12月 292010
 

今年も残すところあとわずか.年内に大学に行くのも今日で最後にするつもり.

ブログを書くのも今日で最後かもしれない.いや,今読んでいる本についてはメモしておくかも.ともかく,何を話題にしようかと考えて,サンタクロースに決めた.

クリスマスイブの夜,家族みんなで,バースデイケーキとクリスマスケーキを兼ねたケーキを1つずつ食べた.栗のモンブラン,キャラメルのモンブラン,苺のモンブラン,フルーツ・タルト.

その後で,長男7歳と長女5歳がサンタさんに手紙を書くと言い出し,結構長い手紙を書いた.いつもプレゼントを持ってきてくれてありがとうという感謝と,プレゼントに何が欲しいというお願いと,お礼にアメをあげますというメッセージが書いてあった.

昨年までは,サンタクロースは子供たちの枕元にプレゼントを置いてくれていたのだが,今年はなぜかオーナメントで飾り付けられたクリスマスツリーの下だった.もしかすると,子供たちが夜中に目を覚めしてしまうことがあるからかもしれない.

サンタクロースからのプレゼントは,長男には「レゴ クリエイター・ワニ」,長女には「リカちゃん・モスバーガーショップ」だった.いずれも子供たちが手紙に書いたものと一致している.サンタさんって凄いね.

クリスマスの朝,私が目を覚ますと,既に子供たちは起きていた.長男も長女も,「サンタさんが○○くれた!」と,プレゼントについて嬉嬉として解説してくれる.それに加えて,サンタさんからお手紙ももらったと.その手紙には,アメへのお礼も書いてあった.サンタさんって律儀だね.

お宅に来たサンタさんはどうでした?

12月 272010
 

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
モフセン・マフマルバフ(Mohsen Makhmalbaf)(著),武井みゆき(訳),渡部良子(訳),現代企画室,2001

印象的なタイトルだが,一体,何を恥じて石仏は崩れ落ちたのか?

それは,アフガニスタンに対する国際社会の無関心である.何百万もの人々が餓死の危機に瀕しているときに,国際社会は手をさしのべなかった.それどころか,911の後,食料の代わりに爆弾を彼らの頭上に降らせた.敵はタリバンとされたが,苦しんだのは一般の市民だった.

では,タリバンとは何者なのか.難民となってパキスタンへ逃れたアフガニスタンの人々は,飢えをしのぐために食べ物を与えてくれる神学校に惹きつけられた.そこでは,パキスタンの国益にそうかたちでアフガニスタンを支配するために,原理主義の下で人々が育成された.しかし,パキスタンも豊かな国ではない.膨大な数の難民を食べさせ,教育するための資金はどこから来たのか.それは,イランに対抗する宗教勢力を作りたい中東の産油国だとされる.

遠くから見れば,ターリバーンは,非合理的で危険な原理主義の潮流に見える.しかし近くからその一人一人を見れば,それは神学生であることを職業とし,空腹を満たすために学校へ行く飢えたパシュトゥン人の孤児であることがわかる.そして,ターリバーン出現の動機についてよく考えてみれば,そこにはパキスタンが持つさまざまな国益があることがわかる.

誰がタリバンをつくったのか.アフガニスタンの人々か.食料と安全を手に入れることだけを考えていた彼らに他に選択肢があったのか.バーミヤンの石仏が破壊されるまで,いや破壊されてからすら,彼らを無視し続けた国際社会が彼らを非難することができるのか.

ここに約2000万人の飢えた国民がいる.そのうち30%は飢餓と政情不安のために難民となり,10%は死に,あるいは殺され,残りの60%は餓死寸前の状況にある.(中略)飢えで動く体力もなく,戦うための武器も持たず,あの過酷な刑罰を恐れて犯罪を犯す勇気も残っていない.唯一の救済案は,そのままそこで死ぬことだ.それは,世界を覆い尽くしたこの人類の無関心の中で起こっている.私たちの時代は,「人類は互いが互いの一部」であったサアディーの時代ではない.

まだ心が石になっていなかった唯一の人は,あのバーミヤンの仏像だった.あれほどの威厳を持ちながら,この悲劇の壮絶さに自分の身の卑小さを感じ,恥じて崩れ落ちたのだ.仏陀の清貧と安寧の哲学は,パンを求める国民の前に恥じ入り,力つき,砕け散った.仏陀は世界に,このすべての貧困,無知,抑圧,大量死を伝えるために崩れ落ちた.しかし,怠惰な人類は,仏像が崩れたということしか耳に入らない.こんな中国の諺がある.「あなたが月を指差せば,愚か者はその指を見ている」

誰も,崩れ落ちた仏像が指さしていた,死に瀕している国民を見なかった.

