの引用が物凄く多く,それらを読んでいないと話にならないことに気付く.もちろん,読めなくはないが,どうしても浅薄な理解しかできない.そのダンテの「神曲」にしても,そもそもキリスト教における地獄と天国を描いているわけだから,多少は聖書について知っていないと楽しめるものではない.

キリスト教の影響を強く受けているのは西洋の人々だけではない.「代表的日本人」を書いた内村鑑三もキリスト教徒であるし,「武士道」を書いた新渡戸稲造もそうだ.いずれの書物を読むにしても,聖書の教えを知っておくに越したことはない.

もちろん,聖書だけで十分というわけではない.「武士道」においては,聖書を筆頭に,古代ギリシヤ,古代ローマ,ドイツ,フランス,イギリス,アメリカ,中国等々の哲学者,思想家,歴史家,詩人等々,実に多岐に渡って膨大な引用がなされている.流石に「神曲」には東洋思想は引用されていないが,その代わりに,古代ギリシヤや古代ローマの哲学者や詩人が登場するばかりか,ギリシア神話の逸話がふんだんに織り込まれている.

残念ながら,一朝一夕に教養が身に付くはずもない.したがって,少しでも今より良くなるため,自分を磨くための第一歩としては,やはり聖書を知るのが一番だろうと思う.ただ,旧約聖書も新約聖書も,そのまま読んで面白いものではないし,その教えが理解できるものでもない.一方,キリストの教えは○○ですよということだけを学んでも片手落ちだ.聖書に展開される人間ドラマ・歴史ドラマを感じられないからだ.このように考えてみると,お勧めは,小説あるいは物語として聖書を読むということになる.実際,私の場合,もう10年ほど前になるが,小説「聖書」旧約篇と小説「聖書」新約篇を読んだ.これらは聖書の世界に触れる入門書として良くできていると思う.

ダヴィンチコードの影響もあり,マグダラのマリアによる福音書やユダの福音書,さらにはナグ・ハマディ写本やグノーシス主義にも興味をひかれるところではあるが,教養という観点からは,まずは西洋人が正統と考えてきた聖書を知るのが先決に違いない.

8月 282009
 

このブログは,レンタルサーバーであるXserver上にWordPressをインストールして運用しているが,記事件数が多くなったためなのか,あるカテゴリーを表示しようとすると,

Fatal error: Allowed memory size of XXX bytes exhausted

というエラーメッセージが表示され,カテゴリーの内容を表示できない状態に陥った.放置するわけにもいかないので,解決策を調べてみた.

幸い,この問題を無事に解決することができたので,手順を示しておく.

  1. サーバのトップディレクトリに”php.ini”という名前のファイルを作成する.(私の場合はXserverのトップ)
  2. 次の1行を記載(追加)する.数字は64でなくてもよい.
  3. memory_limit = 64M

以上.たった,これだけ.

8月 272009
 

脳を攻略!最強のプレゼンテーション
吉田たかよし,PHP研究所,2008

NHKアナウンサーから転身し,医師免許を取得,さらに衆議院議員公設秘書を務めるなど,異色の経歴をもつ吉田氏が,その経歴を活かして,プレゼンテーション方法についてまとめた本だ.アナウンサーといえば,話すのが仕事というプレゼンのプロフェッショナル.そこでの経験や訓練方法を,医学博士として脳科学的に説明することで,自説に説得力を持たせている.「なるほどね」と納得できる度合いという観点で,本書は優れていると思う.

書いてある内容,つまり推奨するプレゼンテーションの仕方そのものは,決して突飛ではなく,「そうだよね」というものがほとんどだ.私にとっての目新しさは,NHKアナウンサーが行う話し方の訓練方法や,脳科学的な説明であった.

プレゼンテーションにも色々な種類があるが,本書で対象としているのは,主としてビジネス・プレゼンテーションだ.だから,こう書いてある.

こうしたノウハウ本の過ちは,目的をはき違えていることに原因があります.大半のノウハウ本が上手に伝えることを目的としていますが,上手に伝えることとプレゼンに勝つことはイコールではありません.

本書は,脳科学を駆使し,プレゼンに勝つことだけを目的にしています.

