12月 252011
 

私は,何かを買うとき,徹底的に調べてからでないと買わないタイプです.クロスバイクについても,本やネットで勉強し,スポーツサイクル店に通い,サイクルモードインターナショナルで高級ロードレーサーの試乗もし,様々なモデルを比較した上で,自分なりに評価して,最終的にフラットバーロードバイクGIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)2012年モデルを購入しました.

購入までの紆余曲折については,「フラットバーロードバイクGIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)2012年モデルを購入するまでの経緯まとめ」にまとめてあります.また,自転車を選ぶのと同じくらい(もしかするとそれ以上に)重要な自転車屋さんのことについては,「京都でおすすめのコセキサイクリングセンター:GIOS ULTIMO購入時の対応が素晴らしかった」に書きました.

クロスバイクを選ぶとき,デザイン重視の人もいれば,とにかく安いのが欲しいという人もいるでしょう.コルナゴやピナレロなど自転車レースで有名なヨーロピアンブランドのクロスバイクしか眼中にない人もいれば,ジャイアントのようにコストパフォーマンスの良いブランドを好む人,ルイガノのようなファッション性の高いブランドが好きな人,街で同じバイクに乗っている人には遭遇したくないというマニアック路線な人もいるでしょう.何を基準にクロスバイクを選ぶかについては,正解も不正解もありません.自分にとって良いバイクが良いバイクです.

それでも,クロスバイクの基本について,ロードバイク(ロードレーサー)やマウンテンバイク(MTB)と何が違うのかということも含めて知っておけば,ワンランク上の選択(価格が上という意味ではなく)ができるはずです.そこで,私のように初めてクロスバイクを購入するという初心者向けに,クロスバイク/フラットバーロードの選び方のポイントをまとめておきます.どのバイクが良いかは人それぞれですので,おすすめを紹介するつもりはありません.自分で決めて下さい.

GIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)2012年モデル
GIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)2012年モデル

クロスバイクの各部分・パーツの名称

良いクロスバイクを選ぶには,まず,クロスバイクの各部分(パーツ)の名称を覚えておく必要があります.そうでないと,クロスバイクの選び方について書かれた記事を読んでも意味がわかりませんから.

クロスバイクの各部分・パーツの名称(1)
クロスバイクの各部分・パーツの名称(1)

クロスバイクの各部分・パーツの名称(2)
クロスバイクの各部分・パーツの名称(2)

クロスバイクとは?

自転車にはいろいろな種類があります.日本で一番有名なのはシティサイクル(ママチャリ)でしょう.日常生活の足として使うことだけが目的のシティサイクル(ママチャリ)とは違い,競技(レース)用に作られている自転車があります.それが,ロードバイク(ロードレーサー)やマウンテンバイク(MTB)です.

ロードバイク(ロードレーサー)は,徹底的な軽量化によって,舗装路(オンロード)での高速走行を目指しています.このため,フレーム(本体)にはアルミやカーボンが多く使われ,路面抵抗を小さくするために非常に細いタイヤをはいています.一方,マウンテンバイク(MTB)は,舗装されていない悪路(オフロード)でのタフな走りを目指しています.このため,本体やパーツは頑丈に作られており,サスペンションも装備され,凄く太いタイヤをはいています.

クロスバイクとは,このロードバイクとマウンテンバイクの中間的な自転車です.凸凹道も平気なマウンテンバイクは,街中の段差なんて全く気にせずに乗れますが,とても重いので,ロードバイクのように舗装路を速く快適に走ることはできません.要するに,街中では,マウンテンバイクはロードバイクに全く歯が立たないわけです.そこで,扱いやすいマウンテンバイクにロードバイクの細いスリックタイヤをはかせて,街で速く快適に走れるようにしたのがクロスバイクの始まりです.さらに,タイヤだけでなく,変速機などのパーツも適材適所で,マウンテンバイク用のものを使ったり,ロードバイク用のものを使ったりすることで,クロスバイクは多様化してきました.

このため,ほとんどマウンテンバイクのようなクロスバイクもあれば,ほとんどロードバイクのようなクロスバイクもあります.しかし,どうやら,レース用自転車でお馴染みのドロップハンドルではなく,まっすぐなフラットバーハンドルであることが,クロスバイクの条件のようです.特に,ロードバイクのドロップハンドルをフラットバーハンドルにしただけのようなクロスバイクを,フラットバーロードバイクと呼ぶようです.

