8月 142009
 

夜回り先生
水谷修,サンクチュアリ出版,2004

「こどもたちへ 夜回り先生からのメッセージ」(水谷修,サンクチュアリ出版,2005)が良かったので,原点とも言える本書「夜回り先生」を読むことにした.

子供への接し方について深く反省させられた.非常に強いメッセージを発している,力のある本だ.凄く良い.子供を持つ親,持とうとする人,学校の教員,みんな読むといい.水谷氏のような生き方を誰もができるなんて思わない.みんなが「夜回り先生」になれるなんて思わない.それでも,自分の子供にも,学校の児童,生徒,学生にも,そのような特別な関係にない子供にも,どのように接するべきかを考えるヒントが得られるはずだ.自分自身を含めて,社会がどれほど子供たちに辛くあたっているかにも気付くだろう.

私はよく子どもたちに「いいんだよ」と言う.

水谷氏はこう書いている.まず,認めてあげることが大切なのだと.親や社会に認めてもらえないことが原因で,多くの子供たちが問題を抱え込んでしまう.決して,子供たちが悪いわけじゃない.気に入らない子供を排除しようとする社会に責任があるのだと.

子どもたちはみんな「花の種」だ(中略)

社会すべてが,慈しみ,愛し,丁寧に育てれば,子どもは必ず美しい花を咲かせてくれる.

これが夜回り先生の信念だ.だから決して子どもを批判しない.とにかく子どもを理解しようとする.一緒に問題を解決していこうとする.

昨日までのことは,みんないいんだよ.

「おれ,死にたい」「わたし,死にたい」

でも,それだけはダメだよ.

まずは今日から,水谷と一緒に考えよう.

本書「夜回り先生」には様々な実例が紹介されている.「闇の世界」から「昼の世界」に移住できた子どもも描かれているが,そうではない例もある.加えて,水谷氏の生い立ちや,自ら望んで夜間学校に転勤した経緯なども記されている.言葉だけの人間なんて無価値だなと思わずにはいられない.

私にとって,子どもの過去なんてどうでもいい.今もどうでもいい.

大事なのは,時間がかかってもいいから,誰かの助けを借りてもいいから,自分自身の意志と力で,幸せな未来を作っていくこと.そのためには,とにかく生きてくれさえすればいい.生きれば生きるほど,子どもたちは誰かと出会いながら,どんどん学んでくれるはずだから.

この本を読んでくれた大人たちにお願いがある.

どんな子どもに対しても,まずは彼らの過去と今を認めた上で,しっかり褒めてあげてほしい.よくここまで生きてきたね,と.

生きてくれさえすれば,それでいいんだよ.

本書「夜回り先生」は,このようなメッセージで締めくくられている.一人の大人として,子どもたちの過去と今を認めた上で,しっかり褒めてあげることを自らに課そう.

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