11月 242011
 

このブログで「クロスバイクを買いたい」と最初に述べてから,色々と調べた.自転車屋さん巡りもした.大阪までサイクルモードにも出掛けた.この間,約2週間.

実に様々なクロスバイク(あるいはフラットバーロード)について検討してきたが,(まったく個人的な)ある一定の水準をクリアした候補として,これまでに,Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)Raleigh Radford-7 (ラレー・ラドフォード7)BASSO DEVIL(バッソ・デビル)TREK 7.5 FXSpecialized Sirrus EliteBianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)PINARELLO TREVISO(ピナレロ・トレビソ)を挙げてきた.

これらの中で,現時点で候補に残っているのは,Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)PINARELLO TREVISO(ピナレロ・トレビソ)の2つだ.この2つの候補を持って,近所の自転車屋さんに出掛けて,店長に相談してみた.そこで教えてもらった情報をもとに,さらに検討を進めた結果,新たな有力候補が登場した.イタリアの老舗Wilier(ウィリエール)のフラットバーロードだ.

Wilier Bassano Weekend

Wilier(ウィリエール)のWeekendというカテゴリーのトップモデルがBassano(バッサーノ)だ.日本のモデルは本国と異なり,Bassano Weekend(バッサーノ・ウィークエンド)という名称で販売されている.

Wilier Bassano Weekend (ウィリエール・バッサーノ・ウィークエンド) 2012年モデル
Wilier Bassano Weekend (ウィリエール・バッサーノ・ウィークエンド) 2012年モデル

日本版Bassano Weekend(バッサーノ・ウィークエンド)の詳細は不明だが,イタリアやイギリスのBassano(バッサーノ)のウェブサイトを見ると,アルミフレームとカーボンフォークのボディに,コンポはShimano Tiagra,ホイールはShimano RS10となっている.カラーは黒(カーボン)のみ.重量は公開されていないが,実測したというウェブサイトでは,なんと9kgを切ったそうだ.軽くて速いと期待される.まさにフラットバーロードと呼べるモデルだろう.日本版2012年モデルでは価格が抑えられ,12万円になるようだ.

Wilier Marostica

Bassano(バッサーノ)の下位モデルがMarostica(マロスティカ)になる.このモデルは本国でも日本でも同名のようだ.

Wilier Marostica (ウィリエール・マロスティカ) 2012年モデル
Wilier Marostica (ウィリエール・マロスティカ) 2012年モデル

Bassano(バッサーノ)との違いは,フォークがアルミであること,Soraなど下位グレードのコンポーネントを用いていること,ホイールがShimano R500であることのようだ.カラーはシルバーのみで,価格は10万円になるらしい.

Wilier Bassano Cross Bike

さらに下位モデルとして,どうやら日本専用モデルらしいBassano Cross Bike(バッサーノ・クロスバイク)がある.その名の通り,フラットバーロードというよりは,街乗りを意識した日本人向けクロスバイクなのだろう.フレーム形状も変わってくる.

Wilier Bassano Cross Bike (ウィリエール・バッサーノ・クロスバイク) 2012年モデル
Wilier Bassano Cross Bike (ウィリエール・バッサーノ・クロスバイク) 2012年モデル

当初は漠然とクロスバイクを買うつもりでいたが,主な用途が京都市街での通勤であること,いずれ自転車で実家に帰るつもりで,その場合,片道30km程度であること,休日にサイクリングをするつもりであること,いずれにせよ舗装道路しか走らないこと,脚力はないこと,サイクルモードでピナレロ・ドグマ2のようなレース用高級自転車に試乗して,その軽さと速さに感激したこと,ドロップハンドルにはしたくないこと,デザイン重視であること,みんなと同じ自転車は嫌であること,やはり快適さは重要だと思うこと,などを考慮すると,乗り心地にも配慮したフラットバーロードが購入すべき自転車だという結論に達した.とりあえず,希少性があってスタイリッシュなアルミフレーム&カーボンフォークを中心に検討することにしよう.

11月 232011
 

医薬品メーカー 勝ち残りの競争戦略
伊藤邦雄,日本経済新聞出版社,2010

本書「医薬品メーカー 勝ち残りの競争戦略」は,日本を含めた世界の製薬業界の現状について,その全体像を把握するのに非常に参考になる.製薬メーカーに勤めている人はもちろん,製薬メーカーが気になる学生や,医療費問題が気になる社会人なら読んでおいて損はないだろう.難しい内容ではないので,特に知識がなくても,誰でも読める.

一般の人が製薬業界に抱くイメージとして,「給料が高い」というのがある.実際,入手できる情報から判断すると,給料水準は他業界に比べて高い.製薬企業に転職した複数の人からも,「大幅に」給料が上がったという話を聞く.製薬メーカーの利益率がそれだけ高いということだが,このまま将来も順調に行きそうだとは必ずしも言えないようだ.

深刻な問題は2つある.1つは2010年問題と呼ばれるもので,ブロックバスター(売上数千億円規模の大ヒット医薬品)の特許が2010年前後に次々と切れるため,売上げが激減するという危機だ.日本の新薬メーカーでは,例えば,武田薬品のアクトス(糖尿病,売上3847億円)が2011年11月に,エーザイのアリセプト(認知症,3228億円)が2010年11月に,アステラスのプログラフ(拒絶反応,1867億円)が2008年4月に,米国で特許が切れる.遅れて2016年4月には,第一三共のオルメテック(高血圧,2383億円)の特許が切れる.これらはリストの一部に過ぎないが,影響の大きさがわかるだろう.

2008年における,特許が切れる製品群の医療用医薬品売上のに占める割合を見てみると,武田薬品が80%にも達しており,2010年問題の影響は極めて深刻であると思われる.その他,エーザイが60%,アステラスが30%,第一三共が20%といったところだ.海外のメガファーマで50%を超えているところはなく,武田薬品の80%は突出している.

もちろん,特許が切れたからと言って,病気がなくなるわけではない.薬への需要は継続して存在する.しかし,特許が切れれば,高価な新薬を使わなくても,低価で同じ薬効のジェネリック医薬品を使うことができるようになる.(まともな)医療機関としては,薬効が同一なのであれば,医薬品は安い方が良い.実際,アメリカでは,特許切れ後1年間で80%がジェネリック医薬品に置き換わるらしい.医療制度の違いなどがあり,日本ではそこまでジェネリック医薬品が一般化してはいない.