私が購入したGIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)は,クロスバイクですが,ロードバイク用のパーツばかりを使っているため,フラットバーロードということになります.

目的を明確に! クロスバイクにどのように乗りたいのか?

クロスバイクの選び方について調べると,通勤や週末サイクリングといった目的別にクロスバイクを分類していることが多いようです.しかし,同じ通勤でも,ロードバイク並みに車道を高速で走りたい人もいれば,歩道を中心にとにかく快適に移動したい人もいるでしょう.サイクリングにしても,100kmを超えるような長距離を速く駆け抜けたい人もいれば,のんびりと景色を楽しみながら気軽に走りたい人もいるでしょうし,舗装道路(オンロード)を中心に走るつもりの人もいれば,山や川に行ってオフロードを楽しむつもりの人もいるでしょう.このため,クロスバイクを選ぶときには,もちろん目的を明確にすることが最も重要なのですが,どのような乗り方をしたいのかをイメージしておく必要があります.そうでないと,「こんなはずじゃなかったのに」ということになりかねません.

「クロスバイクとは?」に書いたように,クロスバイクは,舗装路(オンロード)での高速走行を目的としたロードバイクと舗装されていない悪路(オフロード)でのタフな走りを目的としたマウンテンバイクの中間的な自転車ですから,クロスバイクを選ぶときには,基本的に,この2つの両極の間のどこを狙うかということになります.そこで,ロードバイクとマウンテンバイクの違いを下表に簡単にまとめておきます.

クロスバイクの分類と選び方
クロスバイクの分類と選び方

この違いから,クロスバイクを選ぶときのポイントをまとめてみます.

  • 山や河へ行って,悪路(オフロード)をガンガン走りたいなら,サスペンション付きでタイヤの太いクロスバイクを選びましょう.細いタイヤのロードバイクで悪路(オフロード)は走れません.
  • 舗装道路(オンロード)をとにかく速く走りたいなら,できるだけ軽く,タイヤの細いクロスバイクを選びましょう.サスペンション付きなんて論外です.
  • 舗装道路(オンロード)を軽快に走りたいけれど,歩道など段差があるところでも大丈夫で,乗り心地が良い(ガタガタと振動しない)クロスバイクが欲しいという人は,サスペンションなしで,タイヤが太めのクロスバイクを選びましょう.
  • ロードバイクとマウンテンバイクのハイブリッドであるスポーツ系クロスバイクには,泥よけ(マッドガード),カゴやキャリア,スタンドが付いていません.これはクロスバイクとシティサイクル(ママチャリ)との大きな違いです.買い物など普段使いがメインになる場合,泥よけ,カゴ,スタンドが最初から付いているか,少なくとも後から取り付けられるクロスバイクを選びましょう.

もちろん,クロスバイクを選ぶときには,価格も重要です.予算内で買えるクロスバイクしか買えません.それでも,高価なクロスバイクが安いクロスバイクとどう違うのかは知っておいた方がよいと思います.そもそも,クロスバイクが欲しいと思っている人,それもクロスバイクの選び方を調べているような人は,シティサイクル(ママチャリ)に満足せず,もっと速く走りたいなどの目的意識を持って,これまでよりも良い自転車に乗ろうとしているはずです.そうであるなら,「これならママチャリと変わらないよ」なんてことにならないように,買った後で後悔しないためにも,購入前にしっかり勉強し,試乗もしておきましょう.

良いものを使ったことがない人には,良いものの何が良いのかわからないものです.だから,自分は買えないとしても,高級車を試乗させてもらうことには意味があります.私も,サイクルモードインターナショナルで,ピナレロやコルナゴの最高級ロードレーサーに試乗させてもらい,量産型クロスバイクとの比較で,その軽さと速さに衝撃を受けました.その衝撃がクロスバイク選びに大きな影響を与えたことは確実です.

私が購入したGIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)はかなりロードバイクに近いクロスバイク(フラットバーロード)ですが,その選択に際しては,上記の「舗装道路(オンロード)をとにかく速く走りたいなら,できるだけ軽く,タイヤの細いクロスバイクを選びましょう」に従っています.重量は10kg以下と軽く,タイヤは700x25Cという細いタイヤをはいています

フレームとフォークの材質

速さを追求するロードバイクには,軽いことと剛性が高い(加えた力が無駄なく推進力になる)ことが求められます.軽量で高剛性なバイクを作るために,フレーム(本体)やフロントフォーク(前輪をはさむ部分)の材質も進化してきました.現在,ロードバイクのフレーム材質は軽量なカーボン(炭素)が主流になっています.

