9月 012009
 

神曲 煉獄篇
ダンテ(著),平川祐弘(訳),河出書房新社,2009

「神曲」三部作の第二部が,本書「神曲 煉獄篇」である.「地獄編」において,詩人ウェルギリウスを先達として,地獄の門をくぐり,9つの圏谷(たに)にて永劫の責め苦に苛まれる亡者たちに会い,地獄の最奥にて悪魔大王(サタン)を目にしたダンテ・アリギエーリが,地獄の底から抜け出し,煉獄山の麓に至ったところから,「煉獄篇」は始まる

ここ煉獄は,地獄の悲惨さとはうってかわり,清らかな光と空気に満ちた世界である.煉獄とは,天国と地獄の間にあり,天国に入ることを許された死者の魂が,天国に入る前に,犯した罪を悔い改め浄化される場所である.煉獄では,7つの大罪,すなわち,高慢,嫉妬,憤怒,怠惰,貪欲,暴食,色欲の罪が贖われなければならない.

煉獄山は円いピラミッドような階段状になっており,山を取り巻く7つの環道において7つの罪が贖われる.煉獄山の麓にある入口,天使が守るペテロの門をくぐると,第一の環道がある.ここでは,生前に高慢であった亡者たちが重い石を背負って贖罪している.そこから狭い階段を登ると,第二の環道があり,嫉妬と羨望に身を焦がした亡者たちが針金でまぶたを縫われ,盲人のようになっている.このようにして,険しい山道を一段一段,煉獄山の高みへと登っていくと,第七の環道では,不純な色欲に溺れた亡者たちが業火に焼かれつつ改悛し,身を清めている.

そこへ天使が現れ,ダンテたちは業火の中を進むようにと命じられる.怖じ気づくダンテをウェルギリウスが励まし,スタティウスと共に3人は炎の中へと進む.業火の先,最後の石段をあがった煉獄山の頂上にあるのは地上楽園,かつてアダムとエバが追放されたエデンの園である.ここで,ダンテは愛する淑女ベアトリーチェに会う.そしてこの楽園で,いつの間にか,ウェルギリウスの姿が見えなくなる.彼は天国へは行くことが許されていないから.

訳註がなければ意味不明のままとなるところも多いが,地獄編34歌に続き,煉獄33歌も大変興味深く読めた.残すは天国篇33歌だ.

目次

  • 第一歌から第三十三歌まで
  • 解説: ダンテと美術
  • 解説: ダンテとともに険峻を登る

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