プレゼンの目標は,相手を説得し,自分が望む行動をさせることだとする点では,「マッキンゼー流 プレゼンテーションの技術」(ジーン・ゼラズニー,東洋経済新報社,2004)に通じるものがある.内容的に類似した点も指摘できる.しかし,実は,「はじめに」と「序章」を読んで,本書「脳を攻略!最強のプレゼンテーション」を読むのはやめようかとも思った.というのも,勝つとか負けるとか,そんな言葉が多くて,数ページでゲッソリしてしまったからだ.何もそこまで勝負を前面に出さなくても,というのが率直な感想だ.

それでも,科学的に妥当な方法を採用することは重要で,本書は参考になった.「話し方入門」(デール・カーネギー,創元社)の他に何か読みたいなら,どうぞ.

目次

  • 聞き手の「脳」を攻略せよ!
  • 「扁桃体」を攻略して第一印象を決めろ!
  • 「海馬」に効くキーワードで記憶に残せ!
  • 「大脳辺縁系」に訴える右脳言語を使え!
  • 「視覚連合野」を視線と図解で攻略せよ!
  • 「A10神経」を刺激する欲望に火をつけろ!
  • 「側頭葉」にピンとくる言語表現をねらえ!
  • 「前頭前野」を疑似会話で活性化せよ!
  • 「視床下部」を攻略してあがり症を撃退!
8月 262009
 

豊かに成功するホ・オポノポノ 愛と感謝のパワーがもたらすビジネスの大転換
イハレアカラ・ヒューレン,河合政実,ソフトバンククリエイティブ,2009

本書で提唱されている「ホ・オポノポノ」は,「原因と結果の法則」(ジェームズ・アレン)と矛盾しない.ただ,すべての責任は自分にあると指摘するだけでなく,その責任を果たす方法を教えてくれる.

本書で提唱されている「ホ・オポノポノ」は,「ザ・シークレット」(ロンダ・バーン)などを含む,いわゆる「引き寄せの法則」(ジェリー・ヒックス,エスター・ヒックス)と矛盾しない.ただ,自分が望むモノを引き寄せろとはいわず,「ホ・オポノポノ」に従えば自分に相応しいモノが自然と手に入るという.

ホ・オポノポノは,まず,原因と結果の法則を受け入れることから始まる.本書の言葉で言えば,次のことを認めるのが第一歩だ.

すべての問題は自分のなかで起きていることであり,「100%自分の責任」なのです.

問題はすべて自分のなかで起きているのであって,自分の外で起きている問題はないのです.

では,私達が抱えている問題はなぜ起きているのか.問題が自分の中で起きているとは,どういうことなのか.さらに,自分の中で起きている問題を解決するには,どうすればよいのか.

これらは,誰もが抱く疑問である.この疑問に対する,ホ・オポノポノの答えはこうだ.

ホ・オポノポノでは世の中に起こる問題は,「潜在意識のなかの情報(過去の記憶)の再生」と考えます.

その問題の原因となっている情報を消去してしまえば,「誰もが」すべての問題を解決することができるのです.

クリーニングするために必要なのは「ごめんなさい」「許してください」「ありがとう」「愛しています」の四つの言葉をただ繰り返して言うだけでいいのです.

情報を消すというのがポイントだ.無になるということだ.この点では様々な宗教とも繋がりうる.実際,本書では,仏陀やキリストの教えも引用されている.特に,日本人のために書かれた本書は,「色即是空,空即是色」を何度も引用し,「空」になることの重要性を強調している.

わたしたちは,「欲望」(過去の記憶)を消去(デリート)して「空」の状態にあるとき,光が差してインスピレーションがやってきます.逆に「欲望」があるとき,光がブロックされてさえぎられてしまい,インスピレーションはやってきません.

欲望を持ってはいけない.本書には,ネガティブな感情だけでなく,ポジティブな感情も持たないようにしろと書かれている.引き寄せの法則に自分の望みをできるだけ具体的にイメージしろ,あたかもそれが実現されているかのように振る舞えと書かれているのとは対照的だ.念じた望みが自分に相応しいモノであれば問題ないが,相応しいモノでないと困ったことになる.ゆえに,ホ・オポノポノでは,潜在意識のなかの情報を消去して,「空」の状態を求めよという.そうすれば,自然に,自分に相応しいモノが近づいてくると.

ホ・オポノポノの問題解決法は次のようにまとめられている.あらゆる問題に対して,同一の解決策を提供している.

あなたの潜在意識のなかの情報(過去の記憶)が再生されていることが原因です.つまり,○○に関するあなたの情報が再生されているのです.この問題を解決するにはあなたの潜在意識のなかにある○○に関する情報を消去(デリート)することが必要です.

