11月 162010
 

先週ソルトレイクシティで開催されたAIChE Annual Meetingで,アメリカ在住の研究者(日本人も含む)から聞いた話.

日本政府が高等教育費をケチりたいために,元々先進国の中で最低レベルであった大学への公的支出が,日本ではさらに減らされている.当然,大学教員(研究者)への待遇も酷いものであるが,程度の差こそあれ,国家財政(あるいは景気)が大学に影響を与えるのはどこでも同じだ.

リーマンショックで多大な負の影響を被ったアメリカでは,自業自得だが,大学の経営も影響を受けた.その結果,多くの大学が教授(若いassistant professorクラス)の新規採用を見送ってきた.しかし,若い優秀な研究者を確保し続けないと,その専攻,研究科,さらには大学の競争力が低下し,ランクが下がりかねない.そうなれば,深刻な悪循環に陥る.今年になって,景気の見通しが上向いてきた結果,採用を再開する大学が増え,これまでの分も取り返そうとするため,優秀な候補者の激しい争奪戦が繰り広げられている.今年も含めて2〜3年は採用活動がかなり活発になるだろうと予測されている.

というわけで,アメリカでアカデミックポジションを取るなら今がチャンスだ.

もちろん,競争は熾烈だ.1つのポジションへの応募数は100件にもなるらしい.書類審査で見込みありと判断されれば,学会などで大学側からコンタクトがあり,最終的に若干名が面接へと進む.化学工学分野では,AIChE Annual Meetingが大学側が候補者に接触する非常に重要な機会となっている.各大学の教授・准教授(密偵)が候補者の発表を聞いて,評価をするわけだ.仮に採用されたとしても,テニュアを取らないといけないので,これも大変だ.

リーマンショックに関連して,もう1つ聞いた話がある.UCなんとか(どこか忘れた,少なくともSBではなかった)では,教授の給料を14%カットしたらしい.アメリカの教授も楽ではない.