12月 142009
 

最適飲み会から帰った後,酔っぱらいながら書いたのが,昨日の「最適研究会+最適飲み会: 文字通り最高の講演会と懇親会.京大PSE研の凄さを感じさせてくれた.」だ.読み返してみると,折角の最適研究会について少ししか書けていないので,ここで補足しておこう.

想いを活かす仕事とは?

辻君(株式会社アクセル)の講演.新卒でJPモルガンに就職してからは,エクイティデリバティブ商品を開発する業務に従事.金融商品に関する知識を持たない参加者がほとんどなので,非常に平易に説明してもらった.要するに,金持ちにリスクを取らせるのが会社の商売であり,そのための商品開発が彼の仕事だったというわけだ.リーマンショック後,彼1人だけを残してグループ全員が解雇,他のグループと統合,その後,香港への業務集約のために,彼も退職勧告を受けた.不況のどん底で,就職活動をする羽目になったわけだ.金融やコンサルティング業界を中心に,いくつかの企業から内定をもらい,最終的に現在のアクセルに転職を決めた.

元々,化学工学専攻出身でありながら,外資金融に就職しようとしたのは,日本のメーカーに比べて,Chanceがあると見込んだからだ.工学系学生が金融業やコンサルティング業に就職することを否定する人達は多いが,1)そこで働いている人達の方が魅力的です,2)そこの待遇の方が遙かに魅力的です,という2つの主張に打ち勝つだけの魅力を提示できないなら,否定しても仕方がないだろう.よく2)だけを取り上げて,仕事は金だけじゃないという人がいるが,そんなことは当然分かっているわけで,問題は1)である.まあ,これは私の考えなので,話を講演に戻そう.

社会企業家との出会い

希望に胸をふくらませての新卒就職から退職勧告に至るまで,外資系金融会社において様々な経験をし,そして転職しなければならない状況になった彼の指針は,「Chance! Challenge! Change!」であったという.「自らチャンスを見つけ出し,チャレンジして,自分と周囲を変える!」ということだ.確かに外資金融はChanceに恵まれているようだ.しかし,Changeに目を向けたとき,世界を良い方向へ変えたいという想いを実現する場ではないように思われる.

この「世界を良い方向へ変えたい」という想いがどこから生まれてきたのか.辻君は一冊の本との出会いを紹介してくれた.その本とは,「“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事」(小暮真久)だ.著者は,テーブル・フォー・ツー(TFT)というNPO法人を立ち上げたマッキンゼー出身の社会企業家で,TFTでは,社員食堂でカロリーを抑えた食事を提供し,その食事代の一部(20円:開発途上国の1食分に相当)をアフリカの学校給食支援に充てるという運動を展開している.この仕事のやり方に感銘を受けたというわけだ.実際,小暮氏に連絡して,会って話をさせてもらったという.この行動力を学生達にも見習って欲しい.

日本を背負っているくらいの想いで仕事をしろ

このような新しい視点を得て,転職先に選んだのが,コンサルティング会社であるアクセルだ.「知的資本経営は社会を変える」という信念のもと,「知的資本経営の価値を説き,共に実践することで,知識社会への変革をリードする」を経営理念とする.職場ではいつも上司から,「日本を背負っているくらいの想いで仕事をしろ!」といわれているそうだ.あなたの上司はいつもなんと言っているだろう?

講演の締め括りに辻君が持ってきたのは,森鴎外だ.「舞姫」などで文人としてよく知られているが,軍医として,陸軍省医務局長(人事権をもつ軍医のトップ)まで務めた人物である.

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