具体的な方法としては,自分自身に対して「一体,自分の潜在意識のなかのどの情報に原因があって○○になるのだろうか」と尋ねます.

そして,その部分に対して「ごめんなさい」「許してください」「ありがとう」「愛しています」のホ・オポノポノの四つの言葉を心のなかで唱えて,消去(デリート)するのです.

たったこれだけ.驚くほど簡単だ.

目次

  • ビジネス界に起こるホ・オポノポノ現象
  • ホ・オポノポノの本質
  • ホ・オポノポノの言葉Q&A
  • ホ・オポノポノが提示するビジネスの大転換
  • ホ・オポノポノがビジネスを成功させる
  • ホ・オポノポノとビジネスQ&A
  • ホ・オポノポノがあなたの人生と世界を癒す
  • 付録1 クリーニング実践編
  • 付録2 ホ・オポノポノ用語集
8月 252009
 

リストラなしの「年輪経営」
塚越寛,光文社,2009

今,この時代に,このような善良な経営者がいるのかと感激した.マネーゲームに奔走する金の亡者になってしまう前に,いや,なってしまった後であっても,本書『リストラなしの「年輪経営」』を読んでみることを勧めたい.就職活動をする学生にも強く勧めたい.就職先を選ぶのも,そこで自分が幸せになりたいと願ってのことだろうから,社員を幸せにする会社とはどのような会社であるか,本書を読んで真剣に考えてみるといい.

伊那食品工業株式会社会長である塚越寛氏は,「会社は社員を幸せにするためにある」と言い切る.リストラして社員に迷惑をかけたり,値切って仕入先に迷惑をかけたり,そういうことはしないと言い切る.自分たちを含め,取り巻くすべての人々をハッピーにする「いい会社」をつくるのだと.

伊那食品工業株式会社は1958年の創業以来2005年までの48年間,ほぼ増収増益を続けてきた.この偉業を達成した経営手法を塚越寛会長は「年輪経営」と称している.これは,いい時も悪い時も無理をせず,低成長を志す,自然体の経営を意味する.

木の年輪のように少しずつではありますが,前年より確実に成長していく.この年輪のような経営こそ,私の理想とするところです.年輪は,その年の天候によって大きく育つこともあれば,小さいこともあります.しかし,前の年よりは,確実に広がっている.年輪の幅は狭くとも,確実に広がっていくことが大切なのです.

「年輪経営」にとっての最大の敵は急成長や一時のブームであるとし,「利益はウンチですよ」と,昨今の利益至上主義に異を唱える.

ウンチを出すことを目的として生きている人はいません.でも,健康な身体なら,自然と毎日出ます.出そうと思わなくても,出てきます.

上品ではないかもしれないが,なんとも適切かつ巧妙な比喩である.利益を出すためには,企業が健康でなければならない.そのためには,バランスが良くなければならない.利益のために,自分たちを含め,取り巻くすべての人々をアンハッピーにするのは本末転倒である.

このように,伊那食品工業株式会社は「いい会社」を目指しているわけであるが,「いい会社」をつくるための10箇条が紹介されている.

  1. 常にいい製品をつくる.
  2. 売れるからといってつくり過ぎない,売り過ぎない.
  3. できるだけ定価販売を心掛け,値引きをしない.
  4. お客様の立場に立ったものづくりとサービスを心掛ける.
  5. 美しい工場・店舗・庭づくりをする.
  6. 上品なパッケージ,センスのいい広告を行う.
  7. メセナ活動とボランティア等の社会貢献を行う.
  8. 仕入先を大切にする.
  9. 経営理念を全員が理解し,企業イメージを高める.
  10. 以上のことを確実に実行し,継続する.

加えて,いい会社をつくるために,中小企業でもすぐにできること,お金もかけずに今すぐできることを,具体的に挙げている.それは,言葉遣いを良くする,丁寧な挨拶を心掛ける,掃除を徹底させる,の3つだ.確かに,その気さえあれば,誰でもいつでもできることだ.そして,これができるかできないかが,大きな分かれ目となるのだろう.

本書には,伊那食品工業株式会社の社員による掃除の徹底ぶりが描かれている.

当社の社員たちは,自ら徹底的に掃除をしているので,掃除に対する目が肥えています.それは,取りも直さず,会社に対する目,社員に対する目,経営者に対する目が肥えているということです.