クロスバイクにも同様に軽さが求められますが,フルカーボンフレームは高額になってしまうため,アルミ製フレームをよく見掛けます.また,フレームはアルミでも,シートステーをカーボンにしたもの(カーボンバック)やフロントフォークをカーボンにしたもの(カーボンフォーク)があります.部分的にカーボン素材を用いることで,バイクを軽量化できることに加えて,乗り心地が良くなる場合もあります.

アルミ製フレームの特徴は,軽くて剛性が高いことです.剛性が高いほど,加えた力を無駄なく自転車に伝えることができるため,速く走れます.ところが,剛性が高いということは,固いということでもあるため,路面の凸凹がダイレクトに体に伝わって,乗り心地は悪くなる傾向があります.

もう1つ,クロスバイクの代表的な素材に,クロモリ(クロムモリブデン鋼/クロムモリブデンスチール)があります.クロモリは,鉄に極僅かのクロムやモリブデン等を添加した低合金鋼の一種であり,高い強度を誇りますが,基本は鉄であるため,カーボンやアルミに比べてどうしても重くなります.また,ステンレス鋼(ステンレススチール)ほどクロムを含んでいないため,腐食耐性も十分とはいえず,錆びやすいとされます.それでも,乗り味が良いという理由から,自転車愛好家の中には,クロモリを好む人も多いようです.

それでは,材質についてまとめておきましょう.とにかく速くて軽いクロスバイクが欲しいなら,フルカーボン製のフレームを選びましょう.ただし,10万円以下では買えません.20万円前後になるでしょう.そこまで高いクロスバイクは必要ない(買えない)が,できるだけ軽いのが欲しいという人は,アルミ製フレームで,カーボンフォークやカーボンバックのクロスバイクを選びましょう.カーボンフォークのクロスバイクは種類が多いため,好きなブランドやカラーのクロスバイクを選ぶことができます.フロントフォークだけでなくシートステーもカーボン製のカーボンバックになると,そのぶんだけ軽いですが,価格は高く,選択肢も狭くなります.他方,乗り味が大切であったり,固くて乗り心地が悪いのは嫌だという人,さらに細いフレームが好きだという人は,クロモリ素材のクロスバイクを選ぶとよいでしょう.

ただし,材質だけでバイクの特徴が決まるわけではありません.同じカーボン製であっても,同じアルミ製であっても,同じクロモリ製であっても,製造方法や形状が異なれば,固さや乗り心地は異なります.このため,できれば試乗するのがよいのですが,試乗どころか実車を見ることさえ難しい場合も多いので,少なくとも,事前に口コミを調べるなどすることをお勧めします.

クロスバイクの重量については,10kg以下なら軽い方だと考えてよいでしょう.これまでシティサイクル(ママチャリ)にしか乗ったことがないという初心者であれば,10kgでも軽いと感じるはずです.中には8kg以下の超軽量クロスバイクもありますが,軽くなればなるほど,価格も高くなる傾向があります.

力強いカーボンフレームと細いクロモリフレーム
力強いカーボンフレームと細いクロモリフレーム

ジオメトリ(サイズ)

シティサイクル(ママチャリ)の場合,車輪の直径が何インチかで,自分の体に適したサイズの自転車を選ぶのが普通です.ところが,ロードバイクやクロスバイクの場合には,車輪の大きさではなく,フレームサイズ(カタログに500mmなどと書いてあるシートチューブ長)で選びます.サイズが合っていない自転車に長時間乗ると,体を痛めてしまうこともあるので,くれぐれも注意しましょう.しっかりした自転車屋さんであれば,身長だけでなく,股下や手の長さも考慮して,体型にあったフレームサイズを教えてくれます.

いくつかのクロスバイクを見れば,フレームにも様々な形状があることに気付きます.つまり,フレームサイズ(シートチューブ長)が同じであっても,フレームの形状は異なり,適する体型も異なるということです.前傾姿勢で乗車するクロスバイクでは,特にトップチューブ長が重要になります.トップチューブ長が自分の体型に合っていないと,極端な前傾姿勢になったり,上半身が立ったりして,正しいペダリングができなってしまいます.こうなると,体のあちこちが痛くなったりしますから,特に初心者は,しっかりした自転車屋さんで体型にあったサイズを教えてもらうようにしましょう.