著者のモフセン・マフマルバフ氏は作家・映画監督であり,その作品を通してアフガニスタンの現状を世界に伝えている.

世界で消費される麻薬の50%を生産しながら,その莫大な利益の1/800しか手にしていないアフガニスタン.各国政府も含め,国際麻薬市場のプレーヤーはその利益を維持するために,アフガニスタンを貧しく不安定な状態にとどめておきたいと考えているのではないか.そして,内戦を終わらせないために,麻薬で儲けた資金の一部で各部族に武器を供与しているのではないか.そんな指摘もなされている.

いかに我々が浅薄な知識しか持っていないか,マスコミの報道が偏向しているか,など考えさせられる.

目次

  • 神にさえ見放されたアフガニスタン
  • アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
  • アフガニスタンからの客人の追放に反対する
12月 242010
 

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
カーマイン・ガロ(著),井口耕二(訳),日経BP社,2010

プレゼンテーションをうまくなりたいなら,つべこべ言わずに,本書「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読め!

本書で著者は,アップルのファンを熱狂させるのみならず,プレゼンの手本として絶賛されるスティーブ・ジョブズのプレゼンを分析し,その成功の秘訣をわかりやすく解説してくれている.ここで推奨されているプレゼンと自分のプレゼンを比較すれば,何が問題かを認識できるはずだ.

実際,プレゼンは上手い方だと身勝手に信じている私も,本書から得るものは多かった.そのせいで,先日開催した「最適会2010=最適研究会+最適飲み会」の講演に先立ち,スライドをすべて書き換えたほどだ.

実は,ここが重要なところだ.私はスライドをすべて書き換えた.寝る間を惜しんで書き換えた.元のまま放っておけば楽できるのにもかかわらず.本を読むだけの人と,実際に行動してみる人の差は決して小さくない.本書「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読めと書いたが,読んでも実践しなければ身に付かない.本当にプレゼンテーションをうまくなりたいなら,実践することを忘れてはならない.

本書で強調されている点は次の3点だ.

  • 第1に,プレゼンで伝えようとするモノに情熱を持つこと.
  • 第2に,聞き手が興味あることを,わかるように伝えること.
  • 第3に,練習し,練習し,そして練習すること.

スティーブ・ジョブズのカリスマ性は,世界を変えたいという彼の情熱に根差している.彼の講演が人々を熱狂させるのも,彼の情熱がプレゼンに魂を吹き込むからだ.情熱を持って語るべきモノがないのに,プレゼンのテクニックだけを身に付けても,大した意味はない.もし情熱を持って語るべきモノを持っていないなら,プレゼン本を読むより,人生を賭けて取り組めるモノを探した方がいい.

悪いプレゼンは,講演者の独り善がりになっている.自分が語りたいことを語っている.それでは魅力あるプレゼンにはならない.大切なのは,聞き手を動かすことだ.そのためには,聞き手が知りたいことを教えてあげなければならない.スティーブ・ジョブズは,アップルの製品がユーザの生活をどう変えるか,世界をどう変えるかを語る.しかも,難解な言葉や専門用語は使わない.磨きに磨き抜かれた言葉,誰にもわかる言葉で,なぜその製品を持つべきなのかを伝える.だから,聞き手はどうしても欲しくなる.

箇条書きは使わない.文字はできるだけ使わず,写真やイラストを使う.動画も活用するが,時間は短くする.台本の棒読みはしない.3点ルールを守る(この記事でも実践している).等々,実に多くのアドバイスが本書には書かれているが,決定的に重要なのは,練習することだ.著者は,スティーブ・ジョブズがどれだけ講演の準備に時間をかけているか,練習にどれだけ真剣に取り組んでいるかを繰り返し強調している.その上で,練習すれば,スティーブ・ジョブズのようなプレゼンテーションができるようになると激励している.

最後に,もう1つ.

先日,「最適会2010=最適研究会+最適飲み会のまとめ」にも書いたが,上手にプレゼンできるようになるために,現時点で私が強く推奨する本(プロセスシステム工学研究室課題図書)が3冊ある.多くの招待講演をこなし,色々なプレゼン書籍を読んできた私が厳選した本だから,プレゼン能力を高めたいあなたの役に立つと思う.

