5月 262010
 

「勉強しなければ」と思う人は多いようで,勉強法に関する書籍が溢れている.そんな勉強本の多くが,読書について言及している.どのような本を,どのように読むべきかというようなことが書かれている.さすがに勉強の達人が披露する秘訣だけあって,「なるほど」と感心することも多い.

そんな勉強本に書かれていることで,「必ずしもそうではないよ」と思うことがある.それは,「本は買いなさい」という主張だ.

これまでに,「本は買うな」と書いてある本を読んだ記憶はない.「買わなくてもいい」と書いてある本も読んだ記憶はない.「勉強のためには,お金を惜しまずに,本を買いなさい」と書いてあるものしか記憶にない.

達人たちのこの主張に,加えて達人たちが誇る蔵書の量に,怖じ気づいてしまった人はいないだろうか.

果たして,勉強のために,本は買わないといけないのだろうか.そうだとしたら,なぜ.

本の購入を勧める多くの勉強本で,何が根拠にされていたかを思い出してみると,「身銭を切れば勉強に真剣になる」ということだったと思う.図書館でタダで借りてきても本は読めるが,それでは「元を取ってやろう」という気迫に欠けるため,読書しても効果が低いというわけだ.

しかし,私はそうは思わない.実体験として,購入した本と借りてきた本とで学習効果が違う気は全くしない.結局,勉強法が人それぞれであるように,本を買うべきかどうかも人それぞれである.「元を取ってやろう」という気迫が必要なら買えばいいし,そんなことをしなくても粛々と勉強を進められる人は借りてもいい.大量の本を図書館などで借りて読み,その上で,必要な本だけを買うのもいいだろう.私のスタイルが,これだ.

もちろん,手元に良書があるという利点は重要だ.そう言えば,どこかに書いてあったとか,あの本に書いてあったとか,そういうときに,本が手元にあるというのは心強い.時間の節約にもなる.だから,自宅の蔵書には大いに価値がある.

そうは言っても,本のための空間がない人もいるだろう.買うお金がない人もいるだろう.でも,それを嘆く必要はない.本は図書館で借りてくればいい.重要だと感じたところはメモしてしまえばいい.部分的にスキャンしてしまうという手もある.こうして作成した情報をパソコンに放り込んでおけば,今や一瞬で検索できる.「本は買いなさい」という主張に脅迫される必要はない.

ショウペンハウエルは「読書について」において,人生は短く,時間と力には限りがあるため,良書を読むためには悪書を読んではならないと説いている.買いたくないのに買わない決断ができないなら,こう読み替えよう.良書を買うためには悪書を買ってはならない.ここまで言うと極論か.まあ,いずれにせよ,自分の勉強スタイルを身に付ければいいだけのことだ.

!!!

いや,違う.ここまで書いて,やっと気付いた.ん〜,頭の回転が遅すぎる...

達人たちは自分が書いた本を出版社に売ってもらわないといけない.どうして,「本を買うな」と言えようか.どうして,「本を買わなくていい」と言えようか.あぁ,それだけのことだ...