当社では,社員が素手で,毎日便器を磨きます.

ここまで徹底できるのは凄いことだ.整理整頓が行き届いていない自分の居室を省みて,恥じ入るほかない.

また,長年の経験から,「動機が善であれば上手くいく」が信念になったと書かれている.

最後の章では,教育についても触れられている.

最近の教育には,憂うべきものがあります.親も学校も,本当の教育をしていません.偏差値を上げるとか,いい大学に入るとかは,二義的な問題です.一番大切なのは,「人間はどう生きるべきなのか」「どう生きるのが正しいのか」ということを,教えることです.

これには全く同感である.「人間はどう生きるべきなのか」という問いに対する私なりの回答は,「大学新入生へ: 受講生に宛てた本気モードでのメッセージ」に書いた通りである.

「会社は教育機関,経営者は教育者でなければならない,というのが私の持論です」という塚越寛会長の教育目的は,「立派な社会人をつくること」だと述べられている.氏がいう立派とは,人に迷惑をかけないということだ.さらに,小さな立派は,人に迷惑をかけないこと.中くらいの立派は,少しでも人の役に立つこと.そして,大きな立派は,社会の役に立つことだと書かれている.

幸せについては,次のように書かれている.

人が幸せになる一番の方法は,大きな会社をつくることではありません.お金を儲けることでもありません.それは,人から感謝されることです.人のために何かして喜ばれると,すごく幸せな気分になるでしょう.

結局,幸せについての結論はここに収斂するのだと思う.表現は違っても,みな,同じことを言っている.

最後に,本書『リストラなしの「年輪経営」』で引用されている二宮尊徳の言葉を紹介しておこう.「年輪経営」の基礎となる思想だ.

遠きをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年のために
杉苗を植う
まして春まきて秋実る物においてをや
故に富有り
近くをはかる者は
春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく
故に貧窮す

目次

  • 「年輪経営」を志せば、会社は永続する
  • 「社員が幸せになる」会社づくり
  • 今できる小さなことからはじめる
  • 経営者は教育者でなければならない
8月 222009
 

神曲 地獄篇
ダンテ(著),平川祐弘(訳),河出書房新社,2008

人類史上最高の文学作品とも謳われる「神曲」の主人公は,作者のダンテ・アリギエーリ本人である.「神曲」はダンテの旅行記であるが,最初の旅先が地獄であるという点が普通でない.ダンテの旅は,地獄の後,煉獄,そして天国へと続く.本書「神曲 地獄篇」には,このような奇妙な旅をすることになった経緯に始まり,地獄の門をくぐって,地獄の深淵にて悪魔大王(サタン)を見物するところまでが描かれている.

1265年生まれのダンテが地獄へ旅立つことになったのは,西暦1300年の春,ダンテが35歳の時である.旅行記が書けるわけであるから,死んで地獄に行ったわけではなく,生きたまま,地獄を旅したのである.もちろん,地獄は生身の人間が無事に旅することができるような生易しい場所ではない.ダンテを導いたのは,古代ローマの大詩人ウェルギリウスである.ダンテはウェルギリウスを師と仰ぎ,その助けを得て,永劫の責め苦にあう亡者たちと出会いながら,2人で地獄の谷を降りて行く.

地獄は9つの圏谷(たに)に分かれており,地底の奥深くに進むほど,重い罪を犯した亡者が因果応報の原則により罰せられている.当然ながら,9番目の圏谷の,さらに最奥に,悪魔大王(サタン)がいる.そこはユダの国ジュデッカと呼ばれ,キリストを裏切ったユダと,カエサルを殺したブルトゥス(ブルータス)とカシウスの3人が悪魔大王(サタン)に噛み砕かれている.

「神曲 地獄篇」は,確かに興味深い.ダンテの話の進め方が上手く,比喩も巧みなだけでなく,中世のキリスト教信者の地獄観がわかる.古典で堅苦しいなんて先入観は捨てて,とにかく一度読んでみたらいい.意外にも面白いと感じられるだろう.