新薬メーカーとしては,ブロックバスターに代わる大型製品を上市したいところだ.しかし残念ながら,新薬開発は難しくなってきており,2010年問題の業績への影響は避けられないと予想されている.

これに追い打ちをかけるように,少子高齢化に伴い,医療費を抑制しなければならないと声高に叫ばれるようになってきている.これが2つめの深刻な問題だ.望ましいこととはいえ,医療費を総額で抑制すれば,売上は減る.この事態にも医薬品メーカーは対応しなければならない.ただし,医療費抑制が追い風となる医薬品も存在する.それが,低価なジェネリック医薬品および薬局等で処方箋なしに購入できるOTC医薬品である.ジェネリック医薬品やOTC医薬品のメーカーにはチャンス到来というわけだが,競争は熾烈であり,生き残りには優れた戦略が不可欠である.

では,どうすればいいのか.医薬品メーカーはどのような戦略を描いているのか.これが本書「医薬品メーカー 勝ち残りの競争戦略」の主題である.

基本的には,新薬開発における主戦場であった低分子薬には将来性がないため,新薬メーカーは開発の重心をバイオ医薬へと移すことになる.これは治療対象が生活習慣病領域からアンメット・メディカル・ニーズ(UMN)領域へと移ることを意味する.このような分析のをふまえて,伊藤氏は次のようにまとめている.

  1. ロシュは,UMN特化型モデルのリーディング・カンパニーとして先頭を走っている
  2. ファイザー,メルク,武田薬品などの優良企業は,これまでの生活習慣病領域に依存したビジネスモデルに固執したため,パラダイムシフトに乗り遅れた
  3. ノバルティスは多角化型モデルのリーディング・カンパニーとして先頭を走っており,それをGSK,サノフィがワクチンを足がかりに,新興国を中心に開拓する新たな多角化型モデルで追っている

ロシュは,本書で非常に高く評価されている.業界内で先陣を切って,アンメット・メディカル・ニーズ(UMN)領域へとシフトし,成功を収めているためだ.

アンメット・メディカル・ニーズ領域のニッチ市場を大企業であるロシュが牽引しているのは紛れもない事実である.

本来,優良企業は「収益力や競争優位を維持するための資源配分プロセスがある限り,売上規模が比較的小さい市場に資源を振り向けることはないし,またそうすべきでもない」.では,なぜ,大企業のロシュがいちはやくアンメット・メディカル・ニーズ領域に経営資源を配分することができたのか.

クリステンセンは,優良企業が破壊的技術を探り当てる方法について次のように述べている.「資本関係の有無はどうあれ,自社から独立したスタートアップ企業に実験させるとよい.ハングリー精神旺盛な小組織であれば,経済的な賭けに出ることも厭わず,また失敗してもへこたれず,市場に一番乗りしたことで得られるフィードバックに応じて製品やマーケティング組織を機敏に変更できる」

ロシュの成功要因は,そのベンチャー的組織風土にあるというわけだ.さらに,

  • 研究者の裁量を高めるホールディングス化という組織体制を構築することができた
  • 巧みなM&Aを通じて,中外製薬やジェネンテックなどの買収企業に自治を認め,自由な研究開発を促した

「こうした施策により,大企業でありながらベンチャー企業の先進性と機敏さを維持することができた」と評価されている.

一方,ファイザー,メルク,武田薬品などの優良企業がパラダイムシフトに乗り遅れてしまったのはなぜか.この問いに答えるために,伊藤氏はクリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を用いている.

(え~,このブログを読まれているような方であれば,「イノベーションのジレンマ」は知っていますよね.えっ,知らない!? ここで解説はしませんので,知らない方は本を読んで下さいね.)

医薬品業界には現在,2重の破壊的変化が起きている.ひとつは,低分子薬からバイオ医薬への新市場型破壊,もうひとつは,GE,OTCの急激な突き上げというローエンド型破壊である.これら2つの破壊的変化が同時に起きたからこそ,医薬品業界全体に激しく大きな揺らぎが生じ,それを受けて各社が戦略を転換したり,大再編が起きたりしているのである.

どちらか一方のジレンマのみでは,かつての優良企業であるファイザーやメルクや武田薬品が苦境に陥ることはなかったかもしれない.2重のジレンマが起こったからこそ,これら優良企業でさえ業界の構造変化の波に機動的に対応するのが遅れてしまったといえるだろう.

素人ながら,この分析には私は賛成しない.というのも,製薬業界の現状をイノベーションのジレンマという切り口から見る場合,当て嵌まる破壊的イノベーションは,ローエンド型破壊のみであって,新市場型破壊は当て嵌まらないと考えるからだ.実際,伊藤氏も新市場型破壊の2つの特徴のうち1つがバイオ医薬には当て嵌まらないことを認めている.それなのに,イノベーションのジレンマですべてを分析したように見せるのは,ちょっと無理があるのではないか.

さて,新薬メーカー以外にも注目すべき国内メーカーがある.例えば,小林製薬.本書「医薬品メーカー 勝ち残りの競争戦略」では,OTC市場で成功している企業の例として取り上げられている.

同社は,巨大市場をねらうのではなく,潜在的な需要のある市場に革新的な製品を投入することにより,比較的小規模な市場で圧倒的に高いシェアをとっていることが見て取れる.つまり,消費者が「あったらいいな」と思う問題解決型製品を投入することで,消費者に潜在的ニーズを認知させ,認知度の向上とともにシェアを高めているのである.まさに,市場創造型企業と言える.

経営方針を見ても,そのスタイルの一貫性がうかがえる.小林製薬は「創造と革新」をモットーとしている.ニッチ市場で画期的な製品を生み出して大きく育て,ナンバーワンを維持することに注力しているのである.

このようなことができれば苦労はしない!わけだが,では一体,小林製薬はどのようにして「創造と革新」を実現しているのか.本書によると,社長,開発部,社員などの内部からの提案に加えて,原材料メーカーや広告代理店など外部からのアイディアも積極的に取り入れているとのことだ.加えて,「創造と革新」を支える企業風土を醸成する仕組みとして,「さん付け呼称制度」と「社員提案制度」を採用している.

注目すべきは,「社員提案制度」の目的だろう.この制度の真の目的は,アイディアを集めることではなく,「消費者視点で考える」「わが社は開発型企業である」という2つの意識を社員に植えつけることだという.

