6月 112010
 

論語物語―『論語』は「天の書」であるとともに「地の書」である
下村湖人,青龍社,1998

論語の素晴らしい入門書だ.論語を読んだことがない人,読んだけど挫折した人に特に勧めたい.

世に論語の解説書は多いが,それらは,元の漢文の日本語訳に注釈を加えたものであり,基本的に読むのに苦労させられる.論語を理性で理解させようとしている.ところが,下村湖人の本書「論語物語」は,その名の通り,論語を物語に仕立て上げたものであり,主人公の孔子とその弟子たちとが生き生きと描かれている.彼らの喜怒哀楽が伝わってくる.孔子や弟子が,どのような状況で,どのような心境で,それぞれの言葉を発したのかがわかる.だから,心情で論語を理解できる.孔子に最も期待されながらも早世した顏淵,血気盛んだが愛された子路,弁舌に優れ政治手腕を発揮した子貢,年少の弟子のなかで群を抜く曾子など,論語に登場する弟子たちを身近に感じることができる.

とにかく,読んで損はしない本だろう.お薦めだ.

ちなみに,私が読んだのは↑の本だが,新しいのが次々と出版されているようなので,これから読むなら,新しいのが良いのかもしれない.例えば,↓など.

目次

  • 富める子貢
  • 瑚
  • 伯牛疾あり
  • 志をいう
  • 子路の舌
  • 自らを限る者
  • 宰予の昼寝
  • 觚、觚ならず
  • 申[木長]の欲
  • 大廟に入りて
  • 豚を贈られた孔子
  • 孝を問う
  • 楽長と孔子の目
  • 犂牛の子
  • 異聞を探る
  • 天の木鐸
  • 磬を撃つ孔子
  • 竃に媚びよ
  • 匡の変
  • 司馬牛の悩み
  • 孔子と葉公
  • 渡し場
  • 陳蔡の野
  • 病める孔子と子路
  • 一以って貫く
  • 行蔵の弁
  • 永遠に流るるもの
  • 泰山に立ちて

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