目次

第1幕 ストーリーを作る

  • シーン1 構想はアナログでまとめる
  • シーン2 一番大切な問いに答える
  • シーン3 救世主的な目的意識を持つ
  • シーン4 ツイッターのようなヘッドラインを作る
  • シーン5 ロードマップを描く
  • シーン6 敵役を導入する
  • シーン7 正義の味方を登場させる
  • 幕間−その1 10分ルール

第2幕 体験を提供する

  • シーン8 禅の心で伝える
  • シーン9 数字をドレスアップする
  • シーン10 「びっくりするほどキレがいい」言葉をつかう
  • シーン11 ステージを共有する
  • シーン12 小道具を上手に使う
  • シーン13 「うっそー!」な瞬間を演出する
  • 幕間−その2 第一人者から学んだシラー

第3幕 仕上げと練習を行う

  • シーン14 存在感の出し方を身につける
  • シーン15 簡単そうに見せる
  • シーン16 目的にあった服装をする
  • シーン17 台本を捨てる
  • シーン18 楽しむ

アンコール 最後にもうひとつ

今日はクリスマスイブ.私の誕生日でもある.これから家族でケーキを食べよう!

12月 232010
 

標題の通り.

先週末の夕方,「草喰 なかひがし」で食事をしました.7時過ぎに到着すると,既にカウンターは満席.それもそのはず.予約が取れない店ですから.今回は,鉄鋼会社でバリバリ働いている研究室の後輩が,苦労して予約してくれました.電話予約の難しさはプレミアムチケット並のようです.女将さんが「予約取りにくかったでしょう.すみません」と最初に言われるくらいに.

4人だったので,2階の座敷へ.ゆったりとしていて,くつろげます.まずはビールを注文.

最初に出てくる八寸から,食べたことのない珍しいものが満載でした.一品一品,丁寧に説明してもらえるので,興味津々に聞きました.料理は非常に美味しく,からすみもこんなに美味しかったかなと思うほど.

品数は結構多くて,見た目も味も存分に楽しませてもらえます.途中で少しだけ登場した炊きたてのご飯も美味しかったです.唯一苦手だったのが,辛み大根.辛いのは苦手なので...

しばらくすると,「今日は,お仕事のお話をするために来られましたか.それとも,料理を味わいに来られましたか」と女将さんに尋ねられました.「料理を食べに来ました」と答えると,「少ししたら下があきますから,そちらへどうぞ.カウンターで食べていただいた方が楽しんでいただけます」とのこと.次の一品を座敷で食べた後,1階のカウンター席へ.

とりあえず冷酒を頼み,ご主人が焼いてくれためざしをいただいていると,再び炊きたてのご飯が.ご主人が「アルデンテです」というご飯は,まさにアルデンテ.米を食べているという実感が湧きます.

冷酒を飲みつつ,ご主人が焼いてくれた二尾目のめざしを食べていると,ご主人が「フランスのおこげはいかがですか」.???となっていると,「パリパリのおこげです」.なるほど.「もちろん,いただきます」.こんな感じで,食材の話や世間話も交えながら,食事を楽しませてくれます.

食事も最後の方になり,「卵かけご飯はいかがですか」とご主人.こういう料理屋で卵かけご飯を食べたことはないが,「もちろん,いただきます」.先程の炊きたてご飯に薬味を載せて,その上に乾燥醤油.フリーズドドライ製法で作っているそうで,これも珍しい.ご飯を数回お代わりして,ご馳走様.

ずーーっと行ってみたいと思っていた「草喰 なかひがし」を満喫しました.

店では次回の予約をすることもできますが,聞いてみると,座席数を限っていることもあって4月なら少し空きがありますとのこと.恐るべし.

草喰 なかひがし@京都
草喰 なかひがし@京都

草喰 なかひがし 京料理 / 元田中駅茶山駅出町柳駅

夜総合点★★★★★ 5.0

12月 222010
 

先日開催した「最適会2010=最適研究会+最適飲み会」において,「社会で活躍する人材とは? 〜リーダー育成の現場から〜」という題目で講演してくれた中井君(株式会社グロービス)から,講演で紹介のあった情報源や書籍に関する連絡があった.この情報を,京都大学プロセスシステム工学研究室だけに留めておくのも勿体ないので,ここにメモしておこう.以下,中井君からのメールより改編.

産業界の動向を把握するための情報源

まず,ウォッチしておきたいのは,下記のような経済産業省が発信しているものです.いくつかあるので,経済産業省のウェブサイトをご覧ください.

  • 日本の産業の現状と課題
  • 産業構造ビジョン2010
  • 新成長戦略

講座・コラム・インタビューなど情報満載

もう一つ,是非ご覧いただきたいのが,GLOBIS.JPという弊社が発信しているサイトです.特に,いろんな方の講演はお薦めです.

厳選された書籍5冊

最後に,推薦した書籍ですが,当日は25冊ほど挙げていましたが,さらに絞って5冊ご案内しておきます.

