5月 222010
 

一部の方々には大変長らくお待たせしてしまいましたが,日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会ワークショップNo.27で開発した,直接的PID制御パラメータ調整法”E-FRIT (Extended Fictitious Reference Iterative Tuning)”のMATLABプログラムを一般公開いたします.

E-FRITは,プラントモデルを構築することなく,日常的に取得されている閉ループデータ(フィードバック制御下での運転データ)から直接的に最適なPID制御パラメータを決定できる手法です.第143委員会研究会および計測自動制御学会制御部門大会にて,昭和電工の蒸留プロセスおよび出光興産のボイラープロセスにおけるE-FRITの適用事例を報告していますが,それらを含めた様々な検証結果をふまえて,さらにアルゴリズムを改善しました.

ユーザが事前に決定しなければならないパラメータはほとんどありません.運転データ(設定値SV, 制御変数PV, 操作変数MV)と既存コントローラの設定情報があれば,希望する整定時間を与えるだけで,PID制御パラメータが最適化されます.

なお,E-FRITは化学プロセス制御(主な対象は石油化学プロセス)での利用に最適化されています.このため,例えば,PID制御に代えてPI-D制御およびI-PD制御が実装されており,参照モデルには振動のない二項係数標準型を採用しています.さらに,操作変数の変動をできるだけ抑制するような調整がなされています.標準設定で望ましい結果が得られない場合には,適用対象に応じて設定を変更して下さい.

今回一般公開するのは,E-FRITのMATLABプログラムです.ソースファイルを公開しますので,アルゴリズムの詳細を確認していただけます.

E-FRITのMATLABプログラムは,日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会ワークショップNo.27のウェブサイトからダウンロードしていただけます.多くのプロセス制御技術者の方々にE-FRITを活用していただき,その結果を作成者にフィードバックしていただけますことを心より期待しております.