さて,2010年問題を乗り越えて,日本の製薬企業は世界にその存在感を見せ付けることができるだろうか.頑張ってもらいたい.

目次

  • いま医薬品産業に何が起きているのか

第 I 部 2010年問題と新薬メーカーの戦略

  • 制度が与えるインパクト
  • 根底で起きている市場の変化
  • アンメット・メディカル・ニーズに特化する
  • 再燃する多角化と新興国市場
  • 迫られる戦略転換

第 II 部 医療費抑制政策とGE・OTCメーカーの戦略

  • 医療費抑制政策が与えるインパクト
  • 成長するGE市場での競争激化
  • 多様な戦略が考えられるOTC市場
  • 変わる競争ダイナミズム
11月 162011
 

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
松永和紀,光文社,2007

数年前,関西テレビ制作・フジテレビ系列放送のニセ科学番組「発掘!あるある大事典」のデータ捏造問題が発覚し,大きな社会問題となった.犯人以外のメディアは,こぞって「発掘!あるある大事典」を非難したが,彼らにその資格があったかどうかは(非常に控えめに言っても)甚だ疑問である.

本書「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」は,そのようなトンデモ報道の具体例を示しながら,なぜトンデモ報道が生まれ,しかもそれが罷り通るのかを解説している.データを捏造するという行為は,記者や番組制作者に倫理観がないことを明らかにしている.しかし,それだけではなく,記者や番組制作者に加えて,視聴者や読者に科学リテラシーがないことが問題を大きくしている.そもそも,あんな番組が放送されただけで,翌日に当該商品が店頭から消えるというのは馬鹿げている.

馬鹿げているのだが,それが日本の現実なので,本書のような啓蒙書が必要になるのだろう.しかし,啓蒙されるべき人たちは啓蒙書など読まないだろうから,問題が解決される見込みはなさそうでもある.東京電力の原発事故に端を発する放射能騒ぎを見ても,前途多難な感は拭えない.

本書で取り上げられている事例をいくつか紹介しておこう.

まず,そう言えば凄い騒ぎだったよなと,本書を読んで思い出したのが,環境ホルモン(内分泌攪乱物質)だ.精子が減って子供を産めなくなるとかいう報道が延々と繰り返されていた.その後,この問題はどうなったのだろうか.環境ホルモンという単語を聞く機会は全くなくなったが,偉大なる自然の浄化作用により,環境ホルモンは見事に消滅したのだろうか.

『環境ホルモン 人心を「攪乱」した物質』(日本評論社)によれば,政府は98年環境ホルモン対策に百数十億円の補正予算を計上.翌年以降も年額70億から80億円の予算を費やして,2002年まで委託研究を行い,多くの研究者が研究資金を受け取っています.研究者が人びとの不安を煽れば煽るほど,国が予算を捻出し研究費が潤沢になる,という構図でした.環境省も省に昇格する直前で,組織としての存在感を高めるべく,懸命でした.委託研究の結果をプレスリリースする際も,取材する記者に対して危険性を強くアピールしていた,と私は環境省記者クラブに所属していた記者から聞きました.

人に対する環境ホルモン作用が確認された物質は,現在のところありません.哺乳類についてもなく,化学物質に敏感に反応する魚(メダカ)で4物質の作用が確認されたのみです.しかもその作用は,人の尿中にあって,下水処理場が出す水に含まれる女性ホルモンよりも,はるかに低いものでした.結局,環境省のSPEED’98は2005年に見直され,リストは廃止されました.

諸外国では,環境ホルモンについて日本ほど騒いでいません.騒動に批判的な研究者の意見もマスメディアに折々登場しましたし,政府も落ち着いたもの.(中略)どうも日本だけが巨額の国費を注ぎ込み,多くは無に帰したのです.

ハーバード大学リスク分析センターは2004年,フォン・サール博士の研究をはじめとするさまざまな関連する研究結果を集めて詳細に調べた結果,ビスフェノールAは低用量においても人の健康には影響しないと発表しました.結局,低用量仮説は完全否定されました.ところが,この仮説が否定されたという重大事を,日本の新聞やテレビなどはまったくと言っていいほど伝えていません.その結果,「化学物質はどれも,信じられないほどの微量で影響する」などという誤解が広まったまま消えないのです.

松永氏はこのように指摘している.扇動的な報道に国民が焚き付けられた結果,莫大な国家予算を無駄にしてしまったというわけだ.「いや,環境省が主導した研究の結果,環境ホルモンの危険性が否定されたのであって,研究には意義があった」という意見があるかもしれない.そういう人には是非本書を読んでもらいたい.環境ホルモンなどないというのは,多くの企業や研究者にとって,あまりにも当然のことだったということがわかるだろう.

結局,多くのメディア従事者にとっては,扇動して視聴率と販売部数さえ稼げればそれでよく,事実を報道する責任など気にかけていられるかということなのだろう.

別の例として,食品添加物批判が取り上げられている.食品添加物が消費者から目の敵にされるようになったのは,週刊金曜日による「買ってはいけない」による.その後,「「買ってはいけない」は買ってはいけない」で徹底的に反駁され,週刊金曜日の「買ってはいけない」はトンデモ本に認定されたが,「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」(安部司,東洋経済新報社)の登場によって再び,食品添加物が注目された.

著者の松永氏は,食品添加物の「バッシングは科学的な根拠を欠いています」と指摘する.

その結果,意外なことに消費者にとって大きな不利益が生じています.(中略)「合成保存料・着色料不使用」などの表示で商品に付加価値を持たせようという動きがますます加速していますが,それはむしろ,添加物の使用増に結びついています.

研究者に尋ねてみると,ほとんどの人が十分に安全性評価が行われている合成着色料の方が安全だ,と断言します.しかし,添加物メーカーにしてみれば,合成着色料ではなく,高い天然色素を使ってもらう方が販売量も儲けも格段に増えるのです.食品メーカーや流通業者が添加物バッシングに踊らされるほど,安全性は下がり添加物メーカーは儲かる,という驚くべき現象が起きています.

コンビニ業界最大手のセブン-イレブンは2006年5月,調理パンで使用しているハムやソーセージ類から「リン酸塩」を追放しました.(中略)セブン-イレブンはウェブサイトのイラストで,リン酸塩を摂取しすぎると,「骨粗しょう症を誘因する」「キレる子どもが増加する」とハテナ記号をつけながらもうたっているのです.(中略)ハムやソーセージが原因で慢性的なカルシウム不足に陥ることなどあり得ないのです.なのに「キレる子ども」などという定義もはっきりしない脅し文句で宣伝しています.私は企業姿勢を疑いますが,雑誌などでセブン-イレブンの添加物減らしの取り組みは好意的に取り上げられているのが実情なのです.