  • 『ビジョナリー・カンパニー? 』(ジェームズ・C. コリンズ)
  • 『経営を見る眼』(伊丹 敬之)
  • 『イノベーションのジレンマ』 (クレイトン・クリステンセン)
  • 『日本のもの造り哲学』 (藤本 隆宏)
  • 『修身教授録』(森信三)

他のも教えて!とかこんな分野でいい本ない?とかあれば,周囲の者にも聞いて,ご連絡しますので,遠慮なくご連絡ください.社員も外部の講師もやたら本を読んでいる会社なので,何を読めばいいかはお薦めできると思います.

企業に焦点をあてた書籍の中にあって,おぉー,「修身教授録」が選ばれたか,と感心する.「修身」と言ってもピンと来ない学生が多いのかもしれないが,「修身教授録」は一読を勧めたい.実際,「大学新入生へ: 受講生に宛てた本気モードでのメッセージ」で一回生に推奨している.

12月 202010
 

12月18日(土)に,京都大学プロセスシステム工学研究室の有志同窓会組織であるがアルムナイ7ネットワークが主催する「最適会2010=最適研究会+最適飲み会」を開催しました.今回も中身の濃い講演会と懇親会だったので,至極簡単にですが,まとめておきます.

10分でわかるPSE研究最前線

最初に,修士課程2年の学生3名(うち2名は博士課程進学予定)が,それぞれの研究について熱く語ってくれました.発表の持ち時間は10分のみ.その短い時間に,自分が目指しているものを卒業生に伝えなければなりません.当然ながら,些末なことを説明している時間はありません.解くべき問題は何か,その問題を解決できると社会がどう変わるのか,その重要な問題をどうやって解こうとしているのか,などがポイントです.

中でも重要なのが,自分の研究が社会に与える影響を魅力的に語れることです.マニアックな研究者が聴衆ではないのですから,これができないなら,誰も興味を持ちません.

学生3名の講演は下記.

  • データ解析が医薬品業界に革命をもたらす!そして人生にも!?
    金君(京大PSE研)
  • 真に必要とされる異常検出システム構築を目指して
    坂田君(京大PSE研)
  • Data-Based Fault Diagnosis of Power Cable System: Comparative Study of k-NN, ANN, Random Forest, and Boosted CART
    Ahmad君(京大PSE研)

テレビニュースの動画が登場するなど,実によく準備された講演になっており,楽しませてくれました.

参考までに,プレゼンテーション能力を高めるために学生に読むことを強く推奨している本(プロセスシステム工学研究室課題図書)を3冊,紹介しておきます.

これまで私が読んだ本の中から厳選した3冊ですので,好みの問題はありますが,読めばプレゼンテーション能力を高めるのに役立つでしょう.この3冊は,それぞれ全く異なる視点から書かれているので,重複もあまりありません.お勧めです.

講演: あなたがこれまでリーダーシップを発揮した経験を教えてください

冨成君(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社)

今年は1年の1/3程度を海外で過ごしたという冨成君の講演.P&Gのベビーケア製品の製造に関してアジア全体を統括する立場にあり,市場の成長が著しい中国や東南アジアに滞在することが多いそうだ.当然,日本人とは比較にならないほど自己主張の激しい外国人を束ねて,プロジェクトを進める能力が求められる.そもそも,P&Gは技術職ではなくマネージャー職として採用しており,入社試験のときから,リーダーシップについて徹底的に審査されている.

講演では,P&Gにおけるリーダーシップの捉え方についても紹介してもらった.例えば,GROWモデル.GROWとはGoal,Reality,Options,Willの4ステップであり,まず目標を定め(Goal),現状を把握し(Reality),選択肢を挙げて(Options),意志を持って取り組む(Will).当たり前のことではあるが,これを当たり前のようにできる人は多くない.だからこそ重要なわけだ.

さらに,リーダーシップの3E.これは,Envision,Energize,Enableとのこと.Vision,Needs,Capabilityが重なり合うところを見極めないといけないとの指摘もあった.

研究室の学生が聞いていることもあり,冨成君が就職活動に励む京大生を観察して感じていることとして,リーダーシップについて考えていない,あるいは考え出すのが遅いということを指摘してくれた.まあ,言われたことだけをやるという悪習が身に染みついてしまっているから,これを打破するのは容易ではない.それでも,京都大学を卒業できるほどの人材には,リーダーとして活躍することが期待されているので,自覚してもらいたい.

研究紹介: 半導体・製薬・化学・鉄鋼産業における品質実現力強化 〜産業界に共通する課題とその解決に向けた取り組み〜

加納(京大PSE研)

卒業生に研究室の研究動向を伝えるという目的で,私からは,データ解析グループが取り組んでいる研究について紹介させてもらった.

