9月 022010
 

プラハで開催されたECCE 7 & CHISA 2010に参加した.

ECCE 7 (the 7th European Congress of Chemical Engineering) はEFCE (the European Federation of Chemical Engineering) が主催する国際会議で,第1回が1997年にフィレンツェで開催されて以来,欧州で2年ごとに開催されている.化学工学全体を対象にした国際会議だ.

CHISA 2010 (the 19th International Congress of Chemical and Process Engineering) はCSCHI (Czech Society of Chemical Engineering) が主催する会議で,1962年に第1回が開催され,1972年からは毎年プラハで開催されている.

今回は,PRES (Conference on Process Integration, Modelling and Optimisation for Energy Saving and Pollution Reduction) も同時に開催された.すべて初参加になる.

4日間にわたって開催された会議の規模については,概数だが,参加者は70カ国1500名,発表論文は投稿発表600件とポスター発表1100件の合計1700件となっている.プレナリー講演4件の他は,11会場で口頭発表のパラレルセッションが行われ,さらに毎日ポスターセッションもあった.

プレナリー講演は以下の4件.

  • Nanostructured materials through combustion synthesis. L. Maedler (Univ. Bremen, DE)
  • Environmental footprint of energy production: process engineering challenges. P. A. Tanguy (Total SA, FR)
  • Moving towards a sustainable food chain through the total exploitation of agri food chain co-products and biomass. K. W. Waldron (Inst. Food. Res., Norwich, UK)
  • Framework conditions for a competitive chemical industry in Europe. H. Mandery (Cefic (European Chem. Ind. Council), Brussels, BE)

キーノート講演は分野ごとに物凄い数があった.

まず,会議の全体的な印象として,第一に指摘したいのは,キャンセルの多さだ.そもそも,リスト上は70カ国1500人が参加となっているが,主催国のチェコが198人で最多なのは当然として,なぜ2位がイランの108人なのか.常識的に判断して,そんなわけがない.結局,イランからの発表はあったのだろうか.もちろん,キャンセルされたのはイランからの発表ばかりではないが,とにかくキャンセルが目立ち,会議の印象を悪くしている.大いに改善の余地がある.ちなみに,日本からは39名が参加.

11会場で行われたパラレルセッションのうち2会場は,PRESであり,会議全体としてエネルギー関係の発表が多かった.欧州は環境&エネルギー問題に熱心だからということもあるだろう.相当な資金がエネルギー関連分野に流れているはずだ.

PRESの他は,2会場が”Reaction and electrochemical engineering”,2会場が”Separation processes”,3会場が”Systems and Technology”,2会場が”Hydrodynamic processes and system engineering”だった.

プロセスシステム工学(PSE,欧州ではCAPEともいう)の立場からすると,発表件数が少なく,物足りない.プロセスシステム工学分野の有名人はほとんど参加していないようだ.近い時期にプロセスシステム工学に特化したESCAPEがあるので,ECCEやCHISAに敢えて参加する必要はないのだろう.

それでも,プロセスシステム工学関連分野の動向が把握できたことに参加したメリットがある.欧州では,プロセス強化やマイクロリアクターに関連するプロジェクトとして,F3 FactoryやCoPIRIDEが立ち上がっている.

F3 FactoryはFlexible, Fast and Future Factoryの意味で,欧州化学産業の大規模なプロジェクトだ.そのウェブサイトには,以下のように説明されている.

F³ Factory is a €30 million collaborative research programme that seeks to strengthen the European chemical industry’s global technological leadership through faster, more flexible production methods. It is one of the leading projects in the Nanotechnologies, Materials and Production research priority of the European Community’s Seventh Framework programme.

The F³ Factory consortium is made up of 25 leading companies and research institutions from nine EU Member states that are crossing competitive boundaries to collaborate on new technologies for process intensification and innovative new production concepts.

This substantial four year project seeks to establish a new paradigm in sustainable production methodology for the European chemical industry. Key applications targeted within the F³ Factory project include solvent-free polymers, innovative surfactants, compounds for the healthcare industry and materials from renewable resources.