「神曲」によって,ダンテを正義の人と判断する向きもあるようだが,キリストの教えを守るという観点からは,この「神曲」の作者は失格ではないだろうか.というのは,古代の人から同時代の人までを含めて,あまりに多くの人を,作者の独断で地獄に落として裁いているからだ.聖書には「人を裁くな.あなたが裁かれないためである.」とある.このマタイ伝にある言葉を聞いたことがある人も多いだろう.ところが,本書「神曲 地獄篇」において,ダンテは人を裁きまくっている.気にくわない人は片っ端から地獄に落として永劫の責め苦を与えている.そんなことをして許されるのか,というのが率直な読後感想だ.第7歌の訳註に紹介されている西田幾多郎の指摘はもっともだと思う.ただ,そう言う私も人を裁いているわけで,「人を裁くな.あなたが裁かれないためである.」は私が守るのが最も難しいと感じている警句の1つである.

ちなみに,本書の日本語タイトルである「神曲」は,森鴎外が訳したアンデルセンの「即興詩人」の中で,本書が「神曲」と題して紹介されたことに始まるらしい.「神曲」は”La Divina Commedia”(神々しい喜劇)の巧妙な訳であるが,ダンテ・アリギエーリの手による原著タイトルは単に”Commedia”(喜劇)だったそうだ.このような事柄も含めて,本書には多くの訳註が付されており,これも大変参考になる.

目次

  • 第一歌から第三十四歌まで
  • 解説: ダンテは良心的な詩人か
  • 解説: 「喜劇」という名の大叙事詩
8月 212009
 

研究室の学生および卒業生のさらなる飛躍を期して,お互いに刺激しあい,視野を広げ,能力を高めるために,研究室同窓生の同窓生による同窓生のためのイベントを企画することになった.

2008年4月,プロセスシステム工学研究室の同窓生の縦横の繋がりを強化するために,修士課程学生が中心になってアルムナイネットワーク「Alumni-7-Network」を立ち上げてくれた.立ち上げに至るまでの経緯は,「研究室の同窓生ネットワーク構築」に詳しい.また,立ち上げに際してのメッセージは「プロセスシステム工学研究室同窓生ネットワーク」に書いてある.

既に,非公開のウェブサイト(研究室からの情報提供&情報保存用),ソーシャルネットワーキングサービス(情報交換用),メールリストが稼働している.

この研究室同窓生ネットワークは順調な滑り出しをみせ,2008年12月には「最適会=プロセスシステム工学研究室同窓会飲み会」が開催された.世代の異なる卒業生も10人近く全国各地から参加してくれて,大変有意義な時間を共有することができた.

今年は,「Alumni-7-Network」をさらに進化させたい.そのため,年末に開催予定の最適会(飲み会)に合わせて,セミナーを開催することを提案した.研究室同窓生ネットワークとは関係なく,「PSEセミナー(プロセスシステム工学セミナー)ってどう?」にも書いたように,セミナー開催はずっと以前から目論んでいた.そして,その実現に向けて,2009年度前期の大学院講義では,化学工学特論第一「研究・技術・自分のマネジメント」を企画し,そこで下記2件の特別講演を実施した.

この特別講演に好感触を得たので,いよいよセミナー開催を本格化させようというわけだ.ただし,まずは足下からということで,プロセスシステム工学研究室の学生と卒業生のためのセミナーとする.現在,学生と卒業生の有志が企画を練ってくれているところだ.実に頼もしいし,このようなネットワークを持つ研究室というのは素晴らしいと思う.

8月 192009
 

数日前,突然に閃き,防水デジタルカメラを購入することにした.もちろん,最大の購入動機は,9月のハワイ家族旅行だ.これまでの経緯は,「家族旅行はハワイ10日間に決定」や「ハワイ家族旅行まで2ヶ月: オプショナルツアーを予約開始」に詳しい.ところが,このハワイ家族旅行に加えて,2009年度研究室旅行の行き先が沖縄に決定した.3泊4日32800円(?)のツアーで,青の洞窟でシュノーケリングをすることになっている.

ハワイのビーチで,Sea Life Parkで,沖縄のビーチで,青の洞窟で,写真やビデオを撮らないわけにはいかないだろう.以前なら,防水の使い捨てカメラを購入していただろうが,やはりデジカメを使いたい.さらに,以前なら,普通のデジカメに防水ケース(防水プロテクター)を追加購入していただろうが,2万円以上もする防水ケースを買わなくても,今なら3万円程度で防水デジカメが買える.というわけで,防水デジタルカメラを購入することにした.