講演: 社会で活躍する人材とは? 〜リーダー育成の現場から〜

中井君(株式会社グロービス)

凸版印刷,日本オプネクストを経て,現在,グロービスでコンサルティング(人材育成)業務に携わっている中井君の講演.彼が製造業からコンサルティング(人材育成)へと転身したのは,製造業の現場において,組織の成果はリーダー・マネージャー次第であることを痛感したためだ.人材の育成に関わる仕事がしたいという想いでグロービスに入社した中井君からは,グロービスのヒト・カネ・チエを結びつけるという方針や人材育成事業について紹介があった.

リーダー育成については,リーダーの資質を行動,能力,意識の3つにわけて,表面に現れる行動は,その下に隠れた能力と意識の反映であるとする氷山モデルなどについて説明があった.また,リーダーに必要なものは何かと問い,リーダーシップも必要だが,リーダーシップを支える基盤として,世界観,歴史観,人生観,倫理観,使命観が必要であるとも語ってくれた.これらは,彼が様々な企業のトップマネジメントと面談をする中で強く感じていることだという.トップマネジメントは,特に人材育成に熱心なトップマネジメントであるほど,人間性(全人格)を高めることを部下に求めているのだという.その上で,数多くの書籍を紹介してくれた.学生にも卒業生にも是非読んで欲しいと思う.その前に自分が読まないといけないが...

最適飲み会

最適研究会の後は,京都大学桂キャンパスから四条河原町界隈に場所を移して,最適飲み会を開催した.参加者は40名ほどだったか.多くの卒業生が駆け付けてくれて,実に楽しい懇親会だった.学生にとっても,無茶苦茶,素晴らしい機会となったことだろう.

御礼

今年も,最適会=最適研究会+最適飲み会に,多くの卒業生が遠くからも来てくれて,本当に有り難く思っています.こういう会を持てるのは幸せです.ありがとうございました.

12月 172010
 

先日書いたように,IFAC MMM 2012(IFAC Workshop on Automation in the Mining, Mineral and Metal Industries)という国際会議のウェブサイトを担当することになった.やる気のあるうちに徹底的にやっておかないとダメだと思い,ここ数日,寝る間も惜しんでウェブサイトを構築した.

その成果が,これだ.

jQueryで装飾したIFAC MMM 2012ウェブサイト
jQueryで装飾したIFAC MMM 2012ウェブサイト

はじめて,jQueryを含むJavaScriptを使ったが,CSSを知っていれば,jQueryはわかりやすい.しかも,jQuery Pluginなら,やりたいことがアッという間にできる.なんとも便利な道具だ.素晴らしい.

作成者の方々に感謝しつつ,使用したjQuery Pluginをまとめておく.

jQuery lightBox plugin

モーダルウィンドウを実現できる,超有名なJavaScriptライブラリーであるlightBoxのjQueryプラグインがこれ.会議開催地である岐阜の写真(岐阜市から提供)を並べたフォトギャラリーで使用した.

Interface elements for jQuery

アコーディオン,モーダルウィンドウ,カルーセルなど,実に多くの機能を搭載したjQueryプラグインがこれ.IFAC MMM 2012のウェブサイトでは,フィッシュアイUIメニュー(fisheye)を使用した.上記の画像でもわかるように,Mac OS XのDock風なユーザインタフェースがつくれる.

jQuery Corner plugin

ブロック要素(divなど)の角を丸めるなど,様々に装飾できるjQueryプラグインがこれ.CSSでボックスの角を丸める場合,専用の画像を用意するのが普通だが,このプラグインを使えば,そんな面倒なことはしなくてよい.

12月 152010
 

安ければ、それでいいのか!?
山下惣一(編著),コモンズ,2001

本書「安ければ、それでいいのか!?」を読む前から,私の答えは決まっている.「いいわけがないだろ!!」だ.

そして,本書を読んで,さらに私の答えは強化された.やはり,いいわけがない.安さを手に入れるために,我々が何を犠牲にしているのかを本書は教えてくれる.外食するにしても,スーパーで食材を買うにしても,いつも安いモノばかり買っている人は,要するに,自分の命(健康)と引き替えに安さを手に入れているわけだ.

敢えて,それが悪いとは言わないでおこう.それも1つの選択だ.人間なのだから,人様の権利を侵害しない限り,自分の判断で選択する自由は与えられている.しかし,そういう安物買いな人々のせいで,まともな食材が望んでも手に入らなくなるとしたら,これは放置できない問題だ.このような視点を本書は与えてくれる.

このブログでも時折触れているが,私はジャンクフードが大嫌いだ.時々,おもちゃが欲しい子供とマクドナルドに行き,おまけに付いてくるハンバーガーを口にしてみることもあるが,正直に言って,まずい.もちろん,美味しいか美味しくないかは個人の好みなので,あのハンバーガーを美味しいという人もいるだろう.食べ物を不味いと言うなんて,お天道様に顔向けできないというものだ.

