8月 052009
 

昨年11月に特別講演をさせていただいたSONAR研究会にて,再び,講演させていただいた.幸いにも,出席者からの評判が良く,首を切られずに済んだというわけだ.

SONAR研究会とは,横河電機とオラクルの資本が入った,ワイ・ディ・シーという会社が開発・販売しているYDC SONARというデータウェアハウス&解析ソフトのユーザミーティングである.7月9日に東京・代々木で第3回SONAR研究会が開催された.出席者は,製造業にて主に品質向上に取り組まれている方々で,54社・110名と開催レポートには記されている.企画段階では100名が目標&定員だったようなので,この不況下にもかかわらず,盛況であった.

正直なところ,2回目となる今回の特別講演については,講演内容をどうするかで随分と悩んだ.講演タイトルは早々と決まっていたのだが,中身をどうするかが問題だった.なぜ悩んだかについては,「講演の難しさ,成功と性向:独り言モードで」に詳しく書いてあるので,長々と繰り返すことはしないが,要するに,多変量統計的プロセス管理(MSPC)について解説するために,数式をどこまで見せるかということだ.製品品質がキーワードではあるものの,所属する産業も,受けてきた教育も,興味や関心もバラバラの100名を超える聴衆の満足を最大化するためには,どうすべきなのかということだ.

悩みに悩んだ末,90分の特別講演のために,80枚のスライドを用意した.量的には妥当なところだろう.結局,多変量統計的プロセス管理(MSPC)の核となる主成分分析(PCA)の説明については,必要十分な数式を示し,その他の部分では数式を見せないことにした.その意図は,

主成分分析(PCA)を理解できない人は,多変量統計的プロセス管理(MSPC)も理解できません.このため,多変量統計的プロセス管理を使いこなすことができずに,たとえ適用しても失敗するでしょう.だから,主成分分析だけは数式が嫌いでも勉強しないといけません.そして,主成分分析を理解するためには,線形代数,その中でも固有値問題がわかっていれば十分です.是非,勉強して下さいね.

ということを伝え,実際に勉強する気になってもらいたいということだ.

昨日,SONAR研究会のアンケート結果を見せていただいた.私の特別講演に対する感想を読むと,「○○を勉強する気になりました」というコメントが結構多い.予想以上にかなり多かった.また,「非常にわかりやすかった」というコメントも多く,危惧していた数式についても拒絶反応を引き起こすことはなかったようだ.ほぼ完全に,ミッションクリアと言ってよいだろう.手抜きをせずに,相当時間をかけて講演内容を考え,スライドを推敲しただけに,素直に嬉しい.

さらに,「興味を持てた」,「面白かった」,「工夫されていた」というコメントがいくつかあった.いやぁ,今回はかなり事前準備に時間を費やしましたからね.おかげで,柄にもなく,芸能通になりましたよ...

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