最低限度の要求は,3m以上防水(これがないと無意味),機械式手振れ補正(これがないと辛い)だ.次に重要なのが,広角28mm,光学ズーム3倍以上といったところ.これらのスペックを満たすデジカメで,今年発売されたものは6機種ほどあるようだ.もちろん,画質や操作性も重要だが,これはカタログではわからないので,口コミで調べていくしかないだろう.

現在,予備検討を終えた段階で,候補として残っているのは,下記の防水デジカメだ.

パナソニック LUMIX DMC-FT1

総合的な性能が高そう.スペック的には十分な上に,AVCHD Liteでハイビジョン動画が撮影できるなど,他にはない魅力もある.Panasonic DIGAが自宅にある身としては,この動画機能は魅力的.ただ,水中使用は連続1時間程度が限度らしい.また,画質と操作性についてはユーザの評価が低いようだ.ピントが合いにくいとか,ボタンが押しにくいとか.

キヤノン PowerShot D10

防水デジカメの中で,カメラとしての基本性能は最高か.画質や操作性では高い評価を得ている.10m防水であり,水中での長時間使用にも耐える.しかし,広角35mmで3倍光学ズームである点が激しく見劣りする.また,他と比較すると,大きくて重い.

オリンパス μ TOUGH-8000

どこでも質実剛健と書いてある.しかし,これといった魅力に欠ける.また,レンズカバー故障の報告が少なくないのが気になる.

比較記事

8月 182009
 

ボーイズ・シンクロナイズド・スイミング

生まれて初めて,ボーイズ・シンクロナイズド・スイミングをライブで見た.もっと正確に言うと,女性のも男性のも含めて,シンクロナイズド・スイミングをライブで見たのは初めてだ.場所は亀岡運動公園プール.昨年8月にも遊びに出掛けたレジャープールだ.その詳細は「亀岡運動公園レジャープール」にて紹介したとおりだ.

ボーイズ・シンクロナイズド・スイミングのライブをするというのは,プールで遊びだしてから園内放送で知った.生で見たことがないものだから,興味津々.チーム名は,インディゴ・ブルー(Indigo Blue).水着は白色だったけど.

男のシンクロナイズド・スイミングということで,水中で逆立ちをして水上に脚線美をさらすとかはせず,空中に放り投げるような大技ばかりかなと思っていたら,決してそのようなことはなかった.男であっても,確かに,シンクロしている.

ボーイズ・シンクロナイズド・スイミング@亀岡運動公園プール
ボーイズ・シンクロナイズド・スイミング@亀岡運動公園プール

もちろん,大技もあり.亀岡運動公園のレジャープールは非常に浅いので,こんなところでシンクロナイズド・スイミングができるのかと思っていたが,ちゃんとやっていた.ジャンプはかなり高い.

ボーイズ・シンクロナイズド・スイミング@亀岡運動公園プール
ボーイズ・シンクロナイズド・スイミング@亀岡運動公園プール

正直,予想を上回る演技で,感心した.全くの偶然だったが,インディゴ・ブルー(Indigo Blue)のボーイズ・シンクロナイズド・スイミングの演技を見ることができて,非常にラッキーだった.

再び,亀岡運動公園プール

長男6歳と長女3歳が,「波のプールに行きたい!」とか「グルグルまわるプールに行きたい!」とか言うので,亀岡運動公園のレジャープールに今年も行くことになった.人混みは嫌いなので,週末を外して,平日に出掛けた.

スイミングスクールに通っている長男は,最近習っているクロールを披露してくれた.ちゃんと様になっている.大したものだ.水に慣れている長男は,最大波高1mの造波プールと1周200mの流水プールで一日中遊びまくった.

流水プールで流れる長男@亀岡運動公園プール
流水プールで流れる長男@亀岡運動公園プール

一方,長女は,造波プールに行くものの波打ち際から動かず,流水プールに行くものの速攻で退場する.「だって,こわいんやもん!」というのが理由らしい.どうして怖いのかは結局不明のままだが,幼児プールを中心に,一日中楽しむことはできたようだ.

幼児プールで水遊びする長女@亀岡運動公園プール
幼児プールで水遊びする長女@亀岡運動公園プール

今年から,長男と長女には揃いのラッシュガードを着せている.紫外線対策だ.私もQuickSilverのラッシュガードを購入し,初めてプールで着用してみたが,全く日焼けしないのは流石だ.それに,濡れてもTシャツなどのようにベトッとしないので快適だ.ただ,陸に上がると気化熱を奪われるので,結構寒く感じる.