しかし,本書でも,まず槍玉に挙げられるのは,マクドナルドのハンバーガーだ.健康によいと思って食べている人はいないだろうが,事実を本書で確認しておこう.

EUは報告書を公表した99年,アメリカ産牛肉の禁輸を続ける一方で,オーストラリアに成長ホルモン剤を使わない牛肉の生産と分別流通を求めた.オーストラリアはこれに応じて,成長ホルモン剤不使用の農場認定制度を発足.”ナチュラルミート”として政府が保証する体制を整えた.マックより高いモスのハンバーガーは,このナチュラルミートをパティに使用している.しかも,乳用種ではなく,アンガス種とヘレフォード種という肉用種のオス牛の肉だけを使い,経産牛は使わない.なるほど高いだけの理由がある.(注:マクドナルドは最も安くて美味しくない経産牛の肉を使用している.もちろん,ナチュラルミートではない.)

フライドポテト原料となるアメリカ産冷凍ポテトにも,発芽を抑制する薬剤クロルプロファムがポストハーベスト農薬として使用されている.日本国内でも除草剤として認められている薬剤だが,そのイモ類の登録保留基準(環境省が定めた残留農薬許容基準)は0.05ppmだ.ところが,92年に設定された輸入ジャガイモの残留基準は,この1000倍にあたる50ppm,いったい,以前の基準の科学的根拠はどうなってしまったのか.

見た目は同じようでも,輸入野菜は収穫から日数が経っているのだから,明らかに劣化しています.有名チェーンのハンバーガーに使われているレタスがいい例です.くん蒸すると葉が溶けたようになってしまうので,くん蒸を受けずにすむカット野菜に加工して入ってきていますが,あれはもう野菜ではありません.栄養分も何もない化石ですよ.(注:大阪丸促青果の和中社長の言葉)

国が定めた以上の安全基準はあくまで付加価値であって,その付加価値を徹底的にそぎ落とし,低価格を実現したのがマックのハンバーガーなのだ.これは,マックに限った話ではなく,外食チェーンの大半が,多かれ少なかれ同じような体制を敷いている.マックは,その体制を極めればこうなるという象徴ともいえる.

日本人はどうしてハンバーガーを食べるようになったのか.マクドナルドの藤田社長が構想した「米と魚を食べてきた2000年来の日本人の食習慣を,20年後に成人となる子供たちにターゲットをしぼることで変革できるという”長期大戦略”」に見事に嵌められてしまったからだと言える.藤田社長の金儲けは大成功した.彼とその会社が日本の社会に凄まじい影響を与えたことは確かだが,果たして貢献したと言えるのだろうか.むしろ,負の影響の方が大きくはないか.藤田社長はこう言い放っている.

「農民もコメを作りに諸外国へ出ていけばよいのだ.そうしたら後継者年間1800人の農民の未来はハッピーではないか」

そんなことになったら,日本の国土はどうなるんだ?

農業を営む山下惣一氏は主張する.

私たちが農業をやる目的は,ふるさと,墳墓の地で豊かに元気に暮らすことであり,農業はその手段のひとつであって,決して目的ではない.

日本人のために労多くして益少ない農業を続けて,安く安定的に食料を供給してくれる奇特な農民は,世界中にたったの一人もいない.結局のところ,身近な農業を守り,支えて,近いところで食料を生産することこそ,環境の悪化を防ぎ,それぞれが安心して生きられる究極の食料安全保障だという真実を,いずれ日本人は知ることになるだろう.地産地消,身土不二が基本である.

何を買うか買わないか,何を食べるか食べないかは,どういう社会を支持するかしないかの,信任の投票行為なのである.日本の農業は潰れることはあっても,外国へ逃げ出すことはない.そういう意味では未来永劫に国民生活の基礎といえる.消費者の理解と協力があれば,日本の零細な農家こそが時代の変革の核となり得ると私は確信している.人にそれぞれ価値があるように,モノにもまっとうな値段というものがあるし,なくてはいけないのだ.

本書のタイトル「安ければ、それでいいのか!?」や上述の「モノにもまっとうな値段というものがあるし,なくてはいけないのだ」という言葉は,山下氏の体験に基づいている.その体験について,山下氏はこう書いている.

