4月 012011
 

原子力発電所の深刻な事態が収束しないと話にならないが,それが軟着陸するとして,今回の大震災による東日本の電力不足と,その対策としての計画停電についてメモしておく.

今でさえ東京電力が実施した計画停電という名の無計画停電に批判が集中しているが,今夏には深刻な電力不足になると予想されている.節電は当然必要だが,計画停電の実施は,日本の製造業がの復興を妨げる元凶となるため,是非とも避ける必要がある.

このため,例えば化学工学会では「大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言」を発表し,電力需要を時間的および空間的にシフトさせることによって電力不足を埋めるための大規模な計画停電を回避できる可能性があるとしている.

また,河野太郎氏は公式サイトのブログで「無計画停電は必要ない」としている.その根拠になっているのが,環境エネルギー政策研究所(ISEP)のレポートだ.

そのレポートでは,東電管内の電力供給力について,

  • ケース1)茨城と福島の発電所が全て停止,千葉,東京,神奈川の地震停止及び定期点検中の発電所が復旧するケース.(当面の供給力はこの程度)
  • ケース2)ケース1プラス鹿島石油火力と長期計画停止中の横須賀石油火力7−8号機が復旧するケース.(2011年夏にはこの程度が期待できる)
  • ケース3)ケース2プラス長期計画停止中の横須賀石油火力3−6号機が復旧するケース.(2011年夏楽観ケース)

の3ケースを想定し,昨年の電力需要実績および2011年の電力需要予想と比較している.その結果,ピークカットの必要量は多少増えるとしても,無計画停電などしなくとも需給調整契約の戦略的活用で対応できる可能性が大きいということだ.

まともで有益な科学技術シミュレーションができる人や組織はそれをする.そして,発信する.マスコミはヒステリックな報道ばかりしていないで,まともな情報を取り上げて伝える.政治はまともな政策を速やかに実施する.

起こった大震災はどうしようもないが,未来は変えられる.

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