4月 272010
 

社会常識のない大学教員の本領を発揮しているわけではないと思うが,私の記憶が正しければ,生まれて初めて日本国内で小切手を処理した.ちょっとした解説記事を書いた原稿料なのだが,まさか小切手が郵送されてくるとは思わなかった.まず,大学に近い銀行に行って,小切手を換金したいのですがと訴えると,換金すると手数料がかかるので,口座振込にされますかとのこと.それなら口座振込でと答えて,店員さんに小切手を見てもらうと,この小切手は東京で発行(?)されたもののため,京都で処理すると800円以上の手数料がかかりますよとのことだ.東京の銀行窓口に持っていけば手数料がかからないとのことなので,それなら東京で処理しますと言って店を後にした.高々1万円の原稿料を換金(正確には口座振込)するのに800円も手数料を支払っている場合ではない.それにしても,手数料のなんと高額なことか...

小切手を見て,約10年前のアメリカ生活を思い出した.アメリカでの生活を始めるにあたり,とにかく銀行口座を開設しないと不便で仕方がない.オハイオ州コロンバスにあるオハイオ州立大学に隣接するローカルバンク(ハンティントン・バンク)の支店に行き,口座を開設したいと伝える.日本なら庶民が開設するのは普通預金口座に決まっているが,アメリカならとりあえず当座預金口座(小切手口座,Checking Account)を開いて,小切手帳(Checkbook)を手に入れる.コロンバスに住んでいたときは,電気,ガスなどの公共料金や電話,ケーブルテレビの支払いはすべて小切手だった.普段の買い物(1000円以上)は基本的にクレジットカードだったが.

アメリカでの小切手と言えば,もう1つ思い出がある.相手が誰だったか忘れたが,あるとき小切手をもらった.その小切手を発行(?)した銀行が上述のハンティントン・バンクだったのだが,小切手をもらった直後にロサンゼルスに行ったので,現地で換金してみようと思い,口座もないのにバンクオブアメリカの支店に行った.もしかしたら,ウェルズ・ファーゴだったかもしれない.ともかく,その銀行で換金したいと言って小切手を差し出すと,「これ,どこの銀行?」と言って突き返された.「どこって,ハンティントン・バンクなんですけど」と呟きながら店を後にした.もちろん,コロンバスに戻ってから換金したのは言うまでもない.

もう1つ,小切手と言えば,カナダでの出来事も思い出した.1999年秋だったと思うが,アルバータ大学を訪問して講演をさせてもらった.その後,講演料を小切手でいただいた.世話をして下さったアルバータ大学の教授が言うには,どこの銀行でも換金してもらえるからとのことだったのだが,実際に名前を聞いたこともない銀行の支店に行って小切手を換金したいと言うと,その銀行に口座を持っていないという理由で,換金してもらうのに凄く手間取った.すぐに飛行機で帰らないとダメだから何とかして欲しいと頼み込んで,なんとかなったのだけれども...

ちなみに,アメリカでESL(English as a Second Language)のクラスなんかに入ると,ちゃんと小切手の使い方も習う.