9月 142012
 

長良川国際会議場で開催された国際会議IFAC MMM 2012の第一日目夕方,ソーシャルイベントとして,ぎふ長良川の鵜飼を観に行った.会議場に接続している岐阜都ホテルから,チャーターしたバス2台で鵜飼観覧船のりばへ.観覧船も2隻を借り切り,AグループとBグループに分かれて乗船.

外国からの参加者も多いため,ボランティアの通訳の方2名に協力していただいた.2人とも浴衣姿で風情があった.日本の夏が感じられる.

鵜飼観覧船に乗り込む学会参加者@長良川
鵜飼観覧船に乗り込む学会参加者@長良川

日本における鵜飼の歴史は古く,日本書紀や古事記にも登場しているという.

長良川の鵜飼はおよそ1300年前から行われており,かつては鵜飼漁の職人を鵜飼屋と呼んでいたそうだ.戦国時代になり,岐阜城を落とした織田信長が鵜飼を見物して感銘し,「鵜匠」と名付けたという.その織田信長や,鮎鮨を好んだ徳川家康らに保護されてきた鵜飼だが,明治維新以降は保護がなくなり,21人いた鵜匠も今では6人のみという.なお,長良川の鵜匠は世襲で,明治23年からは宮内庁式部鵜匠が正式職名となっている.つまり,国家公務員だ.

解説が面白い船頭さんと通訳のお姉さん@ぎふ長良川鵜飼
解説が面白い船頭さんと通訳のお姉さん@ぎふ長良川鵜飼

鵜飼観覧船は18:30頃に出船し,鵜飼観覧ポイントへと向かう.鵜飼開始は19:30頃で,開始を告げる花火が打ち上げられるまで,ビールを飲んで,お弁当を食べる.鮎も入っている豪華なお弁当だったが,塩焼きは焼きたてがいい.前日夜に食べた川原町泉屋の鮎が非常に美味しかっただけに,落差が大きかった.

鵜飼が始まるまで,そして始まってからも,鵜飼観覧船の船頭さんが鵜飼について説明をしてくれる.今回は通訳の方も乗船していたので,船頭さんがまず説明をして,それを通訳してもらうというスタイルだった.ところで,この船頭さんの解説が秀逸だった.とても面白い.そもそも,鵜も鮎も鵜飼も何もかも知らないことだらけなので,いちいち「おぉー,なるほど~!」と感心してばかり.参加者みんなが絶賛していた.

船頭さんの解説を1つだけメモしておこう.

鵜って何でも飲み込むんです.鮎だけじゃなくて,フナもコイも,ウナギも.で,ウナギを飲み込むのは難儀するんですね.鵜が難儀するからウナギ.という説もあるようですよ.あ,でも,これ,鵜呑みにはしないで下さいね.

これを通訳しだすお姉さんも凄かった.いや,もう,大満足.

ぎふ長良川の鵜飼
ぎふ長良川の鵜飼

花火が上がって,鵜飼が始まると,まず,「狩り下り」が行われる.狩り下りとは,鵜船1隻に鵜飼観覧船1隻が並走して川を下ることで,鵜匠による鵜飼を間近で見ることができる.篝火(かがりび)を灯した鵜船では,鵜匠が「ほう~ほう~」と声を掛けながら,最大12羽の鵜を自在に操り,鮎を狩る.

狩り下りをしながら,鵜飼について鵜匠が説明をしてくれる.鵜匠と鵜は長いものだと30年以上も寝食を共にするため,お互いを信頼しあっているのだという.まさに以心伝心状態なのだそうだ.また,狩れた鮎を見せてくれたりもする.Aグループの我々は,小さな鮎しか見られなかったけれども.

ぎふ長良川の鵜飼
ぎふ長良川の鵜飼

「狩り下り」の次は「総がらみ」で,鵜船6隻が横隊となり,一斉に鮎を浅瀬に追い込んでいく.総絡みは遠くから眺めるだけのため,狩り下りの方が興味深かった.

鵜飼が終了すると,鵜飼観覧船も鵜船も停泊し,鵜は鵜船の縁で羽を休める.篝火に近いほど羽が良く乾くので,鵜は年功序列で並ぶそうだ.若い鵜が順番を間違えると,他の鵜に突かれるらしい.

鵜船の縁で休む鵜@ぎふ長良川
鵜船の縁で休む鵜@ぎふ長良川

長良川の鵜匠は,生まれて1~2年の若い野生の海鵜を茨城県日立市十王町で捕獲し,一緒に過ごしながら,一人前に育て上げる.鵜飼のシーズンは5月から10月までの約5ヶ月間だが,鵜匠は一年中,鵜と生活を共にし,まさに鵜飼一筋なのだという.

鵜飼を観るのは今回が初めてであったが,非常に楽しめた.とにかく,一度は見ておいたら良い文化だと思う.実際,長良川の鵜飼用具は国の重要有形民族文化財に指定されている.

ところで,特に海外からの客人が多いということで,今回,船頭さんはじめ関係者が心配されていたのは,鵜飼が動物虐待と捉えられないかということだった.そうではないことを理解してもらうために,説明は非常に丁寧で,この点は強く印象に残った.

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