9月 082010
 

日本学術会議の答申を紹介しよう.以下は,大学の教養教育および語学教育に関する部分の抜粋だ.

<学士課程の教養教育の在り方について>

まず、現在の大学で行われている教養教育の多様性を認めつつ、その原点が民主主義社会を支える市民の育成にあることを再確認することが必要である。(中略)一方、市民的教養自体が、戦後から現在にいたる時代の変遷の中で大きく変容してきており、大学がユニバーサル化した現代にあっては、かつての「豊かな人生」へのパスポートとしての教養概念は既に失効して久しい。市民性を、社会の公共的課題に対して立場や背景の異なる他者と連帯して取り組む姿勢と行動として再定義した上で、現状の課題や困難を、未来において作り変え、改善されるべき対象と考えるような想像力、構想力を培うことが教養教育の重要な内容となる。

<日本語運用能力>

語るべき内容を身に付け、それを場面に応じて日本語で語り、記述する能力の育成は、学士課程全体を通じて取り組まれるべきものではあるが、ここに教養教育が果たす役割はとりわけ大きい。国際共通語としての英語運用能力は、このような日本語運用能力を踏まえてのみ習得できると言うべきである。

<国際共通語としての英語教育>

グローバル化した社会のコミュニケーションにおいては、情報通信技術の発展も相俟って、書き言葉が話し言葉と並んで、あるいはそれ以上に重要な役割を果たしている。それゆえ、音声言語と並んで書記言語(読み書き)の学習を重視すること。

グローバルな局面で、文化と言語を異にする他者と協同し交流する能力を育成するために、アカデミック・リーディング、アカデミック・ライティング、プレゼンテーションを核とする「英語によるリテラシー教育」を構想する必要がある。その際、異文化との接触において自らのあり方と立場を説明し理解してもらうことの重要性を思えば、日本事情・日本文化は学習内容の重要な要素となるはずである。

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