8月 122011
 

結論: Mendeley + Dropbox + PDF Expert

数日の試行錯誤の末,Windows PC(VAIO S)を母艦としてiPad2で論文を読んで注釈をつける文献管理環境が構築できたので,まとめておく.それにしても,これだけの環境を構築して,ほとんど無料だというのが凄い.

PC側で用意するのは,1)Mendeley Desktop,2)Dropbox,の2つ.iPad側で用意するのは,1)Mendeley,2)Dropbox,3)PDF Expert(これのみ有料),の3つ.これだけで,PCとiPadをクラウドサービスで同期しつつ,使い勝手の良いMendeleyで文献情報を管理しつつ,PCではもちろん,iPadでもPDFファイルに注釈をつけることができる.

PCでの文献管理ソフト Mendeley Desktop

文献検索には学内で利用可能な文献データベースを利用するので,基本的にPCにインストールしたMendeley Desktopで文献収集を行う.

Mendeley Desktopは無料のソフトウェアだが,機能は充実しており,使いやすい.既にダウンロードしてあるPDFファイルがあれば,それをドラッグ&ドロップするなり,Watched Folderに移動するなりすれば,文献として自動的にライブラリーに登録される.ACS,IEEE,Nature,PubMed,ScienceDirect等々のデータベースや,Amazon,Google,Wikipedia等のウェブサイトの文献情報も,Web Importerを用いて一発で取り込める.文献データベースでの検索結果をRIS形式でExportすれば,複数の論文の情報を一気にライブラリーにImportできる.論文情報のウィンドウからウェブサイトにアクセスし,PDFファイルをダウンロードして,文献情報と結び付けるのも簡単だ.基本的に,自動的にリンクしてくれる.

登録した文献のPDFファイルは自動的にリネイムされ,Mendeley Desktopの専用フォルダに保存される.例えば,著者名+発行年+題目.pdfなどのファイル名が選べるため,ダウンロードするときにファイルの名前で悩む必要はない.

こうして整理された文献情報は,グループ機能を利用すれば,ウェブサイトを介して他人と共有することもできる.

iPadでの文献管理アプリ Mendeley – Reference Manager (Lite)

こうして収集した文献情報をiPadでも共有するために,iPadにMendeley – Reference Manager (Lite)をインストールする.

これで,iPadでも文献情報やPDFファイルを閲覧することができるのだが,Mendeley – Reference Manager (Lite)のPDFビュワーには,ファイルに注釈をつけられないという欠点がある.論文を読みながら,「おぉー,ここが大事だ!」と思ったときに困る.このため,iPadでは,Mendeley – Reference Manager (Lite)は文献情報の確認のためのアプリだと割り切り,PDFファイルの閲覧には別のアプリを使う.

PCとiPadでPDFファイルを共有&同期 Dropbox

Mendeley DesktopMendeley – Reference Manager (Lite)で管理する文献のPDFファイルをPCとiPadで共有するために,クラウド型サービスでファイル同期が可能なDropboxを利用する.

Dropboxを用いてPDFファイルを常に同期させるため,Mendeley DesktopでPDFファイル自動保存先に指定したフォルダを,Dropboxフォルダの中に入れておく.設定画面でそのように指定するだけだ.これで,クラウドを利用して,いつでもPCとiPadの文献を同期させられる.

iPad2でのPDF閲覧&注釈 PDF Expert

先に述べたように,Mendeley – Reference Manager (Lite)のPDFビュワーではファイルに注釈をつけることができない.iPadで利用可能な,PDFファイルに注釈をつけることもできるアプリとしては,GoodReader for iPadが有名だろう.GoodReaderは多くのファイル形式に対応しており,ファイルマネージャーとしても使える.これはこれで必須アプリに違いないのだが,PDFファイルに注釈をつけることのみに関していえば,それほど使い勝手の良いアプリではない.

PDF注釈アプリについて色々と調べた結果,最終的に,PDF Expertを使うことにした.もちろん,まだ使い込んだわけではないが,かなり使いやすい.もちろん,つけた注釈はPCのAdobe Acrobatで編集できる.逆もしかり.

文献を閲覧するには,DropboxにあるPDFファイルをPDF Expertで開くだけ.

ここで特筆すべきは,Dropbox内のフォルダをPDF Expertで同期(Sync)設定しておけば,そのフォルダ内のファイル全部をiPadに保存しておけることだ.つまり,インターネットに接続できない環境下にあっても,すべての文献PDFファイルをiPadで読むことができる.Dropbox内のファイルは1つずつダウンロードしなければならないので,PDF Expertがフォルダごと一括ダウンロードしてくれるのはありがたい.

おわりに

ここまで述べてきたMendeley+Dropbox+PDF Expertがここ数日間で到達した姿だ.これで,かなり快適に文献管理ができそうな気がする.遂に,印刷した紙を持ち歩くスタイルを卒業して,学生のレポートも含めて文献はすべてiPadで読むことにしよう.

ところで,もしMendeley+Dropbox+PDF Expertよりも快適な環境を構築されている方がおられたら,ぜひ教えて下さい.

  9 Responses to “iPadで論文を読んで注釈をつけるための文献管理環境:Mendeley + Dropbox + PDF Expert”

  1. [...] iPads, iPhones, iPod, profit, revenue CHART OF THE DAY: How Much Apple Is Making On The App Store Jay Yarow and Kam… iPadで論文を読んで注釈をつけるための文献管理環境:Mendeley + Dropbox + PDF expert | Chase Your Dream ! [...]

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  3. [...] AndroidやiOSでの導入法は こちらのページが大変参考になりました。 京都大学の先生のページで、大学の教育や業務についての記事もおもしろい。 [...]

  4. ありがとうございます。先生のBlogに触発されて私も同様な試みをしました。その結果は、Dropboxではなく、SugarSyncを使って、Mendeley filesをwtached foldersにし、かつMendekeyの文献管理情報を含むフォルダ(C:\Documents and Settings\(アカウント名)\Local Settings\Application Data\Mendeley Ltd)も同期させる方法です。次の方のBlogを参考にしました。
    “【改良版】 Mendeleyで管理している文献を複数のPCで共有する方法”
    http://tieki83.blog106.fc2.com/blog-entry-90
    これですと自宅で会社のDeskTopでもノートでも3台以上でも作業したものがすべて同期された環境を得ることができました。もちろん文献情報は3台とも手元に同期されて、offラインでも作業できます。

  5. 自己レスです。すでに「文献整理法備忘録 | まったり研究生活」さんが同様な手法をReされていましたね。5Gの無料ストレージは本当に魅力です。WebでもなんでもMendeleyに放り込んでいます。

  6. [...] 現在の公式アプリでは、論文は読めるがアノテーションやコメントを付けれない・同期出来ないといった不満がある一方、裏技を編み出してその制約ある環境を楽しんでいる方々もいらっしゃる様で、「iPad で論文読んだりアノテーションなら Papers もあるじゃない」といった意見はそれはそれでごもっともと言う一方、ユーザ側でカスタマイズする楽しみもあるのが Mendeley とも言えるのではないでしょうか。 因に Mendeley で管理している文献を、Android 端末や Kindle で読むこともできます。 [...]

  7. […] を読んで注釈をつけるための文献管理環境:Mendeley + Dropbox + PDF Expert http://blog.chase-dream.com/2011/08/12/1799 […]

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