一方,CoPIRIDEはCombining Process Intensification-driven Manufacture of Microstructured Reactors and Process Design regarding to Industrial Dimensions and Environmentの略称らしい.プロジェクトの目標は次のようにまとめられている.

COPIRIDE is an EU-project that focuses on developing new technologies, processes and manufacturing concepts for the “plant of the future” for the Chemical Industry.

例によって,欧州全体から数多くの大学や企業が参加しているので,動向をチェックしておく必要があるだろう.

まとめると,情報収集に役立ったが,全体としてECCE 7 & CHISA 2010の会議のレベルはいまいち.底が抜けていると表現すればいいだろうか.国際会議は数多くあるので,少なくとも私は,これに毎回参加する必要はないだろう.

9月 022010
 

オーケストラによるクラシックコンサートの翌日,チェコ産ワインを飲もうということになり,ストラホフ修道院の敷地内にあるペクロ(Peklo)というレストランへ出掛ける.

ストラホフ修道院はプラハ城のさらに西にあるため,宿泊しているクラリオン・コングレス・ホテル・プラハからは遠い.とりあえず,メトロでVysocanskaからMustekを経由してMalostranskaまで行き,そこからトラム22番に乗る.

トラムに乗ってペクロ(Peklo)へ@プラハ
トラムに乗ってペクロ(Peklo)へ@プラハ

地図と睨めっこしながら,ストラホフ修道院の近くでトラムを降りる.道に迷いながらも,ストラホフ修道院の入口に到着した.

ストラホフ修道院の入口@プラハ
ストラホフ修道院の入口@プラハ

ここにレストランがあると知っているから中に入るものの,知らなかったら決してわからないだろう.

ストラホフ修道院の敷地に入ると,所々にペクロ(Peklo)の看板が設置されている.その看板を頼りに,静かな林道を進む.

ストラホフ修道院にあるペクロ(Peklo)の看板@プラハ
ストラホフ修道院にあるペクロ(Peklo)の看板@プラハ

100mほど歩くと,大きな木の下に,小さな建物が見えてくる.入口があるだけの小さな建物だ.修道院の敷地にあるだけあって,雰囲気がよい.

ユニークなペクロ(Peklo)の入口@プラハ
ユニークなペクロ(Peklo)の入口@プラハ

扉を開けると,地下へと続く階段がある.その階段を下りて,矢印に従って狭い通路を進むと,レストランに出た.

雰囲気満点のペクロ(Peklo)店内@プラハ
雰囲気満点のペクロ(Peklo)店内@プラハ

ペクロ(Peklo)のあるこの場所は,12世紀頃にあった修道士会のワイン貯蔵庫だったそうだ.まさに穴場の洞窟レストランだ.凄く雰囲気がよい.

チェコワインTanzberg Mikulov@ペクロ(Peklo)
チェコワインTanzberg Mikulov@ペクロ(Peklo)

とりあえず,チェコのワインを注文する.4500円くらいの赤ワイン.

料理は,オニオン・スープとポーク・メダイヨンを選んだ.

ペクロ(Peklo)のオニオンスープ@プラハ
ペクロ(Peklo)のオニオンスープ@プラハ

普通にイメージするオニオンスープとは見た目が随分と違うが,味は濃くなく,非常に美味しかった.

ペクロ(Peklo)のポーク・メダイヨン@プラハ
ペクロ(Peklo)のポーク・メダイヨン@プラハ

ポーク・メダイヨンはクリームソースで,付け合わせはポテト.このポークも非常に美味しかった.

最後にエスプレッソをいただいた.チェコのワインと料理を満喫して,2人で2080Kc(1万円強).チップをはずんで,ペクロ(Peklo)を後にする.ビアホールで安いピルスナーや黒ビールを飲むことを思えば高くつくが,いくらチェコとは言え,ビールばかりでは芸がないので,このレストランはお勧めだ.