多くの企業は必要最小限の食品添加物を科学的,合理的に使い,きちんと表示して消費者の理解を得ようとしています.そうした企業が批判され,「キレる」などという扇情的な言葉で宣伝する企業が得をする.そんな社会を今,メディアとその報道に振り回される消費者が作りだそうとしています.

こんなことを許していてはいけない,というのが本書の主張だ.

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」で著者の安部氏は,自分のことを,食品添加物の神様と呼ばれ,食品添加物を自在に操り,ヒット食品の数々を生み出してきたと紹介している.私もそれは凄いなと思って読んだのだが,松永氏は異を唱える.

プロの書き手,取材者であれば,著者が「食品添加物の神様と呼ばれた」と自ら書いていることに注目して本当かどうか検証し,添加物業界や日本食品衛生学会でこの著者を知る者が皆無であることに気付くべきでしょう.

えっ,そうだったの?と私も自らの不明を恥じるほかない.

上記の他にも,本書では,非科学的な無農薬信仰や,ニセ科学の定番である水からの伝言などが取り上げられている.義務教育にまで侵入している「水からの伝言」については,次のようなエピソードが紹介されている.

娘が学校から帰るなり,「今日,ものすごい授業があった」と教えてくれました.教師は「二つのびんにご飯を入れ,それぞれにバカとありがとうという紙を貼っておいたら,バカの方が早くカビが生えるそうですよ.バカなどという言葉を使ってはいけません」と説明しました.すると,聞いていた男の子がすかさず,「バカのびんにはつばがかかったんじゃないの?」と言い出したといいます.ところが,教師は無視.その授業を見学していた別の教師が,「関係ない話をするんじゃない」と叱りつけたそうです.

この男の子は物凄く優秀だろう.頭の回転が速い.ここで紹介されている学校で,その才能が潰されてしまわないことを祈ろう.

最後に,フリーライターとしての自身の経験も踏まえて,まともな科学報道がなされない理由が述べられている.

私自身は新聞記者を辞め,科学的に誠実であることと面白い読み物の両立を目指して仕事をしていますが,フリーのライターになって数年は収入があっても取材経費を引けばほとんど残らない,いえ赤字になってしまう,という状況でした.丹念な科学報道が軽視される構図は,マスメディアの底辺にあるフリーランスライターの業界だけにとどまりません.テレビ局や番組制作を請け負う会社,新聞社などさまざまな組織で,まともな取材をしてもお金にならない,評価につながらないというのが現実です.だからこそ,捏造問題まで起きるのです.

自分の身は自分で守れ.そのために,科学リテラシーを身に付けろ.

中学生,高校生の諸君,理科が嫌いとか言ってる場合じゃないぞ.テレビや雑誌の捏造報道に騙されないためにも,理科は勉強しておかないといけない.受験科目にないとかそういう問題ではないのだ.自分のために勉強するんだ.

目次

  • 健康情報番組のウソ
  • 黒か白かは単純すぎる
  • フードファディズムの世界へようこそ
  • 警鐘報道をしたがる人びと
  • 添加物バッシングの罪
  • 自然志向の罠
  • 「昔はよかった」の過ち
  • ニセ科学に騙されるな
  • ウソつき科学者を見破れ
  • 政治経済に翻弄される科学
  • 科学報道を見破る十カ条
11月 152011
 

週末にインテックス大阪で開催されたサイクルモードインターナショナル2011に行ってきた.基本的にイベントには全く参加しない方針だから,極めて異例のことだ.クロスバイク購入にかける意気込みが表れている.

様々な自転車に試乗する絶好の機会なので,とりあえず,PINARELLO DOGMA 2 Carbonのカンパニョーロ・スーパーレコード仕様とか,COLNAGOの名前も知らないけど凄そうなロードレーサーとかに乗せてもらった.いずれも完成車で80万円以上するような高級自転車だ.せいぜい2万円のママチャリに乗っている私からすると,異次元の世界だ.

な,な,なんなんだ,この軽さは! この速さは!! そして,このお尻の痛さは!!!

というのが試乗した正直な感想だ.とにかく,車体が軽い.片手で軽々持ち上がる.乗車してペダルを踏み込むと,一気に加速する.そして軽快なギアチェンジ.しかも,20段以上.変速機のないママチャリに乗っている私からすると,異次元の世界だ.自転車に乗って感激するとは思ってもみなかったが,それと同じくらい,お尻の痛さにも驚いた.サドル堅すぎ...

もちろん,ロードレーサーだけでなく,クロスバイクにも試乗した.購入候補にあがっているBianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)と,Raleigh RF7 Radford-7 (ラレー・ラドフォード7)はなかったので,その廉価版のRaleigh RFL Radford-Limitedだ.軽快感は高級ロードレーサーにかなわないものの,乗り心地において,Bianchi camaleonte 4が群を抜いていた.Raleigh RFL Radford-Limitedには,これといったインパクトがなかった.

試乗できたクロスバイク以外にも,様々なクロスバイクを見ることができた.「ショップ推奨クロスバイク:TREK FXとSpecialized Sirrus 2012年モデル」に,FXシリーズのフレーム接合部の溶接の仕上がりが雑に見えると失礼なことを書いたが,やっぱり美しくなかった.ただ,仕上がりはグレードによることが判明した.高級な7.7FXになると,溶接も綺麗に仕上げられている.つまり,下位モデルは溶接もそれなりというだけのことだ.溶接に関しては,明らかにBianchi camaleonteの方が美しい.だが,さらに美しいのは,PINARELLO TREVISO(ピナレロ・トレビソ)だった.溶接だけではなく,フレームの形状も色使いも実に綺麗で,気に入った.

PINARELLO TREVISO

PINARELLO(ピナレロ)のCITYというカテゴリーに,フラットバーロードのTREVISO(トレビソ)がある.2012年モデルは4色が用意されていて,スマートな白(White)と黒(BOB Matt)の他に,ド派手なSohoとChelseaがある.華やかなこの2色は大いに注目を集めており,みんな写真を撮っていた.

Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル
Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル

フレームの曲線が美しい.他のクロスバイクとは一線を画している.

白(White)と黒(BOB Matt)は非常に落ち着いたカラーリングになっていて,ロードバイクのようなカラーリングだった2011年モデルからは随分と変化している.

Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル
Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル

Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル
Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル

その一方で,フレームやコンポーネントには2011年モデルから変更はない.フレームはフルアルミで,SHIMANO SORA 9spが装備されている.この内容で128,000円というのは,確かに割高感が漂っている.例えば,同価格帯のBianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)であれば,カーボンフォークにカーボンバック,さらに新型Tiagra 10spが装備されている.Raleigh RF7 Radford-7 (ラレー・ラドフォード7)なら,新型Tiagra 10spで9万円を切る価格設定だ.

装備的にPinarello Trevisoが頑張っているのは,ホイールがSHIMANO R500である点だろうか.タイヤは700x23Cと細めだ.重量は約9.5Kgと軽く,試乗車は用意されていなかったが,クロスバイクの中では速いに違いない.

Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル
Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル

Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル
Pinarello Treviso (ピナレロ・トレビソ) 2012年モデル

サイクルモードに行くまでは,Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)に傾いていたのだが,PINARELLO TREVISO(ピナレロ・トレビソ)を見て,再び悩み出した.カタログスペックでは見劣りし,価格は高いのだが,最も優先するデザイン性において,TREVISOは秀逸だ.

ちなみに,Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)のデザインで好きでないところは,売りであるカーボンフォークとカーボンバックのデザインだ.アルミフレームと同色にせず,黒色であることは良いのだが,斑点模様のようになっているのが,あまり好みでない.実物を見て,あまり好きになれなかった.

Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル
Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル

そうであるなら,PINARELLO TREVISOしか選択肢が残っていないことになる.しかし,128,000円か.しかも,ペダルも付いていない.ライト,スタンド,ワイヤー,エアポンプなど必要なものを一式揃えると,15万円ってところか.しばらく悩もう.

ちなみに,長女6歳は,トレビソの白色が良いと言っている.

11月 142011
 

量子力学の解釈問題
コリン・ブルース(著),和田純夫(訳),講談社,2008

最先端の量子力学は,我々がパラレルワールドの1つに生きていることを明らかにしている.

こんな話を本で目にすることがあるのだが,最先端の量子力学どころか,初歩の量子力学も知らない私には何のことだかさっぱりわからない.しかし,本当のところ人間がどのような世界に存在しているのかということには非常に興味があるため,本書「量子力学の解釈問題」を読んでみることにした.実は,「ぼくらの頭脳の鍛え方」(立花隆,佐藤優,文藝春秋)で紹介されていたからというのが大きな理由でもある.

本書は,ニュートン力学はもちろん,アインシュタインの相対性理論からも不思議に見える量子力学の諸現象について,それらをどのように解釈すればよいかということを,量子力学の研究の歴史を辿りながら解説してくれる.手品といった身近な例にたとえながら説明してくれてはいるのだが,それでも理解するのは難しい.本書を一回通読してきちんと理解できる人は凄いと思う.

ここで概要や粗筋を解説するつもりはないが,本書が最も尤もらしい解釈として示しているのが「多世界解釈」である.例えば,あなたが宝くじを買う/買わない,買ったとして当選する/しないなど,この世は実に様々な可能性で満たされているわけだが,我々が実体験するのは,多数ある可能性のうちの,たった1つだけである.そして,我々は,我々が体験しなかった可能性は現実には存在しなかったと信じて生活している.しかし,多世界解釈は,そのような常識に異を唱える.すべての可能性は現実に存在しているのだと.宝くじを買ったあなたも/買わなかったあなたも,買って当選したあなたも/しなかったあなたも,すべてのあなたは実在しているのだと多世界解釈は主張する.残念なお知らせは,数多くの世界が実在しているにもかかわらず,あなたが宝くじを買ったが当選しなかった世界に,あなたは存在しているということだ.当然ながら,別の世界には,宝くじに当選したあなたが存在している.おめでとう!

胡散臭い話に聞こえるだろうか.これまでの人類の常識からすれば,確かに違和感があるだろう.しかし,量子力学の世界が示す現実の現象を,無理なく矛盾なく解釈するためには,このような多世界解釈が自然なのだという.

多世界解釈に至る前,量子力学の世界では「コペンハーゲン解釈」が一般的だった.これは,観測した瞬間に状態が収縮するという考え方だ.いまでもコペンハーゲン解釈を支持する研究者もいる.しかし,多世界解釈を支持する研究者の方が多いらしい.だが,もっと多いのは態度を決めかねている研究者だ.それもそのはずで,パラレルワールドの存在を信じていますと断言するのは科学者にとって勇気のいることだろう.

量子力学といえば,シュレーディンガーの猫を思い出す人もいるだろう.箱の中の猫は生きているのか死んでいるのか,そのどちらでもあり,どちらでもないという不思議な話だ.コペンハーゲン解釈では,猫の生死を観測するまでは,いずれの可能性もあり,観測した瞬間に状態が収縮して,猫の生死が決まると考える.一方,多世界解釈では,生きている猫も死んでいる猫も実在している.ただし,その2つの世界は互いに干渉しない.つまり,どちらの世界も別の世界を知ることはできない.

科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう!

目次

  • 不思議な世界
  • 従来の描像に固執すると
  • 推論による収縮
  • 拡大されたホラー物語
  • 先人の証言
  • ヒルベルト空間に移動せよ
  • 望まれる局所性
  • 多世界への導入
  • 多世界を利用する1―信じがたい観測
  • 多世界を利用する2―量子コンピュータ
  • 多世界解釈の推進者たち
  • 多世界の恐怖
  • 古典戦士―ロジャー・ペンローズ
  • 新時代の戦士―アントン・ツァイリンガー
  • 多世界解釈の証明と改良
11月 102011
 

2011年11月9日,東京にて,AEC/APC Symposium Asia 2011が開催されました.この国際会議については,ウェブサイト(日本語版)にて以下のように説明されています.

