8月 292010
 

先日,SICE九州フォーラム2010で講演させていただいたとき,懇親会@あらんどろんの後の二次会@活海酒で,最近の大学生の特徴についての話になった.

ある教授に学生のレベルに変化は認められるかと質問したところ,「これまでの学生と比べて,今年の4回生は明らかに違う」という.ステップ状の変化だそうだ.何が違うかというと,学生実験のレポートを提出せずに単位を落とす学生が続出したとのこと.それも,実験に全く参加せずにではなく,実験には参加しているのにレポートは提出しないのだそうだ.

正直,私には全く理解不能な行動だ.大学を卒業すると決めれば,卒業に必要な単位を取ること,実験レポートを出すことは必要条件となり,面白いかどうかは別として,実験レポートは提出すべきという結論が当然導かれる.一方,大学に一切の価値を認めることができず,もう大学をやめる気でいるとしたら,実験などしている場合ではないだろう.他にやるべきことがあるはずだ.いずれにせよ,学生実験に参加するがレポートは提出しないというのは常軌を逸しているというか,支離滅裂な行動だとしか思えない.

その後,つい最近になって,京都大学の同僚と学生実験の話になり,実は,京都大学でも全く同じ事態が発生しているのだと知った.今年の4回生は,前年度(3回生のとき),学生実験のレポートを提出せずに(もちろん他の科目の単位も落としまくっているのだろうが)留年したものが少なくないという.しかも,学生実験に参加はしていたのにレポートを提出しなかった学生が多いそうだ.何を考えているのか全くわからない.いや,何も考えていないのか...

書くべきレポートを書けない,提出すべきレポートを提出できないというのでは,大学卒業資格を認定されるべきではないだろう.留年して当然だ.それにしても,京大に入学できるくらいだから,ペーパーテストで点が取れる程度には頭が良いわけだ.それで,なぜレポートが書けないのか,提出できないのか.

今年の4回生は一体何者なのか.完全ゆとり教育の第1世代だそうだ.因果関係の有無は別として,それが事実だ.

大学卒業生の就職率の低さが社会問題化しているが,不景気だけが原因だと思っていたら痛い目にあうのではないか.(あまり期待はできないが)好景気になったとき,企業が欲しい大学生がどれだけいるのかと不安になる.

東大生は勉強しないんだから...」にも書いたが,国際的に,日本の大学教育はろくでもないと認識されている.卒業基準を厳格化すべきだと指摘されている.厳格化すれば半分は退学処分になるかもしれないが,そうしなければ,日本の大学が世界から除籍処分されかねない.