4月 262010
 

ロバート・モンロー「体外への旅」―未知世界の探訪はこうして始まった!
ロバート・モンロー(著),坂本政道(監修),川上友子(訳),ハート出版,2007

大いに読む価値がある.好き嫌いはあるだろうが,まあ,読んでみろと言いたい.理系向けだ.

ラジオ番組製作会社の社長であり,モンロー研究所の創設者であり,ヘミシンク技術の開発者であるロバート・モンローの最初の著作が本書「ロバート・モンロー「体外への旅」―未知世界の探訪はこうして始まった!」である.「体外への旅」というのが何とも胡散臭いが,原著が出版されたのは1971年である.著者が告白している通り,本書を出版するのには相当な覚悟が必要だったことだろう.キリスト教の教えとは相容れない内容であるし,社会的に迫害される危険性があると感じられたはずだ.

例えば,ハリウッド女優であるシャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」(角川書店)にも体外離脱の話が出てくる.マクレーンも出版するに際しての不安を吐露しているが,「アウト・オン・ア・リム」が小説仕立てで書かれているのとは対照的に,本書は実験記録である.理系な人なら,実験をしたら実験ノートをつけるというのは常識だろう.本書は,ロバート・モンローの実験ノートを編集したものである.普通の実験ノートと違うのは,近代科学が対象にしていない体外離脱を研究対象にしている点だ.

体外離脱を経験するまで,ロバート・モンローが死後の世界やスピリチュアルな事柄に強い興味を抱いていた様子はない.日曜日に教会にも通っていないくらいだ.恐らく,普通の,優秀なビジネスマンだったのだろう.本書を読んで驚くのは,そんなロバート・モンローが,事細かに体外離脱に関連する自身の体験を記録していることだ.努めて客観的に,起こった事柄を環境条件と共に淡々と記載している.凡人には決して真似できないことだ.仮に自分が体外離脱を経験したとしたら,パニックになるにしろ有頂天になるにしろ,正確な記録を取ることなど思い付きもしないだろう.この客観的で詳細な記録があったからこそ,様々な分野の科学者や医者を巻き込んでの研究にも発展したのだろう.しかも,体験の記録を取っただけではない.自分の体験について理解するために,様々な分野の文献を精力的に調べている.このような態度はまさに科学者の鏡だ.

もちろん,体外離脱について,あるいは物質を伴わない思考と感情の世界について解明されたわけではない.それでも,ロバート・モンローは,膨大な記録を取り,それを分析することで,「第二の体」が電気や磁気と関係するものであると指摘している.興味深いのは,これが,すべては振動だとするアセンション系や5次元系の主張と似通っている点だ.残念ながら,私の理解を超えているわけだが...

本書「体外への旅」で,ロバート・モンローは繰り返し指摘している.自分自身で体験するしかない,と.確かにその通りなのだろう.そして,こうも指摘している.必要なのは好奇心だけだ,と.

目次

  • それは驚きで始まった
  • 調査・探求
  • 始まった証拠集め
  • ロカール?
  • ロカール?
  • ロカール?(反転イメージ)
  • 死後の人々との出会い
  • 聖書に従えば
  • 私を助けてくれるのは誰?
  • 知的動物
  • 予知の始まり
  • つじつまの合わない事例
  • 「第二の体」
  • 意識と超意識
  • 「第二の状態」での性
  • 体外離脱のための予備練習
  • 体外離脱のためのプロセス
  • 体外離脱を客観的に分析する
  • 体外離脱を統計的に分類する
  • 結論に代えて
  • 仮説:基本原理か?
  • エピローグ