10月 012012
 

先日,「出生前、血液で父子判定 国内2業者、1年で150件」というニュースを見掛けた.

親子鑑定ビジネス開始
親子鑑定ビジネス開始

記事によると,妊娠中の母親の血液中に含まれる胎児のDNAを調べることによって,父親かもしれない男性と母親に違いない女性の血液から親子鑑定できる出生前ビジネスが日本でも開始されたという.父親かどうかが99%以上の確率で分かるという.記事には出生前親子鑑定について倫理的な問題が云々と書かれているが,違う観点から問題提起しておきたい.

本当の父親であるのに,誤って本当の父親ではないと診断されてしまう確率はどの程度だろうか.この確率が高いのはマズイと思うのは私だけではないだろう.

問題を単純化して,定式化してみよう.本当の父親である場合に父親であると診断される確率は99%,本当の父親でない場合に父親でないと診断される確率も99%とする.つまり,いずれの場合も1%は間違えるとする.また,女性が妊娠したとき,父親が本当の父親でない割合は100人に1人としよう.これが多いか少ないかは議論が分かれるところかもしれないが,欧米では3~4%程度という話もあるので,全くの見当違いではないかもしれない.

さて,このとき,あなた(男性でも女性でもよい)がこの親子鑑定サービスを依頼して,父親が本当の父親ではないと診断されたとする.恐らく深刻な事態だ.このとき,本当に,父親が本当の父親ではない確率は何%だろうか?

精度通りの99%だろうか.あなたの直感は何と言っているだろうか.

ちなみに,この問題を先日広島大学で行った集中講義で問うてみた.

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