子どもたちがまだ小学生だったころの話だ.長男の担任の教師が「農作業を子どもたちに手伝わせてください」としきりにすすめる.(中略)当時PTAの役員だったこともあり,実践してみた.冬の寒い日,川でダイコン洗いをいっしょにやったのである.長男と下二人の娘たちは,小さな手をまっ赤にして懸命に洗った.代償は軽トラック1台分の売上げの半分.ところが,青果市場へ出したら,軽トラック1台全部で300円.8%の手数料を差し引かれて,手取りは276円だった.「ね,どうだった?」と目を輝かせて問いかける子どもたちに,答えることができなかった.あの屈辱とせつなさは,いまも忘れられない.以来,私は青果市場に出さなければならないほどには作らない方向を目指すようになる.

「ファストフードが世界を食いつくす」の著者エリック・シュローサーも言っている.「われわれは誰ひとり,ファストフードを買うことを強制されてはいない.意味ある変革への第一歩は,あまりにたやすい.ただ買うのをやめればいいのだ.」

その通り.だから私はできるだけファーストフード店に行かないし,素性の知れない輸入野菜は買わない.もちろん,高くつく.しかし,それで守らなければならないものがある.

日々の生活にも苦しく,安いものしか買えない人はどうすればいいのかという反論もあるだろう.しかし,だからこそ,言っているのだ.金持ち優遇&弱肉強食で自己責任を押し付けあう社会を日本国民が多数決で自発的に選択したのだから,貧乏人がますます貧乏になるのもやむを得ない.けしかけたマスコミが今更それに異を唱えるのは節操がないにもほどがあるし,少子化に歯止めがかからず,政治も相変わらずであれば,国力の衰退も避けられない.そうなれば,薬まみれの野菜や肉を高い値段で輸入することにもなりかねない.安全で美味しい食材の安定供給を実現するためには,やはり,国内の農業が基盤となるのではないか.その基盤を破壊し尽くしてからでは取り返しがつかなくなる.だから,今,行動しないといけない.選挙にすら行かないような大衆に語ってもムダか?

今は輸入野菜が安いとしても,将来の安定供給が保証されているわけではない.食品流通構造改善促進機構の白石氏は指摘する.

「現地の賃金はいまは確かに低いですが,あっという間に上がってきます.ということは,開発輸入で利益を得られるのは,当事国が発展途上で一時的なコストギャップが生じている期間に限られるわけです.価格が安いことが消費者の利益になると言いますが,食料の安定供給につながらないだけでなく,国内農業の発展の芽を摘み取ってしまいかねないのですから,むしろ消費者の利益を害するといったほうがよいでしょう」

ここで開発輸入という仕組みについて言及されているが,これを知らずして輸入野菜は語れない.開発輸入とは,要するに,日本の農産物の種子と技術を海外に移転して,労働力の安さで価格を下げる輸入方法だ.まあ,農産物のユニクロ版だと思えばいい.日本国内の農業に壊滅的なダメージを与えている輸入野菜も,外国の農民が率先して耕作して輸出したわけではない.開発輸入によって,日本の輸入業者が儲けようとしたのだ.白石氏は言う.

「現地に持ち込まれている野菜の品種や栽培方法は,日本の農業関係者が長年にわたって培ってきた努力の賜物です.そうした膨大な先行投資を何ら負担しない開発輸入は,ただ乗り以外の何ものでもない」

本書「安ければ、それでいいのか!?」には,物騒な中国の野菜についても色々と書かれている.例えば,椎茸.

中国産のシイタケは腐らないという気味の悪い結果が出た,というのだ.(中略)シイタケ菌の殺菌にホルムアルデヒドを使うなどということは,日本では常識としてありえなかった.いわば,こちらの盲点をつく形で10年以上にわたって,高濃度に汚染された中国産シイタケが国内に流通してしまったのである.このほか,(中略)国産ではほとんど検出されない重金属が高い濃度で検出された.(中略)つまり,中国の産地で使用禁止のものも含めて大量に農薬を投入するような無茶苦茶な栽培で野菜を生産していても,ほぼノーチェックで日本の国内市場に出回ってしまうというわけだ.中国野菜は確かに激安だが,安さばかりに目を奪われていると,とんでもない危ない代物を食わされるハメになりかねないことを忘れてはならない.

こんな不気味な代物は買わないという選択も,我々にはできるわけだ.

さらに本書「安ければ、それでいいのか!?」には,何でも安く買おうとする我々の欲望を満たすために,見えない(見たくない?)ところで何が起こっているかについても書かれている.

95年に労働省が摘発した工場の悲惨さは,第三世界にまさるとも劣らぬものだった.たとえばロサンゼルス郊外の工場では,60余名のタイ移民女性労働者が監禁され,1週7日,ときには1日20時間も働かされていた.時給はわずか70セント,脱走者には暴力とレイプが加えられたという.その製品は大手百貨店や通信販売を通じて,高級ブランドとして販売されていた.