AEC/APC Symposiumは、半導体メーカーと装置、材料、ソフトウエア、センサー、メトロロジーメーカーが一堂に会し、データ指向、自動診断などを通じて、よりインテリジェントで高効率な生産システムの構築を議論する場を提供しており、毎年、世界3ケ所(欧(3~4月)、米(9~10月)、アジア(台湾・日本、11~12月開催))で開催されています。

今回は,2009年に引き続いて,チュートリアル講演を引き受けさせていただきました.ゴージャスなことに,同時通訳付きの国際会議です.朝早くから通訳者との打ち合わせをするということで,学会事務局に手配していただいた学士会館に宿泊しました.今回の招待講演は1時間で,同時通訳をして下さる方は2人でした.朝の打ち合わせで確認されたのは,主に,1)学術用語(日本語と英語の対応),2)講演全体および各スライドで伝えたいこと,でした.講演スライドは事前に送付してあったので,単語はすべて調べておられ,それで問題ないかの確認をしました.分野によって用語が異なるので,通訳の方も大変です.それにしても,同時通訳って凄いですよね.本当に感心します.

チュートリアル講演を聴講し,懇親会等でコメントなどを下さった皆様,ありがとうございました.ご挨拶させていただいた何名かの方々(かなり高い割合だったと思います)からは,ウェブサイトおよび本ブログを読んでますよとの声もかけていただきました.恐縮です.何かのお役に立てているようでしたら幸いです.

一方,懇親会で質問等をしようと思っていたのに,できなかったという方もおられるかもしれません.申し訳ありませんでした.講演を聴いていただいた方々の質問にはできるだけ回答したいと思っていますので,遠慮なくメールでご連絡下さい.あるいは,ブログのコメント欄に書いていただいても結構です.

結局,懇親会では何も食べられませんでしたが,多くの方から,講演内容が良かったと仰っていただき,大変嬉しく思っています.今回は,敢えて地味な内容に徹しましたので,刺激が足りないと思われた方もおられると思います.しかし,講演で指摘したとおり,基本をしっかり押さえておかないと,いくら最先端の手法を振り回しても,データ解析はうまくいきません.また,実践的な方法を身に付けて,適材適所で使えるようになっておくことも必要です.今回のチュートリアル講演では,そのような観点から,いくつかの手法を紹介させていただきましたが,しっかりとメッセージを受け止めて下さった方がおられたので,この講演内容で良かったのだろうと思っています.

ただ,これまでに様々な共同研究を実施してきた経験から,データ解析の文化を社内に根付かせるのが大変であることは承知しています.推進するためには,地道な活動と,目に見える成果が必要になってきます.その一助として,研究会や会社等での講演依頼がありましたら,都合がつく限り(これが難しいという噂はありますが),喜んで対応させていただきます.遠慮なく,ご連絡下さい.

また,相関型Just-In-Timeモデリングや局所PLSに興味を持たれて,その導入を検討してみたいという方がおられましたら,論文等の資料を紹介させていただきます.あるいは,これも都合がつけばということになりますが,京都までお越しいただければ(あるいは呼んでいただければ),情報交換もさせていただけると思います.

このように産業応用を志向した研究を実施し,成果を残せてきているのは,共同研究で一緒に技術開発に取り組んできた企業の方々のお陰です.心より感謝しています.引き続き,よろしくお願いいたします.

Just-In-Timeモデルの参考文献

局所回帰モデルの鉄鋼プロセスへの応用

  • 茂森弘靖, 長尾亮, 平田直人, 南部康司, 池田展也, 水島成人, 加納学, 長谷部伸治: “局所回帰モデルを用いた鋼材の品質制御”, 計測自動制御学会論文集, Vol.44, No.4, pp.325-332 (2008)
  • 茂森弘靖, 南部康司, 長尾亮, 荒木義, 水島成人, 加納学, 長谷部伸治: “制約付き局所回帰モデルを用いた鋼材の平面形状制御”, 計測自動制御学会論文集, Vol.46, No.8, pp.472-479 (2010)
  • Hiroyasu Shigemori, Shuji Kawamura, Manabu Kano, Shinji Hasebe: “Optimum Quality Design System for Steel Products through Locally-Weighted Regression Model”, Journal of Process Control, Vol.21, Issue 2, pp.293-301 (2011)

相関型JITモデル

  • Koichi Fujiwara, Manabu Kano, Shinji Hasebe, and Akitoshi Takinami: “Soft-Sensor Development Using Correlation-Based Just-In-Time Modeling”, AIChE Journal, Vol.55, Issue 7, pp.1754-1765 (2009)
  • Koichi Fujiwara, Manabu Kano, and Shinji Hasebe: “Development of Correlation-based Clustering Method and Its Application to Software Sensing”, Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems, Vol.101, Issue 2, pp.130-138 (2010)
  • Koichi Fujiwara, Manabu Kano, Shinji Hasebe: “Development of Correlation-Based Pattern Recognition Algorithm and Adaptive Soft-Sensor Design”, Control Engineering Practice, in press

局所PLS

  • Sanghong Kim, Manabu Kano, Hiroshi Nakagawa, Shinji Hasebe: “Estimation of Active Pharmaceutical Ingredients Content Using Locally Weighted Partial Least Squares and Statistical Wavelength Selection”, International Journal of Pharmaceutics, in press
11月 092011
 

クロスバイクネタで爆走中の本ブログだが,本業の研究でも大変お世話になっている企業の方から,クロスバイクについてのメールが届いた.恐らく最初の記事「クロスバイク≒(ロードバイク+マウンテンバイク)/2に興味あり.京都で人気の自転車屋さん」を読んでいただいたのだろう.

そのメールによると,長年愛用したマウンテンバイクからクロスバイクに乗り換えてみようと,自転車のことをよく知る方々に意見を求めたところ,1)フルカーボン以外は自転車ではない,2)30万円以下は自転車ではない,というアドバイスを受けたという.ハッキリ言って,10万円以下のクロスバイクをデザインで選ぶと宣言し,ビアンキに飛びついている素人とは次元が異なる.

アドバイスに従い,フルカーボンのクロスバイクを探したところ(およそ有り得ない話だが),1台しかなく,それもホワイトで気に入らなかったとのこと.そこで,なんと,フルカーボンのFELTのロードレーサーを購入し,フラットバーに換装したという.最近ようやく納車された,そのなんちゃってクロスバイクは,無茶苦茶速いそうだ.そりゃそうだろう.あまりに凄すぎる話だ.

この話を聞いて,私も考えた.Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)を候補に挙げているが,それよりも派手なBianchiのロードバイクを購入し,それをフラットバーに換装すればいいのではないかと.そうすれば,街で他には見掛けない,なんちゃってクロスバイクができると.

