2月 022010
 

アルケミスト
パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho),山川紘矢(訳),山川亜希子(訳),角川書店,2001

これまた,先に読んだ「輪廻転生を信じると人生が変わる」(山川紘矢,ダイヤモンド社)で推薦されていた本だ.世界で1000万部を超える大ベストセラーらしい.

スペインのアンダルシアの平原で羊飼いをしていた少年サンチャゴは,彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて,独り,エジプトのピラミッドを目指す.その冒険あるいは旅の物語が本書「アルケミスト」だ.サンチャゴの冒険において,ある錬金術師(アルケミスト)が重大な役割を演じる.彼は,大いなることばを知る人であり,サンチャゴの旅はそれらを知るための旅でもある.サンチャゴは旅を通して,すべては1つであることを,すべてが大いなる魂(神といってもいい)とつながっていることを学ぶ.

本書「アルケミスト」に書かれているのは,まさに精神世界の言葉であり,その種の本を読んだ人であれば,どこかに書かれていた言葉が次々と現れる.

何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる

泥棒に全財産を奪われるなど(傍目には)悲惨な状態になっても,サンチャゴを前進させ続けたのは,この真理だ.サンチャゴは前兆を大切にすることを学び,すべては必然であることを学び,過去や未来ではなく今を大切にすることを学び,自分の心を大切にすることを学び,自分が決心することの大切さを学ぶ.

旅路において彼は,砂漠のオアシスで,何気ない出来事から重要なメッセージを読み取る.この世の中はメッセージに溢れているが,我々はそれに気付かないだけなのかもしれない.読んでいて,好きな歌を思い出した.

小さい頃は 神さまがいて
不思議に夢を かなえてくれた
やさしい気持で 目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる 全てのことは メッセージ

小さい頃は 神さまがいて
毎日愛を 届けてくれた
心の奥に しまい忘れた
大切な箱 ひらくときは今

雨上がりの庭で くちなしの香りの
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる 全てのことは メッセージ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる 全てのことは メッセージ

そう,「魔女の宅急便」の主題歌にもなった荒井由実の「やさしさに包まれたなら」だ.その「魔女の宅急便」も含めて,宮崎駿監督の作品も好きだ.そこに託されたメッセージに共感するからだろうか.

さて,話がそれてしまったが,興味があれば是非,本書「アルケミスト」を読んでみて欲しい.ただの羊飼いの少年の冒険物語なのか,それとも何か深い真理を語っているのか.プロローグとエピローグも美しい.多くの人々を惹きつけるだけのことはあると思う.私が図書館で借りてきたのは,「愛蔵版」とかいうやつで,美しい挿絵が一杯あって,本も大きい.定価は文庫本の4倍だ.

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