3月 272010
 

オフブロードウェイ発の超有名ミュージカル「コーラスライン」.ずっと観てみたいと思いながら,なかなか機会がなかったが,劇団四季が京都公演を決めたので,本日予約した.先日ウィキッド(WICKED)を予約したときは,彼女と2人で40分ほどかかったが,今日は彼女が出掛けていたため,1人で携帯電話と自宅の電話で奮闘.30分ほどでつながった.観劇は6月.楽しみだ.

3月 272010
 

自助論―人生の師・人生の友・人生の書
サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles),竹内均(訳),三笠書房,2003

努力,努力,努力しろ! 決意しろ! 意志を持て! 礼儀正しく,人格を磨け!!

本書「自助論」を要約すると,こうなると思う.実際,体得している人には,これで十分だろう.本書は,明治時代に「学問のすすめ」(福澤諭吉)と並び称された大ベストセラーであるそうだ.当時のタイトルは「西国立志編」で,本書「自助論」はその現代語訳版ということになる.自己啓発本の古典であり,世界的ベストセラーとして知られているらしい.

前半は,とにかく「努力しろ!」の一点張り.努力に加えて強調されているのが,意志および決意の重要性だ.

どんな分野であれ,成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ.あくまで精一杯努力しようとする意志の力だ.

人間の意志というものは,方向などおかまいなくしゃにむに突き進んでいこうとする.したがって,意志に正しい目標を与え,適切な方向に舵をとるようにすることが肝心だ.肉欲や快楽の追求に向けられた意志はたちまち悪魔の本性を現し,知性はその卑しい奴隷となるだろう.だが逆に,善の追求に向けられた意志は名君と同じである.そこでは,知性が人間に最高の繁栄をもたらす家臣となるにちがいない.

強者と弱者の違い,偉人と取るに足りない人間との違いは,その人間が旺盛な活力と不屈の決意を持っているかどうかにかかっている.

(大英帝国下院議員ファウエル・バクストン)

後半になると,知識の話が登場する.

知識の価値とは,どれだけ貯えたかではなく,正しい目的のためにどれだけ活用できるかにある.

知識に関連して,読書についても言及されている.

単なる知識の所有は,知恵や理解力の体得とはまったくの別物だ.知恵や理解力は,読書よりもはるかに高度な訓練を通じてのみ得られる.一方,読書から知識を吸収するのは,他人の思想をうのみにするようなもので,自分の考えを積極的に発展させようとする姿勢とは大違いだ.

ショウペンハウエルも,その著作「読書について」において,「読書とは他人の考えた過程を辿る行為に過ぎず,多読する勤勉な人間は,次第に自分で考える力を失う」と言っている.

読書を自己啓発の手段と思いこんでいる人は多い.だが実際には,本を読んで時間つぶしをしているだけの話だ.

読書が時間つぶしとは,なかなか耳が痛い.しかし,本を読んで感激したところで,それが活かされなければ意味がないのも確かだ.考えながら読み,読んだことは身に付ける.これが大切だ.私がこうして読書のメモを残すのも,読むだけよりも書いた方が記憶に残るからだ.だからといって,身に付いているかと問われると心許ない.

中身を完全にマスターするまでは,その本を読破したなどと考えるな.

(大英帝国下院議員ファウエル・バクストン)

人間は,読書ではなく労働によって自己を完成させる.

その他,本書「自助論」に書かれている言葉のいくつかをメモしておこう.

真の教育の目的とは,他人の思想や考えをうのみにしたり頭に詰め込んだりすることではない.大切なのは知力を高め,有意義な人生を送れるよう務めることだ.そこでは,知識の量より知識を得る目的のほうがはるかに重要な問題である.われわれは,知恵を発達させ,人格を高め,より豊かで幸福で価値ある人生を送るために学ぶべきだ.

若い時代の不品行のいちばんの害は,健康を破壊することより,むしろ人間性をけがすことにある.道楽にふけった若者は,骨まで腐りきった大人になる.

若いころの利発さは,むしろ欠点にさえなりかねない.

国家の力,産業,文明−−これらの盛衰は国民1人1人の人間性にかかっているといえよう.

忍耐と努力こそがすぐれた人格形成に一番大切な要素である.

よい習慣を培えば,人格も立派にみがきあげられる.

「行動でも思考でも反復こそが力である」と確信していた詩人メタスターシオは,「人間においては習慣がすべてだ.美徳でさえも習慣にすぎない」とまで断言した.

自分の生き方を見直すのに大いに役立つ本であることは間違いない.

ベストセラーであり,かつ良書として知られる自己啓発書に共通しているのは,豊富な事例だ.本書「自助論」もそうであるし,「人を動かす」(デール・カーネギー,創元社)もそうだ.偉人伝を読むことが大切だとされることからも分かるとおり,抽象的に語られただけで理解し,実践できるほど人間は賢くはないのだろう.具体的な生き様を見せつけられることで,より深く心に刻まれる.共感を誘うために,実例が有効なわけだ.しかし,本書「自助論」で引用されている事例はピンと来ないものが少なくない.その理由は恐らく,登場人物がイギリス人に偏っていて,名前を聞いたことがなかったり,そもそも名前が書かれてすらいなかったりするためだと思われる.そういう観点からも,やはり「人を動かす」(デール・カーネギー,創元社)をお薦めしたい.あるいは,「人生論」(デール・カーネギー,創元社)でもよい.

目次

  • 自助の精神-人生は“自分の手”でしか開けない!
  • 忍耐-努力が苦でなくなる法
  • 好機は二度ない-人生の転機を生かす力
  • 仕事-向上意欲の前にカベはない!
  • 意志と活力-自分の使命に燃えて生きる!
  • 時間の知恵-「実務能力」のない人に成功はない
  • 金の知恵-楽をするためには汗をかけ!
  • 自己修養-頭脳と心・体の効率のよい鍛えかた
  • すばらしい出会い-人生の師・人生の友・人生の書
  • 信頼される人-人格は一生通用する最高の宝だ!