しかし,ママチャリしか乗ったことがない素人がそんなことを考えてはいけない.ここは冷静になるべきだ.

Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4)

現実的に,Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)からグレードを上げるとどうなるか.当然ながら,Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデルになる.

Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル SILVER
Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル SILVER

このcamaleonte 4はcamaleonte 3と大きく異なる.まず,フロントとリアのフォークがカーボンになる.それだけでなく,サドルポストなどもカーボンらしい.さらに,シフターやディレーラーなどがShimano TIAGRAで統一されている.そして,極めて重要なのが,リアエンド幅が130mmになることだ.かなりクロスバイク寄りのcamaleonte 3はリアエンド幅が135mmで,ロードバイク用のホイールをそのままはかせることができない.ところが,camaleonte 4はそれができる.

素人が購入するには,なんともゴージャスな仕様だ.もちろん価格も大きく異なる.camaleonte 4は定価で126,000円もする.いかにフロントとリアのフォークがカーボンだといっても,この価格はどうだろうか...

Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル CELESTE
Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデル CELESTE

ちなみに,Bianchi camaleonte 4(ビアンキ カメレオンテ 4) 2012年モデルには,CELESTE,SILVER,MATT BLACKの3色が用意されている.

楽しい悩みは尽きない...しかし,調べれば調べるほど,実車を見てみないと判断できないと思える.今週末に,サイクルモードインターナショナル2011がインテックス大阪で開催されるそうなので,思い切って参加してみようか.試乗もできるらしいので.

11月 092011
 

クロスバイク≒(ロードバイク+マウンテンバイク)/2に興味あり.京都で人気の自転車屋さん」でBianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)を候補に挙げ,「クロスバイク検討中:Raleigh Radford-7とBASSO DEVIL 2012年モデル」で高評価のフラットバーロード2種を取り上げた.

とりあえず実車を見てみないことには始まらないというわけで,京都で評判の良いコセキサイクリングというスポーツバイク屋さんに行ってきた.店員さんに「クロスバイクに興味がある素人です」と告げると,「とりあえず乗ってみるか」とTREK 7.3 FXに試乗させてもらい,「カタログを見るか」とTREKとSPECIALIZEDのカタログをもらった.この2つが人気もあるからということだった.

TREK 7.3 FXに,というかクロスバイクに初めて乗った感想だが,期待したほど軽い!と感激することはなかった.もちろん軽いのだが,タイヤが700x32cと太めなこと,フィットネスバイクとの位置付けで,それほど軽量ではないことが原因なのかもしれない.小さめのフレームで少し窮屈に感じたが,乗った感じはママチャリと比べても全く違和感がなかった.タイヤも細めでも大丈夫そう.

TREK 7.5 FX

アルミフレームとカーボンフォークで予算10万円以内というと,TREKの候補はTREK 7.5 FX (トレック・7.5FX) 2012年モデルになる.TREK FXはフィットネスバイクと呼ばれ,コンポーネントはShimano DeoreやSoraなど実に様々なものの混合構成だが,7.3FXと異なり,7.5FXのタイヤは70x28Cと細めになる.

TREK 7.5 FX (トレック・7.5FX) 2012年モデル
TREK 7.5 FX (トレック・7.5FX) 2012年モデル

TREK FXシリーズはクロスバイクのスタンダードであり,特に7.3FXはカラーバリエーションも豊富で入門用クロスバイクとしてよく知らていれる.愛用者も多いようだ.しかし,FXシリーズで気になるのは,フレーム接合部の溶接の仕上がりが雑に見えることだ.写真でフレームの接合部をよく見ると,波打っているのがわかる.例えば,同価格帯のBianchi camaleonte 3の同じ部分を見ても,そのようなことはなく,綺麗に仕上がっていることが確認できる.他メーカーも同様だ.

そんなことを気にするなという意見もあるかもしれないが,クロスバイクをデザイン重視で選ぼうと考えている者からすれば,溶接や塗装の綺麗さは重要なチェックポイントになる.というわけで,TREK FXシリーズは候補から外れるだろう.

Specialized Sirrus Elite

アルミフレームとカーボンフォークで予算10万円以内というと,Specializedの候補はSpecialized Sirrus Elite (スペシャライズド・シラス・エリート) 2012年モデルになる.Specialized Sirrusはマルチユースバイクと呼ばれ,街乗りを含め何にでも使えるクロスバイクという位置づけになっている.コンポーネントはShimano AlivioやAceraが中心で,マウンテンバイク寄りの構成になっているようだ.タイヤは700x28cと普通のサイズになっている.

Specialized Sirrus Elite (スペシャライズド・シラス・エリート) 2012年モデル
Specialized Sirrus Elite (スペシャライズド・シラス・エリート) 2012年モデル

これも良いクロスバイクのように思えるが,色がBLUE(濃紺)しかない.今回は,単色の黒や紺など濃い色のクロスバイクを選ぶつもりが(今のところは)ないため,Specialized Sirrus Eliteも候補から外れるだろう.

11月 092011
 

クロスバイク≒(ロードバイク+マウンテンバイク)/2に興味あり」に書いたとおり,クロスバイクを購入するつもりでいる.10万円でお釣りが来るクロスバイクの有力候補として,イタリアの老舗メーカーであるBianchi(ビアンキ)camaleonte 3(カメレオンテ 3)を挙げたが,その他にも候補がある.

Raleigh Radford-7 (ラレー・ラドフォード7)

真剣に調査した結果,クロスバイクというよりは,むしろフラットバーロードになると思うが,Raleigh Radford-7 (ラレー・ラドフォード7) 2012年モデルが非常に魅力的に見える.アルミフレームとカーボンフォークで,全体がSHIMANO TIAGRAで統一されている.しかも,リア10段の新型ティアグラだ.重量はわずか9.3Kg.これで定価が9万円以下というのは凄い気がする.

Raleigh Radford-7 (ラレー・ラドフォード7) 2012年モデル
Raleigh Radford-7 (ラレー・ラドフォード7) 2012年モデル

Raleigh RF7は確かに素晴らしいのだが,いくつか気になる点がある.まず,デザインが直線的でシンプルなこと.恐らく,それが本来の姿だと思うが,個人的に曲線的で華やかなデザインが好きだ.次に,ハンドルステムやサドルポストが銀色なこと.カーボンフォークに合わせてブラックとかの方が好きだ.そして,タイヤが700×25Cと細いこと.フラットバーロードなのだから,25Cでも細くはないのだろうが,通勤や街乗りをメインに考えている者としては,パンクを気にするのも嫌だし,28Cがよいのではないかと思っている.いずれも,完全に好みの問題だが.