昨今はフェアトレードなども盛んになってきたが,ここにも我々にできる選択がある.

もちろん,本書に書かれているのは,悪いことばかりではない.安全で美味しい食材を提供するばかりでなく,環境に負荷をかけない取り組みを実践している加持養鰻の例も紹介されている.良いものを適正な価格で買うという選択も,我々にはできるわけだ.

何ごとも自分次第だ.

目次

  • 六五円ハンバーガーの裏
  • 牛丼戦争の実態
  • 激増する輸入野菜は安全か
  • ウナギもワカメも中国産
  • 安さの陰にひそむ矛盾―自由貿易が食と農を破壊する
  • 食べものには、まっとうな値段がある
12月 132010
 

2012年9月に岐阜県の長良川国際会議場でIFAC MMM 2012という国際会議が開催される.IFAC Workshop on Automation in the Mining, Mineral and Metal Industriesというのが正式名称で,鉱業や金属工業におけるオートメーションを対象とした,国際自動制御連盟(IFAC)傘下の会議だ.

なぜか,日本では鉱業や非鉄金属工業の分野からの参加が少なく,鉄鋼業が主体となっている.今回は日本での開催ということで,日本鉄鋼協会が共催となり,日本鉄鋼協会に縁や柵(しがらみ)がある人達が国際プログラム委員会(IPC)や国内組織委員会(NOC)の委員として参画している.

いつの間にか私もそんな一員になっており,国内組織委員会(NOC)の委員として,IFAC MMM 2012のウェブサイト担当に任ぜられた.京都大学教員としての公式ウェブサイトのみならず,ブログをはじめ,様々なウェブサイトを構築しているため,あいつに任せておけということになったらしい.

ウェブサイトの構築には,それなりのスキルと道具が必要だ.これまで,無理矢理Windows 7 64bitを搭載したSONY VAIO ZにAdobe Creative Suite 3 (CS3)をインストールして使ってきたが,国際会議のウェブサイト構築を引き受けたこの機会に,Adobe Creative Suite 5 (CS5) Master Collectionを導入した.全くゴージャスなソフトウェアだが,学生・教員個人版だと安く購入できる.

ウェブサイトを構築するにあたっての最大の問題は,サイト全体のデザインをどうするかだ.インターネットを徘徊して様々なサイトを見学しつつ,どんな雰囲気やレイアウトにしようかと考える.さらに,ロゴも考えないといけない.個人のサイトなら好き勝手にやればいのだが,国際会議のウェブサイトともなると,日本チームの威信にかかわるので,みすぼらしいサイトにはできない.

そんなこんなで2週間ほど悩んだ末に,本日,意を決して作業に取りかかった.デザインさえ決めてしまえば,作業自体は大したことはない.実働4時間くらいだっただろう.夕方,IFAC MMM 2012のウェブサイトが完成した.

現時点では,シンプルかつ静的なサイトにしてある.これから,jQueryで動的なサイトにするつもりだ.問題は時間があるかだが...

12月 122010
 

日曜日の昼,長男7歳と長女5歳は楽しみにしていたクリスマス会に出掛けるというので,彼女と二人でランチへ.二人で食事をするのは凄く久しぶり.

子供の送迎もあるので,自宅から遠くないところで,彼女が行きたいというフランス料理店RACINE(ラシーヌ)にした.上七軒がおわる北野天満宮東門前の交差点に,2009年夏にオープンした小さなフランス料理店なのだが,奥様集団の評判が非常に高い.予約を取るのも難しいそうで,実際,今日のランチも予約のみで満席だった.

店は夫婦で切り盛りされていて,カウンター4席とテーブル6席の計10席.12時前にお店に行くと,一番乗りだった.ランチメニューは,Menu A(1050円),Menu B(2100円),おまかせコース(3500円)の3種類.彼女が昨夜に友人と食べ過ぎたということなので,Menu Bを選んだ.オードブル,メインディッシュ,デザートを3種類の中から選ぶプリフィクスだ.その他に,スープ,パン,ドリンクがつく.

オードブルに選んだパテ,聖護院かぶらのスープ,メインディッシュに選んだ白身魚(鯛だったか?)のポワレ,自家製のパンとどれも美味しい.しかし,一番感激したのは,デザートに選んだクリームチーズのソルベといろんなベリーのソース.これは絶品.最後に紅茶をいただいて,ご馳走様.彼女はすべて別のものを選んだが,非常に美味しいと満足していた.

価格も良心的で,小さなお店であるが故に落ち着ける雰囲気で,サービスも行き届いており,気取らずに楽しめる素晴らしいフランス料理店だ.一度,ディナーでも利用してみたい.

RACINE フレンチ / 北野白梅町駅

昼総合点★★★★ 4.0