タイヤの幅

クロスバイクの特徴は,はいているタイヤに左右されます.細いタイヤをはけば,ロードバイクのような軽快な走りが期待できますが,路面の凸凹を拾って,乗り心地は悪くなります.逆に,太いタイヤをはけば,マウンテンバイクのような安定した走りが期待できますが,軽快さはなくなります.

ただし,タイヤはクロスバイクを購入した後でも交換できます.そのときに,タイヤ幅も変更できるので,購入時に標準で付いているタイヤに拘りすぎる必要はありません.それでも,多くの人は最初に付いているタイヤで長く乗るでしょうから,あまりにも自分の目的とかけ離れたタイヤは避けた方が良いでしょう.

クロスバイクのタイヤは,「ホイール直径×タイヤ幅」の2つの数字で表されます.例えば,GIOS ULTIMO(ジオス・ウルティモ)2012年モデルに標準でついているのは,700×25Cというロードバイク並みに細いタイヤです.一般的なクロスバイクの場合,ホイール直径は700C(700mm),タイヤ幅は28~32C(28~32mm)が多いようです.

タイヤ幅は変更できると書きましたが,1つだけ注意すべきことがあります.それは,フレームのリアエンド幅です.マウンテンバイク寄りのクロスバイクの場合,太いタイヤ向けのホイールを付けるために,リアエンド幅が135mmになっています.一方,ロードバイク寄りのクロスバイクの場合,リアエンド幅は130mmです.リアエンド幅が135mmのクロスバイクには,細いロードバイク用のホイールを取り付けられません.具体的な例を挙げると,人気のBianchi camaleonte 4はロードバイク寄りでリアエンド幅が130mmですが,下位モデルのBianchi camaleonte 3はマウンテンバイク寄りでリアエンド幅が135mmのため,ロードバイク用のホイールをそのままはかせることができません.

ちなみに,この人気の2モデルはタイヤ幅以外の違いも大きく,camaleonte 4では,フロントフォークとシートステーに加えて,シートポストなどもカーボン製で軽量化が図られています.さらに,camaleonte 4では,シフターやディレイラーなどがロードバイク用のShimano TIAGRAで統一されており,マウンテンバイク用パーツを多く利用しているcamaleonte 3とは性格が異なります.

方向性の異なる2つのビアンキ・カメレオンテ
方向性の異なる2つのビアンキ・カメレオンテ

コンポーネント(変速機など)

初心者がクロスバイクを選ぶときの指標としては,あまり重要ではありません.しかし,クロスバイクについて調べていくと,どうしても気になるのがコンポーネントです.このため,一応,説明しておきます.

コンポーネントとは,自転車本体以外で必須の,クランク,フロントディレイラー,リアディレイラー,スプロケット,シフター,チェーン,ブレーキなど変速機等の部品の総称です.これまでシティサイクル(ママチャリ)しか乗ったことがない人は,変速機と言われても,3段とか7段とかいう段数の違いくらいしかイメージできないものです.ところが,自転車オタクはコンポーネントの違いで自転車の格付けを行うようです.下手をすると,自転車どころか,乗り手の格付けもされかねません...気になりますね.

コンポーネント・メーカーとしては,日本が誇る自転車界最大手のシマノ(SHIMANO)やイタリアのカンパニョーロ(Campagnolo)が有名です.これらのメーカーは,ランクの異なる,そして価格も異なる複数のコンポーネントを供給しています.5万円以下の廉価モデルは別として,10万円前後するようなクロスバイクには,シマノ(SHIMANO)のコンポーネントが利用されていることが多いようです.そこで,シマノ(SHIMANO)のコンポーネントについて簡単に紹介します.

ロードバイク用コンポーネント

  1. DURA-ACE(デュラエース):ロードバイク用コンポーネントの最高峰
  2. ULTEGRA(アルテグラ)
  3. 105
  4. TIAGRA(ティアグラ)
  5. SORA(ソラ)
  6. Shimano 2300:入門用

マウンテンバイク用コンポーネント

  1. XTR:マウンテンバイク用コンポーネントの最高峰
  2. Deore XT
  3. SLX
  4. Deore(ディオーレ)
  5. Alivio(アリビオ)
  6. Acera(アセラ):入門用

ブランド/デザイン

色々書きましたが,最低限知っておくべき基礎知識を身に付けたら,後は,自分が好きなブランド,自分が好きなデザインのクロスバイクを買えばよいと思います.自分が乗るのですから,自分が気に入ったクロスバイクが良いに決まっています.

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