BASSO DEVIL(バッソ・デビル)

もう1つのフラットバーロード系の候補は,BASSO DEVIL (バッソ・デビル) 2012年モデルだ.名前はいまいちだが,デビルもアルミフレームとカーボンフォークで,重量はわずか9.4Kg.タイヤは700×25Cで,Raleigh RF7と同様に,走るフラットバーロードだと思われる.RF7と比べると,デザインは派手めで,ハンドルステムやサドルポストは黒く,定価は84000円と少し安いが,リアディレーラーが8spのSHIMANO RD-2300であるなど,コンポーネントが廉価版になっている.だからどうしたという話もあるが...

BASSO DEVIL(バッソ・デビル) 2012年モデル
BASSO DEVIL(バッソ・デビル) 2012年モデル

当たり前だが,なかなか「これだ!」というのはないものだ.

11月 062011
 

クロスバイクを買いたいと思っている.

今乗ってるのは,多分15年以上前のママチャリだ.とりあえず動くというレベル.決して,その自転車で遠くへ出掛けたいとは思わないし,通勤にも使おうとは思わない.変速機もついていないので,桂キャンパスへ向かうあの坂を登る気は全くしない.

自分でも何がきっかけかわからないが,ちょっと良い自転車に興味を持った.不精者の私のことだから,ロードレーサーなんて買っても宝の持ちぐされで,すぐにメンテナンス不良で壊してしまうにちがいない.真剣に自転車に乗るつもりでもない.それでも,格好良い自転車で街中を颯爽と駆け抜けてみたいので,流行のクロスバイクに目を付けたというわけだ.

クロスバイクの定義はどうも曖昧なようだが,オンロードでの高速走行を目指すロードバイクと,オフロードでのタフな走りを目指すマウンテンバイク(MTB)の中間的な自転車ということらしい.その起源は,扱いやすいマウンテンバイクにロードバイクの細いスリックタイヤをはかせたことという説を見掛けた.気軽に快適なサイクリングや街乗りを楽しむという観点から,巧妙な組み合わせなのだろう.

例によって,買い物をする前には入念に調査する.様々なウェブサイトを覗いてみたが,初心者向けの解説としては,「クロスバイク初心者ナビ」なんかが情報も新しく充実していると感じた.凄い数のクロスバイク関連サイトがあるが,楽天へのリンクだらけで実に鬱陶しく,見苦しく,品がないのが多い...

京都で評判のサイクルショップ(自転車屋)

実際にクロスバイクを購入しようというわけだから,まず,自宅近辺で評判の良いサイクルショップ(自転車屋)を探す必要がある.まだ足を運んでいないが,あちこちで勧められていたのは以下のようなサイクルショップだ.

これらの他に,スポーツバイクを扱っているチェーン店には以下のようなサイクルショップがある.

いずれも実際に利用したことがある店だ.チェーン店なので敷居が低い.ただ,探索中に「きゅうべえの整備が良くない」という購入者の指摘を複数見掛けたのは気になるところだ.

Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)

もちろん最大の問題は何を買うかだ.ド素人が訳も分からずに高級車を購入しても勿体ないだけだろうし,そもそもそんな自転車用資金もない.しかし,安物買いの銭失いになるのは最悪だ.この機会に自転車に乗る楽しさというものを味わってみたい.そこで,予算を,本体以外に必要な小物なども含めて10万円以下とする.これ以上のクロスバイクには見向きもしない.

クロスバイクを選択する基準については,最も重要な評価基準をデザイン(ブランド力も含む)とする.いくら高性能でも好きになれないクロスバイクでは意味がない.乗る喜びだけでなく,所有する喜びというのも大切だ.この点については,自分の性格はハッキリしている.続いて,通勤を含む京都市街での街乗りが中心となるため,乗り心地と軽さを重視して,フレームがアルミ,フロントフォークがカーボンのものを優先する.スマートさに欠けるので,サスペンションはつけたくない.そして,予算の許す範囲でコンポーネントの良いものを選ぶことにする.

このような基準を掲げて(要するにデザインで決めるというだけの話だが),様々なメーカーのサイトやカタログを眺めた上で,有力候補にあがったのが,イタリアの老舗メーカーであるBianchi(ビアンキ)camaleonte 3(カメレオンテ 3)だ.

Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3) 2012年モデル CELESTE
Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3) 2012年モデル CELESTE

このBianchi(ビアンキ)は,CELESTE(チェレステ)という鮮やかな青緑色がシンボルカラーなのだそうだ.凄い人気らしいが,私の好みはWHITE/RED(白&赤)かもしれない.ちなみに,長男8歳はWHITE/CELESTE(白&チェレステ)が一番良いと言っている.

Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3) 2012年モデル WHITE/RED
Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3) 2012年モデル WHITE/RED

Bianchi camaleonte 3(ビアンキ カメレオンテ 3)の2012年モデルは,フレームがALUMINIUM,フォークがCARBON/ALUとなっている.コンポーネントはマウンテンバイク向きのShimano ALIVIO/ACERAで,シフターがACERA,前後のディレイラーとクランクセットがALIVIO,前3×後9の27段変速となっている.多くのパーツがシマノ製だ.タイヤはクロスバイクに多い700x28C.標準的なクロスバイクではないだろうか.まあ,これで定価が税込み84,000円なので,コストパフォーマンスが悪いと言われたりもするのだろう.

なお,Bianchi(ビアンキ)のROMAシリーズなどは日本専用モデル(イタリアはもちろん海外では設定されていない)として知られているが,イタリアやアメリカのウェブサイトなどを確認したところ,camaleonte(カメレオンテ)も一部を除いて日本モデルのようだ.恐らく,台湾で製造しているのだろう.台湾は世界最大の自転車メーカー,その名もGIANTを擁しており,コストパフォーマンスの高さで知られる.

日本専用モデルと言えば,日本で非常に人気の高いカナダのLOUIS GARNEAU(ルイガノ)もそうだ.日本で販売されているルイガノのバイクは,日本メーカーが企画している.

とまあ,これくらい調べたところで,サイクルショップに行って,アドバイスをもらうことにしよう.