7月 292010
 

“PSE Asia 2010″という会議名称は略称で,正式には,”the 5th International Symposium on Design, Operation and Control of Chemical Processes”という.実際には,誰もこんな長い名前を使うことはなく,”PSE Asia”と呼んでいる.というか,正式名称を使うと,通じない恐れがある.

初回を京都で開催したのが,ちょうど10年前.当時は事務局の運営を外注するのではなく,全部,研究室でこなしていたので,凄く大変だったことを思い出す.論文査読も,昨今のようにウェブでスマートに行われたわけではなかった.国際会議の運営も着実に進化している.

記念すべき第一回PSE Asia 2000からの伝統で,この国際会議は,アジア地域の研究者,特に若手研究者に交流の場を提供するという趣旨が非常に明確になっている.シンガポールで開催された今回のPSE Asia 2010でも,その目的は達成されている.ただし,京都で開催した初めてのPSE Asiaが,日本,韓国,台湾の研究者が中心だったのとは随分と様子が異なり,今回はインド系の参加者が非常に多かった.シンガポールという立地や,NUSの教授陣にインド系が多いことの影響だろう.20カ国以上から200名以上の参加者があったそうで,会議の規模は大きくなっている.

前回,西安で開催されたときとは異なり,会議運営はしっかりなされていた.流石に,国際的に活躍しているスタッフの数が多いだけのことはある.

会議の内容については,2日目にあったプレナリー講演の内容が実に刺激的だった.機能に基づいたプロセス設計という新しいパラダイムを提示しようとするもので,物質の状態に着目して,原料から製品に至るまでのルートを最適化する.荒っぽく言うと,原料と製品を指定すると,古典的な単位操作だけでなく,反応蒸留なども導出してくれる.もちろん完成した技術ではないが,これは凄い.

その他の講演に関しては,玉石混淆だ.これは仕方ない.むしろ,それを狙っている国際会議なのだから.

さて,次回のPSE Asia 2013はマレーシアのクアラルンプールで開催されることが決まった.2012年にシンガポールでPSE(アジアだけでなく世界全体のプロセスシステム工学の国際会議)とIFAC ADCHEM(プロセス制御の国際会議)が開催されるため,3年後ということになったようだ.3年後には,各国の力関係もまた変化していることだろう.

会議終了後,最後の晩餐にクラークキーへ出掛けた.最後はやっぱりシーフードでしょうということで,再び,チリクラブも注文した.タイガービールだけでなく,いくつかの種類のビールを飲みまくって,フラフラになりながらタクシーでチャンギ空港へ.そして今,この文章を書いている.フライトは1:00AM.

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