10月 182011
 

AIChE Annual Meeting(アメリカ化学工学会年会)に参加するため,ミネアポリスに滞在している.

会期は1週間で,セッション数の合計は776にもなる.発表件数は恐らく4000件に近いだろう.基本的に午前,午後,夕方の3つに区分されており,それぞれで開催されるパラレルセッションの数は優に50を超える.非常に大きな国際会議だ.

初日となる月曜日の午前中には,Division 15B “Pharmaceuticals”主催の”QbD Plenary”を聴講した.このプレナリーセッション含めて,QbD(Quality by Design)やPAT(Process Analytical Technology)関連のセッションだけで16あり,約80件の発表になる.玉石混淆とは言え,日本とは層の厚さがまるで違う.

以下,QbD Plenaryの内容をメモしておこう.

最初の発表は”Implementation of Quality by Design”でGSKから.米欧日(ちゃんとJapanも含められていた)の巨大製薬企業でQbDの実装が進められている現状を踏まえて,関連するICHの取り組みが紹介され,明らかになってきた問題点が指摘された.ICHのウェブサイトで,”Quality IWG training material on Q8/Q9/Q10“が公開されている.その日本語版「ICH Q8、Q9、Q10ガイドライン運用実務研修会」もある.

この講演では特にバイオファーマが意識されていたが,QbDを展開していく上での課題として次の8つが挙げられていた.

  1. Management commitment
  2. Technical gaps
  3. Lack of clarity of regulatory expectations
  4. Outdated technical and regulatory guidelines
  5. How to leverage enhanced product and process understanding
  6. Change management
  7. Role of reviewer and inspector
  8. Control strategy

2件目の発表は,まさに”Quality by Design”というタイトルでEli Lillyから.この発表では,QbDとは何か?という問いが発せられた.これまでに様々な検討がなされてきているが,どれもこれも既存プロセスの解析を主たる目的としていないか,QbDのDはDesignではないのか,という問題提起だ.Quality by DefineからQuality by Designへ,Defined by ConstraintsからDefined by Intentへという話だった.また,この発表では,連続プロセスが強く意識されていた.

3件目の発表は,”Challenges and opportunities for PSE approaches to QbD and design space”というタイトルでPurdue大学から.プロセスシステム工学(process systems engineering)が培ってきた成果をQbDに活かすべきというのが,主たるメッセージだろう.だからこそ,私が製薬企業と手を組むことになったわけだ.この発表では,デザインスペースは確定論(deterministic)ではない,不確実性下での設計(design under uncertainty)が重要だという指摘があった.これは常々疑問に感じていたところで,私は製薬企業が不確実性をきちんと考慮しているかは怪しいと思っている.ただ,この発表で紹介されたベイジアンアプローチが良いのかどうかはわからない.

最後の発表は,”Evolution of Quality by Design”というタイトルでPfizerから.この発表は...聞いていない.

  2 Responses to “QbD Plenary Session @AIChE AM 2011, Minneapolis”

  1. Quality by Designは製薬でも注目されていますね!

    今週はゼミがないのでがんばって研究進めておきま~す!

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