6月 282010
 

不安や恐怖に支配されないためには,まず気付くこと」に書いた通り,まず,自分がどのような信念を持って生きているのかに気付く必要がある.

経営に関与したいビジネスマンが修得を目指すMBA(経営学修士)やMOT(技術経営)では,様々なフレームワークを学び,膨大な数の演習を通して身に付ける.例えば「3C」というフレームワークでは,ある事業アイデアの将来性について,「Customer(市場)」,「Competitor(競合)」,「Company(自社)」という3つの観点から分析を行うことで,検討の漏れや重複を防ぐ.つまり,フレームワークは,いわゆるMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)に検討するためのチェックリストとなる.この他にも,マーケティングにおける「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(コミュニケーション)」の「4P」など数多くのフレームワークがある.

だが,ここで言いたいのは,MBAやMOTに限らず,我々はそれぞれのフレームワークで自分や他人や社会を見ているということだ.そのようなフレームワークは,信念とか観念と言い換えられるだろう.

経営分析におけるフレームワークは特定の目的にあわせて意識的に使用するものだが,我々が日常生活で使う,いや我々の日常を支配しているフレームワーク(信念や観念)は無意識的なものである.

例えば,何でも「勝ちか負けか」や「得か損か」や「善か悪か」で判断すること(これもMECEだ),「そんなの無理」と制限を設けること,このようなことは意識的に行っているわけではない.無意識のうちに行っていることだ.ところが,この無意識のうちに行っていることが,我々の人生の大部分を決していると言っても過言ではない.ちょっと振り返ってみよう.一体,自分の行動あるいは生活の何%を意識して生きているか...

したがって,自分の人生を自分の手に戻すためには,この無意識に使用しているフレームワーク(信念や観念)の中身を知る必要がある.「自分を知る」とはそういうことではないだろうか.私の長所は何で短所は何でといった表面的なことではなく...

このフレームワーク(信念や観念)を知るためには努力が必要であるように思うが,そのための題材は身の回りに転がっている.ところが,フレームワーク(信念や観念)に支配されていると,意識的に生きていないために,そのことに気付かない.だから,これまでの惰性に別れを告げ,意識的に生きることを選択する必要がある.いつも,自分がどのような信念を持って生きているのかと自分自身に問いかける必要がある.

最近,本を読みながら考えるのは,このようなこと.